
チャイコフスキー:イタリア奇想曲
の聞き比べ
この曲はなかなか演奏の難しい曲だと思う。
それだけに、オーケストラの技量がよくわかるというもの。
途中からのテンポが速くなった部分からのトランペットのソロは、特に難しいということで有名である。
(そこに絡んでいる木管も決して易しくはない)
◆キリル・コンドラシン指揮/RCAビクター交響楽団
録音はすばらしいのだが・・・
XRCD24という高品質のCDである。
カーテンを一枚めくったかのように、リアル感の漂う音で迫ってくる。
これなら、アナログレコードに対抗できるかなと思い、少々高くても買おうかなという気持ちにさせられた。
その前に、手持ちの音源で同曲(イタリア奇想曲)を比較してみようと思った。
古いCBS SONYのレコードでジョージ・セル指揮/クリーブランド管弦楽団の演奏があった。
◆ジョージ・セル指揮/クリーブランド管弦楽団
正確無比の緻密なアンサンブル
手持ちのアナログレコードは何年のものか表示していないが30年は経っていると思われる。
これを聴いたところ、クリーブランド管のアンサンブルの凄さを改めて知った。
私はどちらかというと、必要以上の大きな編成を好まない方だ。
それは、編成を大きくすることにより、アンサンブルが大ざっぱになるし、個性も失われるからだ。
リズムも音程も曖昧になっていくのはいただけない。
ところが、クリーブランド管を聴くと恐ろしいほどに揃っているアンサンブルに、大編成の欠点など忘れてしまう。

元クリーブランド管のヴァイオリン奏者の1人が「セルは完璧を求めるあまり奏者をダメにしてしまう」と言ったそうだが、完全主義者のセルが三分の二も奏者を入れ替えて作ったオーケストラが「セルの楽器」と言われたのも頷ける。
古い録音なので、もう廃盤かなと思ったら、CDで復活していた。
これは、CDも手に入れておこうと思った。
再び、RCAビクター交響楽団の方を聴いてみると、アンサンブルの違いがよくわかった。
こちらは指揮者のコンドラシンのリードでもっているという感じである。
奇想曲(きそうきょく)は、イタリア語でcapriccio(カプリッチョ)、フランス語でcaprice(カプリス)の日本語訳であり、クラシック音楽の一形式である。綺想曲(きそうきょく)とも書かれる。出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
イタリア語で「気まぐれ」の意を表し、17世紀のバロック時代には自由な初期のフーガの一つをさした。19世紀には、ロマン派の作曲家によって、性格的小品の一種として、自由で気まぐれ、軽快な器楽曲の名称に用いられ、多くの曲が作曲されている。
「狂想曲」とも訳されるが、あることについての騒動を意味する比喩的な用法が一般的になったため、楽曲の内容に誤解を与える恐れがある、「狂」の字が差別的と取られる恐れがあるとの判断から、近年では音楽形式の意味で用いられることは少ない。
イタリア奇想曲( - きそうきょく、 Capriccio Italien)作品45は、ピョートル・イリイチ・チャイコフスキーが1880年に作曲した管弦楽のための楽曲。イタリア様式の伝統的な奇想曲(カプリッチョ)スタイルの作品である。
チャイコフスキーは1870年代後半から1880年代初期にかけてイタリアに滞在しており、そこで見聞した様々な祭りや民謡、舞曲などのテーマ(それらの中にはコルネットで演奏されるものもある)がこの曲に盛り込まれている。この曲はチャイコフスキーの他の作品と比べて明るい雰囲気をもっているのが特徴的である。1882年にニコライ・ルビンシテインの指揮によってモスクワで初演された。
なお、英語圏での題名“Capriccio Italien”は、イタリア語(Capriccio)とフランス語(Italien)の混ざった名前になっている。
