2009年01月08日

真空管アンプは音が良いか?(7)

EAR859_1.jpg左のアンプはEAR-859、特別に開発された真空管を使い、話題になったアンプである。
トランスも職人が一つずつコイルを巻いて作っていると聞いた。
気になる値段は¥448,000。

この値段が高いか安いかは、個人の関心によって違うだろうが、一般の家電品の値段と比べるとかなり高いだろう。

興味を持った一家の主が買おうとしても、奥さんの理解が得られないかも知れない。
一般サラリーマンの年収が500万ぐらいとすると、その1割近い金額は家計を考えると非常識かも知れない。

筆者はかねがね思っていることに、洗濯から乾燥まで一気にやってくれるドラム式洗濯機があったらどんなに便利だろうと思い、いつか欲しいと思っている。

家電店の展示を見て歩くと、25万ぐらい用意すれば買えると思うのだが、これが高いと感じてしまう。
ところが、EAR-859の¥448,000はそんなことを考えずすぐに買ってしまった。
生活のバランス感覚が狂っていると言われても仕方がないかも知れない。

本題から大分はずれたが、このEAR-859はオークションで売ってしまった。
すぐに売れたところをみると、フアンは多いのだろうと思った。

パラピッチーニの設計とか、先ほどの新開発真空管とか、トランスとかの雑音(?)に惑わされた感もなくはない。

実際に手にしてみると、物量を投入しているところから、価格競争で優位に立とうとした製品ではないこともわかる。
13W×2という出力は、率直に言って小さいと感じる。

だが、真空管アンプの話となると、真空管アンプは小出力でもドライブ能力が高いという話が必ずというぐらい出てくる。

もちろん、ドライブ能力さえあれば数字はどうでもよい。
やたらに馬力の数値だけは高いが、運転してみると実感がないという車もよくないのと似ている。

結論、売ってしまったのはドライブ能力に不満があったからである。
ドライブ能力だけでなく、音質も試してみた。
先入観として、これで高音を再生したらきっときれいだろうなと思っていた。
それで、私のスピーカーはトライワイヤー接続ができるので、高音にこのアンプを持っていった。

中音、低音にはそれぞれ150W×2のトランジスタアンプを使った。

つまり、アンプ3台でドライブしたわけである。
これは、当初、EAR-859だけで試みたが、とてもスピーカーを鳴らしきっているとは感じられなかったからである。

さすが、アンプ3台でのドライブは余裕があった。
ところが、高音がどうしてもきつくなる。
それで、このスピーカーの個性と思ってあきらめていた。

ある日、実験のつもりで、中音域の150W×2のトランジスタアンプと高音域のEAR-859(13W×2)と入れ替えてみたところ、驚いたことに高音がすごくきれいになった。
その上、スピード感が出るようになった。

何台ものアンプを使ってドライブするとき、高音域にはパワーは必要ない、それより高音のきれいなアンプを使うべきとある。
具体的には、高音域は数ワットもあればよいとされている。

しかし、実際に試してみると、アンプの持つパワーは数値だけではわからないドライブ能力を持っていると感じた。
非力なアンプでは高音が汚くなる(音が暴れた感じになる)し、スピード感がない。
不思議なのは、周波数特性を見ると、20KHzを遙かに超えているのに、高音はストレスを感じ窮屈に聞こえる。

結果的に今の装置で浮気は起こらず落ち着いているのだが、最新のアンプを売り払って、いにしえの名器VICTORのM-L10victor_ml10_2.jpgを2台手に入れて中高音用と低音用に分けてバイアンプでドライブすることになった。

PL-10はVICTORのオーディオが一番元気な時に作られた最後の製品で、中をあけてパーツを見ると、VICTORが力を入れた様子がわかる。

VICTORに限らず、この頃のいわゆるオーディオのバブル期には各社の力作があり、その力を発揮させれば現在でも十分ハイクオリティな音を楽しむことができる。
現在でもというより、この頃オーディオは頂点に達したと言ってよいと思う。

だから、あえて、このころの重量級のアンプの中古を買い使っている人もいる。
決して、安くあげたいからではない。
問題は修理体制である。
メーカーに依頼しても、部品がないと言って断られることがほとんどである。
AMP修理センターとかAMP修理工房では、メーカーに修理不能と言われたものでも、オーバーホールや修理を引き受けてくれる。
部品がない場合は代替部品などを使ったり加工したりして、元の性能に復帰させてくれる。
10万円以上かけてここへ依頼している人もいる。

私の使っているM-L10は3台入手して相互に部品を融通して2台にしたものである。
パワーは160W×2で、フラグシップのアンプとしては驚く数値でもない。
だが、アンプのドライブ能力はパワーの数値だけではないということは、現在お休みしているプリメインで、やはりパワーは同等ぐらい出るものと換えてみると、みすぼらしい音になることからはっきりわかる。

違いは何か?

両者を比較して一目瞭然は電源部である。
空けてみると、M-L10は大半がトランスである。
そのトランスを囲むようにして大容量のブロックコンデンサーが囲んでいる。
トランスだけで15Kgありアンプの総重量は30Kgぐらい。

電源が70%ぐらいアンプの性能を支配するというのが、この頃のVICTORの開発部の文献にある。

VICTORに限らず、このころ競った製品としてはDENON、ONKYO、EXCLUSIVE、LO-D、YAMAHA、ACCUPHASE、SONY、SANSUI、Technics、KENWOOD、LUX、Aurex、などなどの製品に修理代を投入してもそれだけの価値があるものも多い。

これらはオーディオ懐古録というサイトが参考になる。
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posted by dolce at 23:12 | Comment(2) | TrackBack(0) | オーディオ
この記事へのコメント
すみません、45万ですか? いまなら半値でもっと優秀なアンプが購入できますよ
そうですVintageです真空管アンプは新品を買ってはダメです!
アンプを買うと思っちゃダメです、巨大なトランスを買おうと思うのです、
50年前の真空管全盛時代50年代〜60年代のアメリカ製管球アンプがお勧めです。
e-bayにたくさん出ていますよ。あ、アンプの自作修理の出来ない人は手を出してはダメです、先生になれとは言いませんが、生徒なら誰でもなれるはず、がんばってください。
Posted by 管球マニア at 2011年02月27日 15:41
管球マニア 様

こんにちは。

>すみません、45万ですか? いまなら半値でもっと優秀なアンプが購入できますよ

具体的にはどんなアンプですか?

真空管がおすすめなのですか?

ドライブ能力で難点があると思っていますが、いかがでしょう?
現代のスピーカーでは、ドライブしきれないと思っていますが。
Posted by dolce at 2011年02月28日 15:45
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