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ケーブルは細い方が立ち上がりが良い??オーディオが一般の家庭電化製品と違うのは、個人の趣向が大きく影響することだろう。
それで、何でも言いたいことが言えるようなところがあり、教祖がいて信者がいるというような構図にもなりかねない。
中には、本当に聞こえているのか?と疑問に感じるものもある。
今回、こういうタイトルで書き始めたのは
「ケーブルは細い方がいい」
と言っている人がいたからである。
細いケーブルに換えてみたら、好みの音になったと言うのなら納得できるのだが、そうではないらしいからちょっと待てと思ったのだ。
この「ケーブルは細い方がいい」と言う人をM氏とすると、M氏の理屈は、水道の蛇口につなぐホースと同じく、
ホースを細くすると水が勢いよく出る。これと同じでケーブルも細くした方が電流も勢いよく流れ音の立ち上がりもよいと言うのだ。
ケーブルを細くしたことで、本当に音の立ち上がりがよいと聞き取れたの?と疑いたくなる。
同種の金属のケーブルで、細くして音の立ち上がりがよくなるとは極めて考え難い。
というより「あり得ない」と言った方がよい。
それは、ケーブルを細くすることで抵抗(直流抵抗)が増加するからだ。
2本の並行したケーブルは構造上、キャパシティを含むので直流抵抗の増加は時定数の増加になる。
時定数が大きいということは、立ち上がりが遅くなるということを表す。
だからA氏がケーブルを細くしたことで、音の立上りがよくなったと感じたのは
1.音質が変化してA氏にとって好ましい音質になった
2.ケーブルの金属そのものが別のものになった。例えば銅線から銀線に換わって実は直流抵抗が小さくなった
3.音の変化はわからないのだが、ゴムホースを流れる水流と同じというイメージをしているだけ
と考えられる。
このケーブルを細くするということで、思い出したことがある。
知人がたこ焼きを作って振舞ってくれるというので、楽しみにしてご招待に応じた。
ところが、たこ焼き器なるもののスイッチを入れても、たこ焼きができるほどに、なかなか温度が上がらない。
私がコードをチエックしたら、たこ焼き器からコンセントに行くまでに途中に細いビニルのコード(テーブルタップ)が使ってあった。
原因はこれだと思った。
たこ焼き器となると、少なくとも1000Wぐらいの消費電力はある。
これを使うと、少なくとも10Aの電流が流れることになるのだが、延長のために使ったコードの許容電流が10Aなかった(つまり細い)ので、たこ焼き器はなかなか熱くならなかったのである。
つまり、これはケーブルが細いと立ち上がりが悪くなる、よくわかる例である。
たこ焼き器を壁のコンセントに近づけ、延長に使ったケーブルをやめたら、すぐにたこ焼き器は熱くなった。
ケーブルが細いと立ち上がりが良くなるのなら、電力会社は大いに助かる。
しかし、理論的にも現実にもそんなことはあり得ない。全く正反対である。


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ダンピングファクターが理解できていないダンピングファクターとは、スピーカーのインピーダンスをアンプのインピーダンスで割った数値である。
例えば、スピーカーのインピーダンス(Z)を8Ω、アンプのインピーダンス(X)を0.04Ωとすると、ダンピングファクター(D)とすると、
D=8/0.04=200
となり、ダンピングファクターは200ということになる。
ところで、これが実際に何を意味するかと言うと、アンプがスピーカーを駆動する能力を表し、この数値が高いほど駆動能力も高いということになる。
具体的には締まりの良い音、歯切れのよい音になる。
アンプを発電機と考えると、アンプが発電した電力を如何に効率よくスピーカーに伝えられるかということとも言える。
しかし、ケーブルが細くなると、ケーブル分の抵抗が加味されてその分アンプの電力がケーブルの抵抗分に食われることになるので、ケーブルが細くなることは効率を悪くすることになって好ましくない。
ここでもM氏の驚くべき発言は
「コードの直流抵抗分はスピーカーに直列に抵抗が入るだけだから、ほとんど気にする必要がない。抵抗分が多い場合はその分アンプのボリュームを上げればよい」
と言っている。
いかに電気回路を理解していないかがわかる。
ケーブルが長くなるということは、直流抵抗が増えるということだけではない。
インダクタンスやキャパシタンスも増加する。
これは位相のずれに影響してくる。
M氏は交流回路のことが全く頭にないようである。
ケーブルが長くなったら、その影響分だけアンプのボリュームで調節すればよいと考えているのは、単純な電圧降下しか考えていないとみられる。


