2008年09月26日

真空管アンプは音が良いか?(5)

「真空管の歪みは偶数次高調波だから、耳に心地よい」という説について。

真空管アンプを商売としている会社に、こういう説明があった。

逆に、奇数次の歪みは耳につきやすく、不快に感じる。
さらに、真空管は奇数次の歪み(高調波)を押さえ、偶数次の高調波を強調するように働くとも言っている。

自然界に多い、偶数次の高調波が人に心地よく感じさせると説明しているが、これには大変疑問がある。

楽器も偶数次の倍音からできていて、これが真空管アンプの音の良さとマッチしているとの説明もある。

しかし、これは完全な間違いである。

FlClbaion.jpg
楽器は、確かに倍音を利用して音階を作っているが、その倍音は偶数次だけではない。

例えば、閉管のクラリネットは奇数次の倍音が基本となって、音階を構成している。
奇数次の倍音でできている、クラリネットの音を不快と感じる人がどのくらいいるのだろうか?

オーケストラでは、フルート、オーボエ、クラリネットの3本でユニゾンを奏することが多い。
その時、クラリネットの柔らかい音色がフルート、オーボエの刺激的な音色の中にとけ込んでまろやかにする役目をしている。

また、このような奇数、偶数の倍音説に意義を唱えながら、人間の耳に不快に感じるのは不協和音であると説明している文献もある。

不協和音が不快、汚いと言うのは間違いである。


不協和音が多彩な色彩を作り、音楽を魅力的にしている。
協和音の連続の音楽など、平凡でつまらないものである。


[まとめ]

奇数だろうが偶数だろうが、アンプの歪みは人の耳の検知外になるように極小であることがが望ましい。

歪みが人の耳に感じるということは、奇数でも偶数でもHIFIを阻害する。
それだけ、原音に何かを付加することになる。

楽器の倍音とアンプの高調波歪みの倍音を関係づけるのはナンセンス。

楽器にどういう倍音が含まれようが、その楽器の倍音を忠実に再現することが望ましいと思う。
アンプは楽器ではない(ギターアンプの場合は、積極的にアンプの歪みで音色を作っている)。

楽器の音色的な魅力は、音階に全く関係ない雑音とも言える周波数が関係して作り出している。

楽器は音階の倍音を一番強く出すように作られるが、それらと無関係な音がどのくらい混じるかが大切である。

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posted by dolce at 01:44 | Comment(8) | TrackBack(0) | オーディオ
この記事へのコメント
クラの場合異例の楽器で、基音を奇数倍音から始めてるだけで、いまの話の倍音とは、意味が違うと思いますよ、クラも、その基音から偶数倍音が主の音だと思いますが?
Posted by at 2008年09月26日 17:30
「基音」は倍音ではありません。
基音から何度か上の音を倍音と言います。

クラリネットはレジスターキーによって、12度上の倍音が出る、奇数倍音列の楽器です。

以下を参照のこと。
http://bestmusic.seesaa.net/article/56175796.html
Posted by 筆者 at 2008年09月26日 23:05
奇数倍音で音程を出してる特異な楽器なだけで、出た音の倍音は偶数倍音が出ていると言ってるのですよ?
Posted by at 2008年09月29日 09:10
>奇数倍音で音程を出してる特異な楽器なだけで、出た音の倍音は偶数倍音が出ていると言ってるのですよ?

おもしろいことを言う人ですね。
話は「出た音」についてのものですよ。

だって、出ない音は聞こえないから、問題になりませんよ。

念のために言っておきますが、クラリネットは閉管と言っても、現実の楽器は円錐部分が少しあるので、少しは偶数倍音は出ています。
しかし、音の主体は奇数次倍音です。

奇数次倍音とは、基音の1、3、5倍となる音です。

それから、オーボエやサクソフォンのような円錐管楽器では奇数次も偶数次も両方の倍音が出ています。
Posted by 筆者 at 2008年09月29日 10:17
まー実際の測定を載せれば、一番ですねー?
Posted by at 2008年09月29日 17:38
古いエントリーだけど、たまたま来たので見に来た他の人のために一言。

なんだかクラリネットの出音は偶数次倍音が主だと騒いでいる人が居るようですが、大間違い。
ネットで検索したら山ほど出てきますが、クラリネットの音声波形はほぼ矩形波そのものといっていいような波形。
矩形波とは、(理論上は※)基音と奇数次倍音だけで構成された波形である。

※自然界には完璧に奇数次倍音だけで構成された矩形波の音声は存在しないし、正弦波などについても同様。クラリネットは、ほんの少しだけ奇数次倍音が出ていて、音色を決定する倍音のほとんどは奇数次。
はい解決。
Posted by なかゃん@まもりん at 2012年09月12日 15:34
書き間違いがありました。
誤:クラリネットは、ほんの少しだけ奇数次倍音が出ていて、音色を決定する倍音のほとんどは奇数次。
正:クラリネットは、ほんの少しだけ偶数次倍音が出ていて、音色を決定する倍音のほとんどは奇数次。

なお「まー実際の測定を載せれば、一番ですねー?」に一言。
検索すればクラリネットの波形はや倍音の測定などはいくらでもでてきます。
Posted by なかゃん@まもりん at 2012年09月21日 14:13
当ブログにも、過去に掲載しました。
http://bestmusic.seesaa.net/article/156433598.html
Posted by dolce at 2012年09月24日 22:20
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