
オーディオが元気だった頃は、世の中に活気があったような気がする。
オーディオに関心があろうがなかろうが、そんなことに関係なく勢いのようなものが感じられた。
今、世の中は節約、ムダ、効率などの言葉が飛び交っていて、それがビジネスの中心となろうとしいるとも言える。
そんな中にあっては、オーディオほどムダを背負っているものは少ないだろう。
オーディオファンは、いつムダのやり玉にあがるかとヒヤヒヤしている人もいるのではないか?
大体、効率の悪いアンプほど音が良いという傾向にあるし、重いものが音が良いというのも言えることである。
しかし、人間という生き物は効率一辺倒で生きられるものかとも思う。
効率一辺倒でやる気が失せたら、生産効率も悪くなるのではないかと思う。
どういうわけか、女性でオーディオに関心を示す人は少ないように思う。
何故かわからないが、そういう意味ではオーディオには男のロマンがあるようにも思える。
例えば、CDをガラスで作ったら音が良くなるのではないかという発想があると、それをすぐに実現してしまうというところがある。
そんなことは何でもないことだろうと思う人がいるかも知れないが、実際、発売されたガラスのCDは20万円だった。
オーディオメーカーとして有名なパイオニアも、このところ元気がない。
かつては、パイオニアが総力を挙げて作ったオーディオ製品にはEXCLUSIVEというブランド名をつけて発売したが、1983年に発売されたレコードプレーヤーは65万円した。
その頃の大学卒の公務員給与の初任給を人事院が97,000円という勧告を出しているので、いかに高いものであったかということである。
パイオニアの社員に聞いたところ、今はとてもそんなものは作れないと言う。