2010年03月30日

マルティノン/ドビュッシー:管弦楽曲作品集II

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Dubussy.jpgジャン・マルティノン指揮/フランス国立交響楽団
演奏:★★★★★
録音:★★★★★

以前、ドビュッシーの「小組曲」を探していて買ったものだが、音はひどいと思っていた。それもしょうがないかと思っていた。なにしろ録音も1973年なんだから。

ところが、最近再生してみてビックリ、音は悪くないのだ。
なぜ?と思ったら、パワーアンプを増強し片側320Wのバイアンプにしたからだということがわかった。
320Wは8Ωでの値だから、スピーカーは6Ωだから換算すると、480Wということになるが、トランジスタにそこまで電流が流せられるかと考えると・・・それでも400Wぐらいにはなると思う。
もちろん、フルパワーでそんなに音を出すことはない。
スピーカーは能率のよい方なので、パワーメーターで見ても、大音量と感じるときでも、せいぜい1Wぐらいまで振れているというところだ。
コントロールアンプの目盛は2を越えたことはない。

再生音の何が変わったかというと、以前は高音にまとわりつく歪みのようなものを感じたが、それがきれいさっぱりなくなっている。
恐らく、歪みのように感じていた信号は、以前、再生しきれなかったからではないかと思う。
パワーの余裕は、大音量のためだけではないのだと実感した。
とにかく、高域のゴミのようなものがなくなった。

ところで、CDの中身だが、これはフランス音楽では定評のあるジャンマルティノンの指揮である。
昔、来日しNHK交響楽団を指揮した時、評論家が「N響からこんな音が出るんだ」と驚いた。
フランスの指揮者だが、かつてウィーンフィルを指揮して発売されたチャイコフスキーの交響曲第6番「悲愴」は名盤となっている。

-- 曲目 --
ディスク:1
1. バレエ音楽「おもちゃ箱」
2. 組曲「子供の領分」(キャプレ編)
3. 神聖な舞曲と世俗的な舞曲(ハープと弦楽合奏のための舞曲)
4. 小組曲(ビュッセル編)
ディスク:2
1. ピアノと管弦楽のための幻想曲
2. クラリネットと管弦楽のための狂詩曲第1番
3. アルト・サキソフォンと管弦楽のための狂詩曲
4. レントより遅く
5. バレエ音楽「カンマ」
6. スティリア風タランテラ(ラヴェル編)

Amazonを見ると、在庫が1点ありとなっているので、欲しい人は早めにどうぞ。
ドビュッシー:管弦楽曲作品集II
posted by dolce at 19:21 | Comment(0) | TrackBack(0) | レコード・CD

2010年03月30日

長岡鉄男のわけのわかるオーディオ

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nagaoka_wakeno.jpgオーディオ製品はは電気回路と音響工学に基づいて作られているが、そういった理論だけでは、判断できないのもオーディオである。
だからと言って、理論はどうでもいいとはならないと思う。
一応、理論だけは正しく基本をとらえておくべきだと思う。
自分の勝手な印象だけで判断したり、理屈にもならない理屈をまくしたてていたら、それはあたかも一種の新興宗教みたいになってしまうだけである。

スピーカーにはW数が書いてあるが、この数字を見て、Aのスピーカーは20Wだが、Bのスピーカーは50Wだから、こちらの方が大きな音が出ると、ある人が言っていた。
もちろん、誤った理解である。
しかし、そういった人が何か権威のある人やリーダー的存在であった場合、聞いた人はそれを信じてしまうことがある。
まさに、言った人が教祖のようでもある。

「人は信じたいことを信じる」と言ったひとがいるが、まさにそう感じることも少なくない今日である。
一度言い出したら絶対に訂正しないと言うような人もいる。
訂正することは恥だと思っているのだろうか?

オーディオの新興宗教に巻き込まれないためにも、正しい知識を身につけたいと思う人は、今は亡き長岡鉄男さんの長岡鉄男のわけのわかるオーディオを推薦したい。

長岡さんは、高価なオーディオ機器を並べて、雑誌に営業マンのような記事を書く人ではない。
金持ちだけの趣味ですよと言った雰囲気を作った人でもない。
そういう意味からも、一度は読んでおいて損はしない本だと思うのである。

2010年03月27日

ダンピングファクターの理解

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オーディオのアンプのパワーは、どの程度必要かという話題で、アンプの違いというのは、色づけ(アンプの音色)とパワー(出力)の違いだけだという人がいた。
しかし、それはあまりにも大雑把なとらえ方だと思う。

アンプのスペックには、ダンピングファクターという数値が書いてあったりなかったりするが、これを無視することはできない。
電気回路の基礎知識があれば、容易に理解できることだと思うが、一応、簡単に説明してみたいと思う。

bunatsu.jpg左の図は、電源に抵抗が2つ直列に接続されている回路である。
こういう場合、電圧Vは抵抗R1、R2に分かれる。つまり

V=V1+V2

となる。
そして、その電圧の分かれ方は、R1とR2の抵抗の比になる。
具体例を挙げれば、V=10v、R1、R2がそれぞれ5Ωであれば、V1、V2もそれぞれ5vずつになる。すなわち、R1とR2が同値ならば、R1:R2=1:1であるから、どちらの抵抗にも同じ電圧がかかることになる。
R1=2Ω、R2=8Ωの場合はR1には2v、R2には8vになる。

この図を次のように書き換えても同じである。
AmpSpBunatsu.jpg点線の枠内は、それぞれアンプ側、スピーカー側を表す。
この時、ダンピングファクターDFは次の式で表される。

DF=R2/R1

この式は、スピーカーのインピーダンスに比べて、アンプのインピーダンスが小さいほど、ダンピングファクターDFが大きいことを表している。
そして、ダンピングファクターが大きいということは、スピーカー側により大きな電圧が配分されるということを示している。

具体的には、スピーカーのインピーダンスが、アンプのインピーダンスが0.4Ωとすれば、

DF=8/0.4=20

ということになる。
R1:R2=1:20であり、アンプから発生した電圧も1:20の割合でかかることになる。
これは非常に大きな割合でスピーカーに電圧が分配されることを表している。
もし、R1=0Ωならば、すべての電圧がスピーカーに分配されることになるが、これは理想である。
しかし、スピーカーのインピーダンスに比べ、アンプのインピーダンスが小さいほど、スピーカーには発生する電圧が限りなく100%分配されることになる。

ところで、スピーカーのインピーダンスは8Ωと記載されているものが多いが、これは低音から高音まで(20Hz〜20KHzまで)8Ω一定ではない。

下の図は、あるフルレンジスピーカーの周波数特性と、インピーダンス特性を表したものである。
impTokusei.jpg
このように、スピーカーのインピーダンスは周波数によって変化しているので、アンプは非常に複雑に変化するスピーカーをドライブするのが実態で、8Ωに対処するだけでは、アンプのドライブ能力としては不十分である。

結論として、スピーカーのインピーダンスがどのように変化しても、スピーカーに送り込む電圧が変動しないアンプが理想のアンプである。

出力100Wと記されていても、パワーを感じないのは、めまぐるしく変化するスピーカーのインピーダンスの変化に追従できないからである。
アンプのスペックに記されているパワーは、あくまでも、8Ωとか4Ωとか一定の条件のもとでの値なのである。
それも、非常に速い速度で変化するインピーダンスに対しては、スペックの値のようにはいかない場合がある。

理想のアンプでは、スピーカーのインピーダンスの変動に対して、安定してスピーカーに電圧を配分することができる。
その場合、スピーカーにかかる電圧をV(v)とすると、アンプから出力されるパワーPと、スピーカーのインピーダンスの関係は、次のようなグラフ(赤線)で表される。
つまり、アンプのパワーPとスピーカーのインピーダンスは反比例の関係にある。Vは一定であるのでVの二乗も一定(定数)となる。

PtaiR.jpg


しかし、理想通りVが一定にならないと、すなわち低下してしまうと、緑の線のようにパワーは低下してしまう。
パワーは大きいのに低音が出ないという理由に、Vが低下してしまう、つまりアンプがインピーダンスの変化に追従できないという原因がある。

だから、アンプの違いはパワーの違いだけではないのである。
ダンピングファクターの小さいアンプは、ドライブ能力が低いと言える。

真空管アンプの出力インピーダンスが0.5Ω程度なので、スピーカーのインピーダンスが8Ωの場合、8/0.5=16がダンピングファクターになります。トランジスタ(半導体)は一般に出力インピーダンスが0.01Ω以下で8/0.01=800でダンピングファクターが大きいです。

アンプの違いは、他の要素もありますが、今回はそのうちの一つ、ダンピングファクターについて説明しました。
アンプの違いが、音色とパワーの大きさと考えていると、大きな間違いを起こすとだけ確認しておきたいと思います。

2010年03月24日

上級生になったんだから、もう一段階厚いリードを使いなさいだって?

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上級生になったんだから、もう一段階厚いリードにしなさいって指導する中学校の先生がいると聞いた。

その先生って、クラリネット吹く人なのだろうか?

また、クラリネットの先生で、そういう指導をする人がいるのだろうか?
もし、そういう人がいるとしたら、習う生徒は不幸と言うしかないだろう。

そう言えば、フルートでも間違った奏法を習って悪い癖をつけた中学生がいた。
月謝まで払って間違ったことを習ってくるのだから、悲劇である。
フルートの頭部管は、主管に刺す時、全部入れてはいけないのに全部差し込んだ状態で教わっていた。
頭部管と主管の角度もいいかげんで、ひどい音程で吹いていた。
あとで分かったことだが、教えたのはピアノの先生だったらしい。

ピアノの先生がフルートを教えてはいけない、とは言わないが、自分が正しい奏法を教えているかどうか、責任を感じてほしい。
しかし、ピアノの先生なのに、音程の悪さに気づかないというのも変だ。

clarinet.jpgクラリネットの奏法にしても、厚いリードを使うほど良いなんて、まだクラリネットの奏法がよくわかっていない何十年も前の悪い伝統を引き継がないでほしいと思う。

一度、先生もクラリネット教室に通ってみたらどうだろう?
実際、そう教えられていた生徒の指導を依頼されたことがあるが、肩も口も腕も相当に力が入っていた。

その力を抜くのに相当時間がかかった。
不必要に厚いリードを使っていたので、音を出す時、息漏れの音がすごかった。

クラリネットで最も響きが悪いと言われる喉音はほとんど、息だけの音で実用にならなかった。
どの音もむらなく鳴らなければ、ソロはできない。

やっと軽く吹けるようになったと思ったら、楽器もよく響くようになった。
親が演奏会に聞きに行ったら「うちの子の音、よく聞こえました」と言っていた。

吹奏楽を教えている先生の中には、閉鎖的な人がいて、そういう人は鎖国政策をとっている。
そのため、その部はどんどん時代遅れになっていく。
困ったことに、中学生は案外保守的なところもあって「先生が言われたんだから」とその時代遅れをかたくなに守っている場合もある。

鎖国を解いて、新しい文明を取り入れるようにしてもらいたいものだ。
posted by dolce at 00:11 | Comment(0) | TrackBack(0) | クラリネット

2010年03月22日

ドイツ製クラリネットだって?

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「音楽をやっていらっしゃるんですか?」
「うちの子も吹奏楽部に入っていまして、先生からドイツ製のクラリネットを紹介していただいたんですよ」

得意そうにある主婦が語った。
すごい楽器を紹介してもらったと言わんばかりだった。

私は何とも言いようがなかったが

「本当にドイツ製なんですか?」

とだけ言った。

今頃、中学校の吹奏楽部で、ドイツ製のクラリネットを紹介する先生がいるのだろうか?

ドイツ製と言えば、ピンとくるのはエーラー式だが、いくらなんでも中学生にエーラー式をすすめる先生はいないだろう。

とすると、怪しいメーカーかという憶測をしたくなる。

日本に入ってくるドイツ製で、ベーム式のクラリネットを作っているメーカーはどこなんだろう?

フランスのC社の下位モデルはドイツで作られていると聞くが、それはドイツ製であっても、ドイツのクラリネットとは紹介しない。

気をつけなければいけないのは、楽器店によっては昔仕入れた変な楽器を処分に困って、何かの折に売りつけるというやつである。
そういう被害に遭ったのではなければいいですけどね。

もう一つ気をつけなければならないのは、指導者の立場としては、知らないものを紹介しないことだと思います。
クラリネットの先生が、吹奏楽部で始める生徒にドイツ製をすすめることはないと思うんですが。
posted by dolce at 12:08 | Comment(0) | TrackBack(0) | クラリネット

2010年03月21日

microlabのスピーカー改造

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microlab.jpg このスピーカーはパソコンのモニター用として売られていた。
安くて高音質という評価が巷に流れているが、全体にモヤーッとした解像度のない音で、質が高いとは言えない。
サブウーファーがついていて、これが邪魔になるほど出しゃばる感じである。

もっとも、これが好きだとという人はそれでいいのだが、あらゆるソースに対して正直に音を出してほしいと願う私にとっては不満である。
でも、実売価格 5千円台でよく商品化したなあと関心はする。

パソコンもHiFi化と称して、TangBandの8cmフルレンジとデジタルアンプを紹介したが、TangBandのスピーカーをさらに2つ買ってしまったので、これをmicrolabのユニットと交換しようと思った。

TB_W3-593SG.jpg使用したのは、前回の竹繊維混入のユニットではなく、従来から発売されているW3-593SGという型番のスピーカーである。
メーカー………………Tang Bamd
インピーダンス………8Ω
再生周波数帯域………110Hz〜20kHz
出力音圧レベル………86dB
Qts ……………………0.57
入力……………………15/30W
バッフル開口径………76mmφ
重量……………………0.62kg

8cm口径のフルレンジで、スペックからは低音が出そうにないが、実際鳴らしてみると、歯切れのよい低音がかなり出て、miclolabのサブウーファーはかなり音量を絞った。

音は明瞭度が増し、きめ細かくなった。オーケストラの編成もよくわかるようになった。

小口径のユニットでは低音が出ないという先入観を持っている人もいるようだが、なぜ、8cmという小口径のフルレンジを作るのかというと、それはそれなりの意味がある。
低音楽器に弱いかというと、そんなことはない。

コントラバス協奏曲を聴いてみると、大きく鈍重なスピーカーより表現力があり、奏者の表現がよく伝わってくる。

音楽ではいかに中高音の質が大切かがよくわかる。
ある人が、ダイヤトーンの有名なユニット、P-610とこのスピーカー(TangBand/W3-593SG)と交換してみたところ、こちらの方が気に入って、ずっと使っているということである。

mi1.jpgmicrolabのユニットをはずしたところ。










mi2.jpg

交換が終わった写真(上のスピーカー)
posted by dolce at 17:44 | Comment(0) | TrackBack(0) | オーディオ

2010年03月20日

メンデルスゾーン/ピアノ三重奏曲 第1番 ニ短調 作品49

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MendelsPn3_1.jpgウィーン・ベートーウ゛ェン・トリオ
演奏:★★★★★
録音:★★★

このメンデルスゾーンの傑作の決定版はどれだろう?
まあ、どれと言えるほどの数も聴いていないので、安易に批評はできないと思っている。

批評するに当たっては、レコード芸術という雑誌もあるように、評価はあくまでもレコード媒体を通じての評価である。
だから、商品としてのレコードやCDで演奏家そのものの評価を断定してはいけないと思っている。

さて、今回の演奏者、ウィーン・ベートーヴェン・トリオの演奏はテクニックに於いては申し分ないのだが、惜しむらくは録音がやや劣るところだ。
発売は、カメラータ・トウキョウとあるが、数々のCDを聴いてきた中では珍しい。というより、初めてのような気がする。
このCDだけで、この会社の録音レベルを決めてはいけないだろうが、私としてはちょっと気に入らない。

ドイツ・グラモフォンでもそうだが、Made in Japanの印象がよくない。
録音はウィーンでも、制作がMade in Japanだと変わってしまうようだ。
だから、もし輸入盤があるのなら、そちらも聴いてみたい気がする。

ところで、音楽フアンの中でクラシックフアンは少ないようだが、室内楽になるとさらに少なくなるようで、発売されたかと思うと、比較的短い間に廃盤となってしまうことが多いようだ。
しかし、多くの室内楽は作曲家の晩年の作品が多く、作品の芸術性の高いものが多い。
それだけに、理解も難しいのかも知れないが、もし、このメンデルスゾーンのピアノ三重奏曲を難解な室内楽と先入観を持っている人がいるとしたら、それは残念なことである。

ぜひ、一度は聴いてみることをお勧めする。
きっと、冒頭の印象的なチェロのメロディーに心惹かれると思うからだ。
posted by dolce at 22:38 | Comment(0) | TrackBack(0) | レコード・CD

2010年03月15日

スピーカーの完全自作

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speaker_zisaku.jpg純然たる本の紹介である。
タイトルは「新 スピーカーの完全自作―まるごと手作り!!入門から本格テクまで」とあるが、初心者がこの本を手本にして作ろうとするには、敷居が高いと思う。

それでも、この本に紹介してあるスピーカーシステムに興味を持ち、どうしても手に入れて聴いてみたいと思ったら、詳細な図面も載っているので、これを製作業者に以来するという手もある。

しかし、この本の魅力は製作をせずとも、スピーカーとはこういうものかという理解を深めさせてくれる。

かくいう私も、頭が固く、バスレフとは、密閉型とはというふうにある領域を出ないで四角四面に考えていたところがあるが、もっと柔軟な思考で実験的にやってみればいいのだと思った。

そして、どんな音が出るのか、またそれがけっこうよかったりするかも知れない。
いい音を再生したいと思っている人も、自作でなくてもメーカー製を買うとき、スピーカーの選択の眼が肥えるに違いない。

この本の後ろの方には、タンノイのオートグラフやアルテック211、JBLパラゴンの製作が載っている。
これらは、とても高度な木工技術を要するので、なかなか素人の手を出せるところではないが、昔からオーディオに親しんで来た人にとっては、夢があるし、何かワクワクするものがあるに違いない。

また、スピーカー製作以外の記事も参考になったし、私は毎夜、就寝時に枕元で読んでいた。

最近のオーディオ誌はなんだかカタログのようになってきた感があるが、それらと比べると身近にオーディオのロマンを感じさせる本である。
posted by dolce at 18:03 | Comment(0) | TrackBack(0) | オーディオ

2010年03月12日

パソコンのオーディオをグレードアップ

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私は音楽を携帯するということはほとんどないので、今のところiPodの必要を感じない。
しかし、iTunesというソフトは使ってみるとなかなか便利だと思う。

ところで、音楽をパソコンに取り込むのだが、mp3に圧縮してしまうと物足りなく感じる。
だから、iTunesでの取り込みはWAVに設定してある。

WAVで取り込むと、それなりに音質もアップしなければ意味がないと思い、パソコンのオーディオもグレードアップすることにした。

どのようにグレードアップしようかと、あれこれ模索していたら、TangBandというメーカーのスピーカーが目にとまった。

W3-1319AJPG.jpg


W3-13191A

【8cm竹繊維混合フルレンジスピーカー(防磁型)】
コーン紙に竹繊維を混入し、強度と音質アップを図りながら価格を抑えたスピーカー。見た目にも高級感のあるフェイズプラグを採用し、明るく透明感のある音質。
※スチール・プレスフレーム

メーカー………………Tang Band
インピーダンス………8Ω
再生周波数帯域………110Hz〜20kHz
出力音圧レベル………86dB
Qts ……………………0.55
入力……………………12W/25W
バッフル開口径………76mmφ
重量……………………0.73kg


はじめはFOSTEXを使おうと思ったが、この風貌を見て何か予感がして、値段もまあまあというところで、実験の気持ちで試してみた。

エンクロージャーをどうしようということだが、気持ちとしては、DIYでなのだが、そんな時間のゆとりはなさそうだった(本当は横着)ので、これも出来合いを探すことにした。

hikarikohgei.jpgゆとりがないのなら、完成品にしたらどうだという考えもあるが、TangBandの音を聴いてみたいのと、少しは手作りの労力をという気持ちもあったからだ。

ヒカリ工芸

【バスレフ型スピーカーエンクロージャー】

本数……………2本
板厚……………15mm
材質……………パーチクルボード
仕上……………ウォールナット調仕上げ
寸法……………H:260×W:165×D:175(mm)
開口径…………φ75mm
内容積…………4.5リットル
方式……………バスレフ型
ダクトサイズ…25×60×75mm
ターミナル……無し(取付型が適合します。)
ネット…………有り
吸音材…………有り(適量)
重量……………2.4kg(1台)


実物を見ると、さすがきれいに作ってあり、一部の隙もない。それに、思ったより頑強でまあ満足。

TangBand_toritsuke.JPG

TangBandのユニットを取り付けたところ。

さて、アンプをどうしようというところだが、これは最近何かと話題のデジタルアンプを使ってみようと思った。
これも、自作を考えたのだが、結局、電子部品の販売でよく名前の出てくる若松通商から販売されている1万円ぐらいのデジタルアンプを使ってみることにした。

そんなのでいいの?という人もいるかも知れないが、デジタルアンプは低価格で性能がいいというのが特徴なので、あえて安いほうを選んだ。

安いと言っても、1万円そこそこで20W×2(4Ω)のパワーが出る。

RSDA202.jpg


実物を見るとさらに驚き。
写真でわかるように、隣に写っている腕時計と比較してみると大きさがわかる。
手のひらに乗ってしまう大きさだ。
もっとも、電源部は内蔵されていないので、よく使われるACアダプターのようなものを用意する必要がある(DC12〜14V、4A)。

私は直流電源は手持ちがあったので、それを使ったが、ない人は若松通商でオプションとして1900円で売っている。

驚いたのは、こんな小さなアンプで20W×2が出ることと、いつまで使っても全く熱くならないことだ。
デジタルアンプは、エネルギー効率がいいという特徴がよく出ている。

デジタルアンプの設計の本を読むと、エネルギー効率は80%ぐらいはあるようだ。
まさにエコ時代のアンプだ。

BookShelf.jpg


文字通りブックシェルフだが、これでいいのかなあと半信半疑でパソコンにつないでみたところ、盛大なハム。
やっぱり値段だけのものかと思いながら、ケーブルを換えてみた。
ピッタリとハムは消えた。

音楽を再生すると、一応音が出たので一安心。
ボリュームは少し上げただけでも、かなりの音が出たので、こんなアンプでも余裕がある。さすがデジタルアンプだ。

クラシック、ポピュラー、ジャズと次々とソースを変更して聴いてみる。
なかなかのものである。
弦楽器がきれいだ。
ピアノは浮き出て、演奏のメリハリがよくわかる。
悪く言えば、高音が硬くてきつい感じだ。
これでは、ボーカルはよくないだろうなと思って再生してみると、これが意外に癖のない音で、嫌味なく出てくる。

夜中の2時だったので、ここで打ち切る。

翌日、またいろいろ音楽を再生してみる。
8cmじゃあ、低音は無理だろうなと思いきや、コントラバスは倍音をよく再生するせいか生々しく聴こえる。

いや、オーケストラのスケール感だってなかなか出てくるし、ピアノ独奏にいたっては、魅力的な音だ。

ここで、パソコンが音源ではサウンドのチップが付録みたいなものだから、真価はわからないだろうと思い、音源をアキュフェーズのコントロールアンプから供給してみた。

いやあ、これはなかなかのものです。
弦楽器なんかタンノイよりいいんじゃないかと思うぐらい。
竹繊維混合フルレンジスピーカーの良さが出ているのかも知れない。
TangBandは台湾のメーカーだが、期待されそうである。

このスピーカー、エージングが進むと高音のきつさが取れてさらによくなると思われる。
ピアノを聴く人にも好まれそうである。

歯切れのよい低音で、私はサブウーファーが必要とは感じていない。
8cmでも心地よい低音が出る。
posted by dolce at 16:06 | Comment(0) | TrackBack(0) | オーディオ

2010年03月08日

高級なアンプは何が違うのか?

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AudioWaki.jpg偶然以下のような記事を見つけたので、感想を述べたいと思う。

「アンプ(ただし、中級程度以上の半導体アンプ)によって大した差がない」という主張は、私には経験的に十分首肯できるものです。ただ、()内の但し書きについて興味があります。低級と中級以上で何が違うのか?ということです。

国産メーカーでもピュアオーディオ用プリメインアンプで20倍以上の価格差がありますが、スピーカーから出る音圧が常識レベルまでなら、聴感上差がでないのではないかと思われるからです。というのも、ダイナミックレンジや高調波歪率などは高級機程よい値になっていますが、実売4万円のプリメインアンプでも聴感上認識できるほど悪くはないと思われるからです、現在では。いっそのこと、出力の大小と付加機能(入出力端子、低音調整、DACの装備など)の差以外に半導体アンプには大した差がない、と言い切るのはいかがでしょうか?

どうも、オーディオ専門誌のアンプの評論における、「音楽性」、「駆動力」、「分解能」、「スピード」などという修飾語は迷妄の極みのように思えてなりません。
アンプの出力とスピーカーの能率より。

まず、自分の耳で聴いて音の違いがわからなかったら、誰かの口車に乗って多額の投資をしないことが大切だと思います。
そういう意味では、上記の引用文を書いた人は、高価なアンプを買う必要はないでしょう。

ですが、一般に言えることは、高価なアンプとそうでないアンプの差は装備(アクセサリー)の違いではありません。
音そのもののグレードが違います。

音質は必ずしも出力に比例しませんが、音質のいいアンプはある程度パワーも大きくなると言えます。

では何が違うのか?

では、何の違いで音質の差が出るのかということですが、ひとことで言えば、ドライブ能力の差でしょう。

スピーカーは公称値としてインピーダンスが示してありますが、周波数帯域によってかなり変動します。
その変動に対して、安定してパワーを出すアンプがドライブ能力があると言えます。

では、ドライブ能力の差は何で出るのかというと、それはほとんど電源部と言えるでしょう。
だから、ドライブ能力を高めるには必然的に電源部が大きくなるのです。
それで、高級なアンプは重くなるのです。
あるオーディオメーカーは、アンプの音質の70パーセントは電源で決まると言っています。

大きな音は出さないから、パワーは必要ない?

アキュフェーズが1000Wの出力を出すアンプを発表した時「大きな音を出すんじゃないから、そんなにパワーはいらない」と言った人がいます。
これに対して、アキュフェーズの初代社長の春日氏は「静かな音楽を聴きたいからこういうアンプを作った」と言いました。

これは、オーディオに長く親しんでいるというか「通」の人にはよくわかる話だと思います。
私の知っているオーディオの好きな人は「アンプのパワーが大きくなって、むしろ小さな音で聴くようになった」と言います。

実は私もそうです。
音楽を聴くためのオーディオ用のアンプは、野外ステージやホールで使うようなPA用のアンプとは違います。
高級なアンプは、音がよりデリケートになっていきます。
一つ一つの部品も吟味して、よい材料を使っていますから、それがきめ細かさに繋がっていくものだと思います。
それに、重量級の電源とどんな信号に対しても破綻しない余裕で結果的にパワーも大きくなっているのです。

これは、ちょうど排気量の大きい自家用車に似ているような気がします。
軽自動車でも、十分普通の用途には間に合いますが、どんな道路状況にも乗っている人に快適な環境を与えるのは、排気量の大きなトルクの強い車です。

低価格のアンプは、よく言えばにぎやか、悪く言えばうるさい、暴れまくっているという感じですが、オーディオ用の高価な重いアンプでは静かです。
シーンとしています。

クラシックギターソロを聴くときは、かなりパワーを必要としません。
それでも、両者のアンプを比較試聴すれば、普通の人はただちに違いがわかると思います。

私のアンプは最大出力で640Wですが、オーケストラのクライマックスでの大音量でもメーターはせいぜい 1W程度です。

ボリュームは 10まで目盛りがありますが 2 以上に上げたことはありません。

オーケストラの曲で、始まりが何かの楽器のソロで始まるような曲では、そのソロを支える全員の伴奏が弱音で演奏するとき、オーケストラ全体のスケール感が感じられて、全体の音がスーッと前に出てくる感じになります。
これは、排気量の大きな車に乗ったとき、ごくわずかアクセルを踏んだときシートにグッと押し付けられるようなトルクを感じるのに似ています。

普及型の安いアンプと高価なアンプの違いがわからないという人は、どういう環境で聴いたのかわかりませんが、よほどひどいスピーカーを使ったのか、それともまだ自分の耳が分別できないのか何だろうと思います。
最後に書いてある
どうも、オーディオ専門誌のアンプの評論における、「音楽性」、「駆動力」、「分解能」、「スピード」などという修飾語は迷妄の極みのように思えてなりません。

これも、全面的には納得し難いものがあります。
「音楽性」というのはそれだけでは抽象的で、どういう状況のことかわかりかねるとしても「駆動力」、「分解能」、「スピード」は圧倒的に違いますね。
posted by dolce at 19:02 | Comment(1) | TrackBack(0) | オーディオ

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