2011年04月25日

初心者の吹奏楽顧問のために

こんなタイトルをつけると、偉そうにみえるかも知れませんが、突然、吹奏楽の顧問になって右往左往している人で、誰にも聞けない、今さらこんなことは聞けないと困っている人のために、お役に立てばということで、つたない私の経験が参考になればと思い、書いてみました。

1.音楽に親しむこと

まず、顧問は自身が音楽に親しむことだと思います。
親しむ音楽は何でもいいと思います。しかし、顧問になったきっかけとして、吹奏楽を特に聞いてみることもいいのではないかと思います。
仕事として考える前に、音楽を聴く、楽しむ余裕が大切だと思います。

2.学問に王道なし

この言葉は、先生には「釈迦に念仏」だとは思いますが、今一度再認識して「今から勉強するんだ」という気持ちで取り組むべきだと思います。
スポーツは肉体的な衰えをカバーできませんが、音楽は歳にあまり関係ありません。

クルト・レーデル氏は「勉強すれば指揮者になれるかと言えば、そうも言えない。しかし、学べるべきことは学ぶべきだ」と言っています。
これは、音大出ならば必ずしも指揮者になれるとは限らないと言っているともとれます。

3.楽譜は大切

楽譜から読み取ることは、永遠の課題だと思っています。
大指揮者も、何度がスコアを読み直しています。
音楽に浸るという意味で、大作曲家の主だった名曲は聴いておくべきだと思います。
その際、ミニチュアスコアを買っておいて、聴きながらたどっていくと、以下に楽譜に忠実に演奏しいるかがわかると思います。

4.指揮をする時は、基本図形を大切に

4拍子、3拍子、2拍子など曲の拍子が変化するときは、絶対に振り分けねばなりません。
こういうことは、初心者でも練習すれば短期間にできるようになります。
メトロノームのように、すべての拍子を振らなくてもよい(拍を省略して振ってもよい)ですが、拍の方向を絶対に間違えてはなりません
振り出しは、必ず実際の音が出る一拍前です。余計な反動をつけてはいけません。
フェルマータの処理をマスターしておきましょう。

曲の感情を盛り込もうとして、体が不用意に動いてはいけません。体が動くと指揮が見にくくなります。
今一度、クライバーの指揮を見てみましょう。体そのものは安定していることが、よくわかります。



自分の指揮の姿をビデオで撮ってもらって、研究しましょう。
鏡の前で練習するのもよいと思います。

5.前もって、楽譜をよく研究しておいて、練習中に考え込まないように

どういう風に曲を作りたいのか、どう練習したいのかを予めよく考えておいて、練習ではテキパキと迷いなく指示しないと、演奏者には余計なストレスがたまって、集中力がなくなります。練習の充実感もなくなります。

6.一応全ての楽器に関する基礎知識は勉強しておきましょう

本で調べるのもよいですが、専門家をたどって聞きましょう。

とりあえず、思いつくまま書いてみました。
未経験なのに吹奏楽顧問になってしまった人、頑張ってください。
はじめ、生徒が新米扱いすることはあっても、黙々と努力する先生を見て、それが次第に尊敬になっていくでしょう。
肩の力を抜いてやりましょう。

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posted by dolce at 22:55 | Comment(0) | TrackBack(0) | 吹奏楽

2011年04月25日

音楽の好きな子どもが増えて欲しい

私の家はコンサートホールから近いということもあって、コンサートに行く回数は多い方ではないかと思う。
聴くだけではなく、自分の演奏もあったり、指導に行くということも考え合わせたら、私の生活において音楽は日常と言えるだろう。

私が出かけるコンサートは、圧倒的にクラシックが多い。
そして、大抵のコンサートは客がよく入っている。
ところが、その客のほとんどは年配者で若い人が少ない。
主催者側としては、席が埋まれば採算的にはいいのだろうが、これからの音楽界を考えると不安である。

昔はこういう風ではなかった。
クラシックのコンサートでも、中高生はかなりの数だった。
その影響は、学校での部活動が大きかったと思う。

私も吹奏楽部の指導をしたのだが、入部した生徒たちは開眼したように、音楽が好きになり、特に勧めることはなくても、コンサートにはよく行くようになった。
合唱部も吹奏楽部も現在、活動が衰えているとは思わないが、どういうことだろう?

たまに、コンクールを聴きに行くと、昔とは違うなと思うことがある。
昔は、他校の演奏に興味を持って、出演が終わるとすぐに開場に入って生徒たちは関心を持って聞いていた。
しかし、最近は、自分たちが演奏するだけで、他校の演奏にそれほど興味を示さなくなったような気がする。

また、中高の吹奏楽部へ行ってみると、何か別世界という感じも受ける。
何か別世界というのは、吹奏楽の曲というのは、もともとローカルなものが多く、広く音楽というジャンルから見たら知名度が低いということがあるのかも知れない。

吹奏楽曲で、一般によく知られているものは、マーチぐらいなものであろうか?
吹奏楽ファンはいるにはいるが、吹奏楽のCDが観賞用として売られるのはどのくらいなのだろう?

熱心な学校は、よくオーケストラの編曲ものを取り上げる。
しかし、編曲ものがオリジナルのオーケストラと比較して、魅力あるものにするには、なかなか難しい面がある。
編曲することによって、むしろ演奏が難しくなってしまうものがある。
調が変わっていて、違和感を持つものもある。

違和感と言えば、私がそういうことを最も強く感じるのは、吹奏楽も音楽に違いないのだが、吹奏楽部の生徒が、クラシックの曲をあまり知らないことである。

そして、吹奏楽という仕切られた世界だけで、何か音を出しているという印象を受けることが多い。

別に、クラシックを知らなくてもいいではないかという意見があるかも知れない。
しかし、有名なクラシック曲は歴史に耐えているだけに、曲そのものが持つ魅力が大きく、そういうものに触れることによって、生徒たちが、音楽に目覚める機会が多いということを無視できないと思う。

もっと言えば、今日の作曲家も歴史的な大作曲家の影響を受けており、盗作とまでいかなくても、似た部分はたくさん出てくる。

だから、生徒たちがクラシックを聴くことにより、部活動の時間だけでなく、自然に音楽が身についていくということがあると思うのだ。

早い話、部活動を指導する先生方は、歴史的な作曲家の名曲を生徒たちに、もっと紹介してほしいと思うのである。

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posted by dolce at 15:02 | Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽と生活

2011年04月19日

新学期ですね〜吹奏楽部にお願い

特に中学校の吹奏楽部にお願いしたいこと。
もう、入部も決まって、そろそろ楽器も決まるところでしょうか?

伝統ある吹奏楽部やベテランの指導者には、釈迦に説法ですが、始めの間違いであとあと生徒が苦労するところを老婆心ながら、あえて確認をお願いしたいです。

それは、ホルンとトロンボーンに関する指導です。

ホルン

ダブルを使っているところが多いと思いますが、F-B♭の切り替えで、B♭を常時使っている学校が多いようです。
それは構わないですが、B♭ということで、運指をトランペットのB♭と同じように教わっている生徒がいます。
これは間違っていますので、今一度、運指表でご確認ください。

できたら、ホルンらしい音色のFも使ってください。
かつての記事
http://bestmusic.seesaa.net/article/55181840.html

もご参照ください。

トロンボーン

トロンボーンは管自体はB♭管なのですが、ポジションは実音で習うのが正しい方法です。
第一ボジションを「ド」(実音B♭)と習ってしまう生徒は、後々苦労しています。
6ポジションを「ド」(実音C)と教えてあげてください。

かつての記事
http://bestmusic.seesaa.net/article/54924080.html

をご参照ください。

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posted by dolce at 00:10 | Comment(0) | TrackBack(0) | 吹奏楽

2011年04月17日

DTMとオーディオの間

DTM_NS2.jpgDTMを始めてから1年ぐらいになるかと思うが、俗に言うこの打ち込みという世界で創作する音楽と、オーディオの間のギャップに悩んでいる。
ギャップというのは、音質の差のことである。

DTMを始めようと思ったきっかけは、アンサンブルのパート不足の解消だった。
始めはクラシックに使えるのかと不安もあったが、操作がわかってくるとその不安もなくなった。

パソコンそのものの進歩で、映画のバックグラウンドミュージックには使えるとわかったが、一番の問題はこれまでずっと聴き続けてきたオーディオとの落差である。

MIDI主流の制作なら良いのだが、アコースティックな楽器の参加となると、HIFIの点で問題になる。

DTMがいち早く使われた音楽は、ポップスやジャズなどが多く、もともと電子音でも問題なかったわけで、モニターなど再生装置もそれらが再生されればよいレベルで、ROLANDの講習会にも何度か参加したが、私のようにクラシック音楽からの参加者は少なかったようだ。

クラシック音楽が中心の人は、再生装置も生に近い再生(いわゆるHIFI)を目標としているので、一般にDTMで使われる再生装置とのレベル差が大きい。

価格で見ても、DTMのパワードモニタースピーカーは数万円クラスが多く、高くても10万円(1本)程度なのに対し、オーディオ用は少なくとも、スピーカーだけで、30万円(1本)ということになる。それに、オーディオ用はアンプが加わりこれも50万円ぐらいはするだろう。

DTM関連を売っている店で、もっと音のいいスピーカーはなどと言っても、どうも話が通じない。
下手をすると自分のオーディオ装置を自慢しているようにも勘違いされ、途中で話は中断する。

よくわからないのが、DTMをやっている人は、普通に紹介されているパワードモニターの音の程度で満足しているのだろうか?

stereo.jpg


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posted by dolce at 21:28 | Comment(2) | TrackBack(0) | DTM・DAW

2011年04月15日

カルロス・クライバー〜その2

NHKのプレミアムシアター「ドキュメンタリー〜カルロス・クライバー」の2回目を見ました。

内容

ドキュメンタリー                      
「目的地なきシュプール〜指揮者カルロス・クライバー〜」   
                              
(前0:43.30)                   
カルロス・クライバー指揮                  
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団演奏会1991      
                              
「交響曲 第36番 ハ長調 “リンツ”K.425」     
                      モーツァルト作曲
                              
「交響曲 第2番 ニ長調 作品73」     ブラームス作曲
                              
        (管弦楽)ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
                (指揮)カルロス・クライバー
                              
  〜オーストリア・ウィーン楽友協会大ホールで収録〜    
                              
(1991/10)                     
                              
◇ (前1:59)                     
カルロス・クライバー指揮                  
ウィーン・フィル ニューイヤーコンサート1992      
                              
「歌劇“ウィンザーの陽気な女房たち”序曲」   ニコライ作曲
                              
「ポルカ“都会と田舎”」      ヨハン・シュトラウス作曲
                              
「オーストリアの村つばめ」                 
「かじやのポルカ」        ヨーゼフ・シュトラウス作曲
                              
「ポルカ“観光列車”」                   
「喜歌劇“ジプシー男爵”序曲」               
「ワルツ“千一夜物語”」                  
「新ピチカート・ポルカ」                  
「ペルシャ行進曲」                     
「トリッチ・トラッチ・ポルカ」   ヨハン・シュトラウス作曲
                              
「ワルツ“天体の音楽”」     ヨーゼフ・シュトラウス作曲
                              
「ポルカ“雷鳴と電光”」      ヨハン・シュトラウス作曲
                              
「ポルカ“騎手”」        ヨーゼフ・シュトラウス作曲
                              
「ワルツ“美しく青きドナウ」    ヨハン・シュトラウス作曲
                              
「ラデツキー行進曲」       ヨハン・シュトラウス父作曲
                              
        (管弦楽)ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
                (指揮)カルロス・クライバー
                              
  〜オーストリア・ウィーン楽友協会大ホールで収録〜    
                              
(1992/1/1)  

全部録画しました。
クライバーの記録は少ないので、貴重かも知れません。

深夜なので、録画してまだ全部はみていません。

今回、記憶に残ったのは、練習風景であまり優秀とは言えない奏者に対しての指導です。
クライバーは奏者に対して高飛車に出る指揮者ではなく、優秀でない奏者に面すると「こちらはお願いする方ですから」と低姿勢に出ているのは興味深かったです。

その場面というのはクラリネットのソロだったのですが、他の奏者たちはイライラして見ていたようです。

しかし「人は信頼されているのだと思うと、最高の力を発揮する」と解説していたように、その優秀でない奏者がすばらしい演奏をしたというのは驚きでした。

これは指導者としては、勉強になります。
しかし、単純に真似しただけでは彼のようにいくはずはありません。
彼は、やはり天才指揮者だと思いました。

2回のクライバーの動画を見て、私としてはやはり誰かが言っていたように、ベートーヴェンの4番と7番の存在価値を引き立たせた彼の技量は凄いものだと思いました。

私も改めて聴き直したいという気持ちになりました。

YouTubeにもクライバーの動画はいくつか出ていますが、客席では後ろ姿だけしか見えないので、ビデオで指揮ぶりが見られるのはとても価値があると思いました。

  

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posted by dolce at 19:44 | Comment(0) | TrackBack(0) | 指揮者

2011年04月07日

カルロス・クライバー

NHK-プレミアムシアター4月2日(土)にドキュメンタリー「カルロス・クライバー〜ロスト・トゥー・ザ・ワールド〜」が放映された。

こういう番組があるとは知らず、クライバーのかつての活動、練習の様子を途中から観ることになった。
大変興味深く、深夜にも関わらず最後まで観た。

指揮者はみな独特な指揮をするが、私の場合はCDだけで音に集中できればそれでよいと思うことが多いが、クライバーの場合はどんな指揮をするのか見たいという気持ちにかられる。

指揮者のリッカルド・ムーティは「テクニックを使う指揮者は真似ができるが、本能的に振る指揮者は真似できない」と言っていた。
確かに、指揮をしていると、多少なりとも次はどう振るかと考えることがあるだろうが、彼の指揮には全くそういうところが感じられない。

番組はバイエルン国立交響楽団とともに来日した時、収録された演奏会の様子を放映した。

kraiber4.jpg曲目は次のとおり。

交響曲 第4番 変ロ長調 作品60(ベートーベン)
交響曲 第7番 イ長調 作品92(ベートーベン)
喜歌劇「こうもり」序曲(ヨハン・シュトラウス)
ポルカ「雷鳴と雷光」(ヨハン・シュトラウス)

収録:1986年5月19日
昭和女子大学人見記念講堂

引き続き、ドイツ、ミュンヘンでの収録

序曲「コリオラン」作品62(ベートーベン)
交響曲 第33番 変ロ長調 K.319(モーツァルト)
交響曲 第4番 ホ短調 作品98(ブラームス)

収録:1996年10月21日
ヘラクレスザール(ドイツ・ミュンヘン)

すべてを観てしまった。

ベートーヴェンの交響曲は3番、5番、6番、9番の演奏回数が多いと思うが、クライバーの指揮によって4番、7番が魅力的に聴こえてくる。

私はクライバーの4番、7番のCDが欲しくなった。

4月9日(土)にはウィーンフィルとの演奏会が放映されるので、これも楽しみである。

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posted by dolce at 21:44 | Comment(2) | TrackBack(0) | 指揮者

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