
カール・ライスターは、ベルリンフィルの元、首席クラリネット奏者である。
来日したとき、気さくに寿司屋で話をしてくれた。
前にも書いたが、彼の言葉「自然による啓示」がずっと記憶に残っている。
ロスアンジェルス交響楽団の首席がライスター氏に会ってから、ベームシステムからエーラーシステムに変更したと聞いて驚いたが、私もエーラーシステムに非常に興味を持った。
その魅力は音色であるが、運指は難しく、エーラーシステムに変更すると、テクニックが30パーセントぐらい落ちるという人もいる。
そのシステムで、ライスター氏は運指の苦労を少しも感じさせないテクニックでなめらかな音楽を奏でる。
学校の吹奏楽では、厚いリードを勧める先生が多いようだが、ライスターのリードは厚くない。
(「もう、上級生になったんだから、もう一つ上の厚さにしなさい」と生徒に言ったという先生がいたと聞くが、罪なことを言ったものだ)
ライスターのリードは厚くないというより、薄いと言った方がよい。
リードが厚いと、柔軟な曲想をつけることができない。
もちろん、音が薄っぺらでよいということはない。
ウエーバーの五重奏曲を、彼がなめらかにまろやかな音色で演奏する情景を見ると、またエーラーシステムへの誘惑にかられる。
もちろん、楽器を変えればライスターのような演奏ができるというものではないが。
2年生になってから先輩に、
「そろそろ3ハンにしよっか」といわれて
リードを3から3ハンに変えました。
先輩は1つ学年があがったからリードの厚さを1つあげたんだと思います。
けど、私は3ハンが吹きずらいです。。。
ロングトーンで8拍のばせないし、息が持ちません。。。
あと低い音がかすれたり、しっかりでません!
来月、演奏会があるのですが、3ハンのリードは
すぐ慣れると思いますか?
やっぱりまだ、3のほうが良いのでしょうか?
よかったら返信ください♪!
お悩みよくわかります。
結論として、リードは厚くして行かない方がいいです。
普通のマウスピース(標準的な)を使う限り、バンドレンでは2半〜3で十分なはずです。
「厚い方がいい」というのは30年以上前の伝説です。
厚くするとよくないのは「かむクセ」がつくことです。
かむと余計に楽器は鳴らなくなります。
適度なかむ圧力は、マウスピースにタルをつけた状態で、F#ぐらいの音の高さになることです。
これより高いのは、かみ過ぎです。
楽器は「楽に鳴らさなければ」なりません。
昔は正しい奏法がよくわかっていなかったので、外人が真っ赤な顔をして吹いているのを見て、厚いリードを使っているんだと錯覚したわけです。
厚いから顔が赤くなっているのではなく、外人は色が白く、音楽に浸って紅潮していたわけです。
私の先生も、厚いリードで慣れてしまった結果、大変苦労してみえました。
おっしゃる通り、音によっては「風音」だけになってしまいます。
下記は私の演奏ですが、リードはバンドレンの2半です。
http://www.youtube.com/watch?v=aw2xuebPZP0
http://www.youtube.com/watch?v=lS49tsztOqU
次は私の教えた生徒たちですが、みなバンドレンの2半です。
リードを厚くすると、音量はかえって小さくなります。
力をいれることになるので、大きな音が出ていると錯覚するだけです。
それより、怖いことは、厚くしていくことで、だんだん楽器が吹けなくなります。
気をつけてほしいのは、薄っぺらい音でよいということではありません。
楽器が振動していれば、少し離れて聴けばポーッという感じの楽器が鳴っている感じになります。
吹いている時には、指に伝わってくる楽器の振動を感じるようにしてください。
http://www.youtube.com/watch?v=S_FXqQn6L78