音楽が好きな人にとっては、好きな音楽が流れてくるということは、より生活を楽しくします。
牛小屋に音楽が流れるようにしたら、牛が乳をよく出すようになったと聞いた人があります。
そうすると、音楽が何らかのよい刺激をもたらすのは、人間だけではないと言えます。
いずれにしても、音楽をいつも真剣に聴くのではなく、BGMとして聴くというのもいいわけです。
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同じ曲でも違う演奏者のものを聴いてみるしかし、CDなり、現在ではメモリなどに入れた音楽をいつも聴いていると、新鮮味がなくなってくるということはないでしょうか?
クラシックの場合、昔は生活費と比較すると高かったので、オーディオ装置をやっと揃えてもレコードが1〜2枚という家庭も多かったようです。
なにしろ、ラーメンが一杯50円の頃でも、レコード1枚は2000円しました。
ドーナッツ版と言われる小さいレコードは、500円くらいでこれをよく買った人もいます。
ポピュラー曲、歌謡曲などはこれでもいいのですが、交響曲となると、30cmのLPレコードになりますから、どうしても2000円出さなければなりません。
だから、1〜2枚のレコードを何回も何回も聴いたわけです。
それこそ、耳にタコがあたるほど聴いたと言えるわけです。
でも、音楽の好きな人は、小遣いを貯めたり他のものを節約したりして、レコードを買いました。
そして、ベートーヴェンの交響曲第5番「運命」を買うと、次はドヴォルザークの交響曲第9番「新世界より」というふうに、いろいろな曲を買い集めることになります。
まず、曲数(ライブラリー)を増やすわけです。
しかし、その域を超えると、今度は演奏者の違うベートーヴェンの交響曲第5番「運命」を買うようになります。
同じ曲でも、演奏者が違うと聴く印象は違ってくるわけです。
だいたい100枚を超えると、同じ曲名が並ぶようになると言った人もいます。
同じ曲でも、違う演奏者のものを聴くということは、演奏者によって解釈が違うということがわかって、鑑賞能力も高まることになります。
誰それの演奏は○○だなどと言う話をするようになると、音楽の聴き方も細かいところまで気がつくようになると言えます。
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楽器を習ってみる音楽をたくさん聴いて、あれこれ批評するのもいいですが、自ら楽器を習ってみると、さらに鑑賞能力は高まると思います。
言うは易し行なうは難しという言葉があります。
自分が楽器をやっていないと、楽器の難しさもわかりません。
しかし、楽器を習ってみると、今まで聴いていた演奏者がいかに上手く演奏しているかがわかります。
プロは難しいことも、難しくないように演奏しますが、それを聴いていると、音楽なんてやさしいんだという気持ちになりがちです。
特に管楽器では、スーッと音を伸ばすだけでも大変だということが、習ってみるとわかります。
経験してみると、演奏者の偉大さもわかるということです。
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どんな楽器を習うか基本というと、ピアノが浮かびますが、本物のピアノは大変です。
重いし、場所もとるし、調律も必要です。
でも、最近はピアノのタッチとほとんど変わらない電子ピアノができましたから、これもいいでしょう。
夜はヘッドフォンを使えば他人に迷惑をかけることもありません。
他には、ギターとか、管楽器ではリードのないフルートがいいのではと思いますが、自分がやりたいと思う楽器でいいと思います。
習うからには、入門だけでもいいですから先生について習いましょう。


