
残念ながら、この本は現在入手困難なようだ。
本の内容は、単なるオーケストラの解説書ではなく、これからオーケストラを体験してみたいと思っている人を対象にしているものだ。
音楽が好きで、オーディオ装置で鑑賞するのもよいが、実際にオーケストラの楽団員になって演奏者の経験をしたいと思っている人もいるのではないかと思う。
いやあ、やってはみたいけど、何も楽器は練習してこなかったし、楽譜も読めないし・・・と思っている人もいるだろう。
プロになるためには若いときから練習する必要があるだろうが、自分の住んでいる近隣にアマチュアオーケストラがあったら、オーケストラの楽団員になることはそんなに難しいことではない。
ここで「今から始めて上手くなる楽器とオーケストラ」・柏木真樹(著)
に書いてあるあらましを紹介すると、オーケストラに入門するには、まずどんな楽器を選択したらよいかということが説明してある。
木管楽器
オーケストラでは必ずと言ってよいほどソロが出てくる。
だから、アマチュアオーケストラと言えどもベテランが多く、しかもオーケストラで必要とする人員は各楽器2人ずつということで、競争率も高い。
これから楽器を始めようとする人には、敷居が高いということである。
特にフルート、クラリネットは競争率が高い。
しかし、オーボエ、ファゴットとなるとオーケストラには必須の楽器であるにもかかわらず欠員気味である。
難点は楽器が高価であるということ、リード作りが難しいということである。
金管楽器
金管楽器は、普通、トランペット3人、トロンボーン3人、ホルン4人、チューバ1人である。
だから、初心者がいきなりレギュラーの席を占めるのは難しいが、ベテランの補助として入門して、経験を積めばベテランについて演奏するという助手てきなチャンスがあるかも知れない。
吹奏楽ではトロンボーン、チューバの活躍は多いが、オーケストラでは古典派の曲ではなかなか出番が少ない。
ホルンはほとんどの曲でよく使われる。
打楽器
打楽器は吹奏楽では頻繁に登場するが、オーケストラではティンパニがよく使われる。
その他の打楽器は吹奏楽ほど出番は多くないが、ロマン派以降では多用される曲もある。
打楽器はたたくだけだから簡単だろうと考えるのは安易で、音に対して敏感でないと、全体のアンサンブルを壊してひんしゅくをかう。
しかし、すぐに参加できるチャンスはある。
弦楽器
ヴァイオリン、ビオラ、チェロ、コントラバスとあるが、ヴァイオリンは第1と第2に分かれる。
欠員が多いのはビオラとコントラバスである。
しかし、ヴァイオリンやチェロでも参加のチャンスはある。
それは、これらの楽器は大勢いた方がよいという事情があるからだ。
これから弦楽器に挑戦して、みんなの中に入って少しずつ参加するという方向はオーケストラ入門としては近道と言えるだろう。
中年以降でもこれから楽器を習い始めて遅いということはない。
この本には59歳から弦楽器をはじめてかなりの腕前になった人の例が紹介されている。
まずはオーケストラを見学してみよう。
自分がオーケストラを経験することで、オーディオで鑑賞する力もぐっとついてくると言える。

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