
懐かしい、ショルティのマーラー。
かつて、ホールで聴いた時と同じ映像だ。
さっそうとショルティが現れ、まるで日本刀を操るかのような指揮だった。
マーラーの五番の冒頭では、禿頭のハーセスが全く光っていない、錆びたようなトランペットで吹いた。
そんなトランペットで、音は大きなホール全体に響き渡った。
シカゴ響を生で聴いたのは初めてだった。
噂では、強烈な金管楽器が評判だった。
確かに威力は凄いが、うるさいということは全くなかった。
一斉に鳴り響く金管は、音が真っ直ぐで、ちょうど体操選手が技をピタッときめて微動だにしないのに似ている。
ロングトーンの威力をこれほど感じたことはなかった。
アンコールで、スーザの「星条旗よ永遠なれ」を演奏したが、途中でショルティが「OKと言うような」合図をすると、金管群が一斉に浮き上がって聴こえた。
私は比較的前の方の席で聴いていたが、弦楽器群は全く聞こえなかった。
全く力んだ音ではなく、アンプのボリュームを一段上げたような感じだった。
やはり、全くうるささを感じさせなかった。
このころは、ショルティも全盛期だったと思う。
ショルティの独特の指揮は、鋭角的でアンサンブルの特徴として、縦の線がよく揃う。
ショルティ/シカゴのマーラーは、音楽ファンには人気があった。
このような、ショスタコーヴィチもショルティにはよく似合う。


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