NHKのBS-hiでも放送されたが、佐渡裕がベルリンフィルの指揮をするということは話題になった。
感想はいろいろある。
佐渡裕がベルリンフィルの識者になったわけではなく、一度呼ばれたということで騒ぎすぎだという人もいれば、これを機にCDを買い求める人もいる。
確かに、ベルリンフィルの常任指揮者になったわけではないが、それでもベルリンフィルに呼ばれるということは凄いことだと思う。
それだけニュース性もあり、私は騒ぎすぎとも思わない。
彼はバースタインの弟子だったということでも話題になったが、何と言っても、まるであのスポーツをやっているかのような指揮は強烈なインパクトがあった。
人によって好き嫌いはあるだろう。
私としては「好きにやったらいいだろう」という気持ちだが、どちらかというと、あそこまでやらなくてもという気持ちが強い。
でも、彼は指揮者としてデビューし、世界のあちこちでオーケストラを指揮していると活動からして、一定の評価を得ているということだろう。
私はNHK-BS-hiを録画して聴いてみた。
佐渡裕という指揮者が人物として好きか嫌いかという、音楽とは関係ない評価は別として、彼のつくる音楽そのものを純粋に評価してみたいと思った。
もちろん、私が評論家のような大先生のような評価はできるわけがない。
単なる一人の音楽愛好家としての評価である。
結論として、私には佐渡裕の音楽はわからない。
私の聴いたのはショスタコーヴィチの交響曲5番だが、曲が盛り上がる箇所では猛烈に興奮するものの、どうもアンサンブルのバランスがバラバラに聞こえて、この指揮者は音の調和というものを考えているのだろうかという気がする。
それに、曲全体を見通した設計というものを感じない。
あちこちで興奮するだけで、もう少し理性的に音楽を作ってほしいという気がする。
というわけで、佐渡裕氏の今後の活躍は期待したいが、今のところ、私は彼のCDを買う気持ちにはなれない。
細かいところでは、指揮棒の扱いは気になる。



posted by dolce at 19:03
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