2008年10月16日

厚すぎるリードの弊害

reed.jpgリードは厚いほどよいと思っている人もいるようで、この話を聞くとすごく昔のことを思い出す。

クラリネットの正しい奏法が普及していなかった昔では、外国のオーケストラの奏者が顔を真っ赤にして吹くのを見て、すごく厚いリードを使っているのだと錯覚した人もいたようだ。

そして、厚いリードを使っているのが自慢という時代もあった。
しかし、今日、そんなことを考えている人は前近代的な部類に入るのだろうと思う。

吹奏楽が盛んな日本だが、意外と正しい奏法が普及していないと感ずることがあって「そんなことやっているの?」と驚くことがある。

アメリカでは吹奏楽の指導者になるのは、そんなに容易なことではないと聞いたことがある。
指導者となるには、一応、ほとんどの楽器は経験するという。
ということは、アメリカの吹奏楽指導者は大体、すべての楽器について基本は押さえているとも考えられる。

一方、日本では事情が違うので、指導者によってはほとんどあるいは全くと言ってよいほど無知な楽器がある。

クラリネットにおいては、盛んに厚いリードを生徒にすすめる指導者は、その生徒のクラリネット奏法の将来をつぶしてしまうことにもなりかねない。

吹奏楽のよいところは、多少技術が未熟であっても参加できるということがあると思うが、これには弊害がないわけでもない。

不完全でも大勢が集まればなんとかなるということは、それを続けている限り、独り立ちができないということでもある。

私の考えでは、縁あってクラリネットを始めたならそれが一生の友となり、豊かな人生を送る一助であって欲しいと思う。
それには、次第に自立できる演奏者という方向で、指導者も考えてやるのがよいと思う。

とかくうるさくなりがちの吹奏楽に浸かっていると、よく鳴らない音、不得意な音はそのままで、何年経っても音階がまともでない状態が続く。
その途中で学校を卒業したりして、1人では何もできない状態で放り出されたような状態になる。

厚すぎるリードの弊害というタイトルだったが、これはそのリードでクラリネットの音域の音をすべてムラなく鳴らせることができますか?ということである。

ある音は、ほとんど風音で使い物にならないなんてことはありませんか?ということである。

音楽をする素材としての音は粒が揃っていなければならない。
でなければ独奏はムリでしょう。

あるいは、そのリードで何分吹けますか?ということも考えてみる必要がある。
奏者としては、協奏曲1曲が吹けるだけの耐久力が必要だということを以前述べたことがある。

まあ、誰でもがそう簡単に協奏曲を吹けるわけではないが、そういう方向で練習を考えていくのがよいと、私は思っている。

厚すぎるリードを使う弊害は、どんどん口を締める方向に行くということだ。
これは楽器がどんどん共鳴しない方向に行くということだ。
また、厚いリードを使っているときは、腕や体に力が入る。

音楽をする前に余分な力が入っていたら、良い演奏はできない。
だいたい、厚すぎるリードでは楽器を鳴らすだけが精一杯となり、柔軟な表現ができなくなる。

私はリードは薄いほどよいとも言わない
薄い音でよいとも言わない。

ある先生は「いかに薄いリードで厚い音を出すかだ」とも言った。
なるほどうまい表現だと思った。

大切なことは楽器を共鳴させることであり、厚いリードが共鳴するという錯覚に陥らないことだと思う。
Cla3.gif
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posted by dolce at 11:10 | Comment(9) | TrackBack(0) | クラリネット
この記事へのコメント
同感です、柔らかいリードと言ってました私の教授は、薄いと柔らかいでは少しイメージが違いますね?
Posted by at 2008年10月20日 16:27
コメントありがとうございます。
以前、返信したのですが、私の操作が間違っていたのか反映されませんでしたので、もう一度書きます。

私がかつて教わった先生は、やはり厚すぎるリードで苦労しています。ご自身は、薄い方へ行きたいという願望があるようですが、なかなかできないようです。

「薄い」と「柔らかい」では「厚い」と「硬い」も違うように、吹き心地は違いますね。
当然音色も違います。

これらも含めて言うなら「不必要に抵抗の大きいリード」は問題があると表現するのがよいかなと思います。

シューシューと息の音がする人もいますね。
大勢になるとゴーッという台風を思わせるアンサンブルもあります。
Posted by 筆者 at 2008年10月23日 22:24
私は、柔らかいリードを使う様に指導しますが、なかなか理解してもらえないですね?柔らかいリードに馴れさせるには、ベロベロのすごく柔らかなリードでの練習をさせるのが効果的です、リードをいかに自由に振動させるか、ですね唇やアゴの圧力で音程調整をしている段階では良い音は出ないですよね。pp-ffまでダイナミックスも増します。
Posted by at 2008年10月27日 11:15
硬い(厚い)リードから始めると、噛むクセがついて、これは後々苦労します。

柔らかい(薄い)リードから始めると、音色が気になるようです。
だから、中高の先生は厚いリードを使わせて、耳障りでない音を要求するようです。
ここに問題があると思います。

自由度を教えるには、薄い方からというのはいいかも知れませんね。
ただ、息の入れ方が少なくならないように注意が必要かと思います。
Posted by 筆者 at 2008年10月28日 11:11
こんにちは。はじめまして。

クラリネットのマウスピースとリードのことを調べていてたどり着きました。

今まさに悩んでいたことそのもので、マウスピースはB40を使っていますが、わたしが使っているのは銀箱の3半です。
しかし、角度が?広いマッピには柔らかいリードの方が相性がよいとききました。

柔らかいリードと硬いリード・薄いリードと厚いリードの感覚がいまいちぴんとこないでいます。
Posted by K at 2012年03月12日 12:54
Kさんこんにちは。

リードとマウスピースは迷いますよね。

結論を言えば、自分が吹き易いなら言い訳です。

吹く抵抗を考えると、抵抗、つまり力を入れすぎて吹くのは、表情豊かな演奏が難しくなり、音を出すのが精一杯になってしまいます。

開きの広いマウスピースでは、薄いリードにしないと抵抗は大きくなります。

逆に開きの狭いリードでは、厚いリードにしないと抵抗が少なすぎる傾向になります。

問題は、指や体中に力を入れなければ吹けないようであれば、抵抗は大きすぎるということです。

pp〜ffまで柔軟に吹ける状態が大切です。

それから、厚いリードではつい「噛む」クセがつきやすいので、その傾向にならないこと。

厚すぎるリードでは、力を入れるので、つい楽器が鳴っていると錯覚しやすいこと。

鳴るというのは、あくまで楽器の共鳴です。

これは、いろいろな厚さのリードで試してみて、離れた所で聞いてもらって、どちらが音が大きいか教えてもらうのがいいと思います。

それから、親指と人差し指だけで吹く「シ♭」の音(実音As)の音が風音になってしまうのでは、リードは厚すぎます。

薄いほど良いとは言いませんが、楽器は楽に余分な力を入れない状態で吹かないと、音楽はできないと思います。

ご回答になったかどうかわかりませんが、もし不明なところがあれば、再度質問してください。
Posted by dolce at 2012年03月12日 15:54
dolce様
初めまして。私はdolce楽器を経営しています、安川透と申します。
dolce様のウエブを拝見して、クラリネットのリードについて同じような考え方をお持ちの方がいらっしゃることに安堵しております。
私は高校に入ってからクラリネットを始めました。44年も昔の事ですが、当時は硬いリードを使うことに何か誇りのようなものを感じさせられていました。
しかし、実際は硬いリードを吹こうとすると音にムラができたり正確な音程が取れなかったり、dolce様がおっしゃているように硬いリードを鳴らそうとすると思い切り噛みしめるため唇が痛くなり長時間練習することもできず、悶々とした日々を過ごしていたように思います。そして何よりも辛かったのは演奏したい曲を思い通りに表現することができず。
Posted by 安川透 at 2015年12月19日 12:54
途中で操作を誤り中途半端で終わりました。
続き
吹きたい曲を思い通りに表現することができないので本当につまらなかったです。
高校卒業後は大学のオーケストラ部と一般の市民吹奏楽団に所属しておりましたが、3半のリードを使っていましたので思うように演奏できなくなり、パーカッションなどに興味を持ち掛け持ちをしたりしていましたが、就職を機にクラリネットを演奏するのを辞めてしまいました。
しかし、最近になりクラリネットを演奏する機会ができ再開、なんと35年振りに真剣にチャレンジしましたが3半のリードでは吹けず、3から2半、2半から2へと柔らかくして遂には1半をつかこなせるようになり、永年の夢であったモーツァルトのクラリネットコンチェルトを全曲オーケストラバックに演奏することが出来ました。
この様子はYouTubeにアップされていますので、是非ご覧ください。
1半にするまでにかなり努力は要りましたが、辛かったクラリネットが今では欠かせない友として毎日朝練をし、楽しくて楽しくてたまりません。出張先にもクラリネットを持っていき日々練習をかさねています。
心の底から柔らかいリードを使う事をこ奨めいたします。
Posted by 安川透 at 2015年12月19日 13:10
途中で操作を誤り中途半端で終わりました。
続き
吹きたい曲を思い通りに表現することができないので本当につまらなかったです。
高校卒業後は大学のオーケストラ部と一般の市民吹奏楽団に所属しておりましたが、3半のリードを使っていましたので思うように演奏できなくなり、パーカッションなどに興味を持ち掛け持ちをしたりしていましたが、就職を機にクラリネットを演奏するのを辞めてしまいました。
しかし、最近になりクラリネットを演奏する機会ができ再開、なんと35年振りに真剣にチャレンジしましたが3半のリードでは吹けず、3から2半、2半から2へと柔らかくして遂には1半をつかこなせるようになり、永年の夢であったモーツァルトのクラリネットコンチェルトを全曲オーケストラバックに演奏することが出来ました。
この様子はYouTubeにアップされていますので、是非ご覧ください。
1半にするまでにかなり努力は要りましたが、辛かったクラリネットが今では欠かせない友として毎日朝練をし、楽しくて楽しくてたまりません。出張先にもクラリネットを持っていき日々練習をかさねています。
心の底から柔らかいリードを使う事をお奨め致します。
Posted by 安川透 at 2015年12月19日 13:20
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