
学校では新入部員も決まり、今年の体制が整いつつあるところだろう。
そして、多くの学校がコンクールに向かって爆進することになる。
部活動の時間は昔より少なくなったとはいえ、学校ではたくさんの練習時間がある。
そのせいか、逆に練習の能率が悪いと感じることがよくある。
そのひとつの原因は
指揮者が前もって曲を勉強していないことにある。
合奏の時間に、指揮者も練習を兼ねているから、効率のよい練習ができない。つまり、指揮者がどのように曲を演奏したいのかはっきりしていない。
だから、時々方針が変わったりする。
指揮者はよく勉強しておいて、合奏の時には迷わないようにすべきである。
また、指揮の振り方が時々変わるのもよくない。
次に、私が非常に気になるのは「音がよくない」ことである。
なぜ、音がよくないか?
それはアマチュアだからではない。
そりゃあ、初心者からすぐに良い音が出ることはないが、それでも正しい奏法をすれば、時々良い音がすることもある。
安定して、管楽器らしい音がするようになるのは6ヶ月ぐらいかとも思うが、これが長いか短いかの感じ方は人によって違うだろうが、少なくとも2年生以上になれば「らしい音」はするはずである。
では、なぜ良い音がしないのか?
それは
1.良い音を出そうという関心がない
昔のことを思うと、今のアマチュアはかなりよい楽器を使っている。プロと変わらない楽器を使っているのも珍しくない。
なのに、良い音がしないのは音色に無関心だからである。
無関心は生徒だけでなく、指導者にも言えることである。
いや、指導者が無関心だから生徒も関心を持たないと言える。
生徒が良い音を出したとき「良い音がするね」と言ってやるだけで違ってくるのだが。
2.急ぐ演奏
大してテンポは速くないのに、急いでいると感じる演奏がある。
それは、テクニックに余裕がないからである。
これは、常に演奏者のテクニックを上回る曲ばかり選んでいることにも原因がある。
テクニックに余裕がないことには「楽譜を読む余裕がない」
ことも含まれる。
簡単な曲、テクニックに余裕を持てる曲をきちんと演奏する習慣をつけることが大切である。
3.美味しいものは味わって食べる
突然、料理の話?と思われるかも知れないが、音楽でも「美味しいところ」という言葉はしばしば出てくる。
つまり、素敵なメロディー、フレーズのことである。
演奏で心惹かれるメロディーはじっくり味わいましょう。
4.音楽は朗読と似ている
音楽の研究発表で「音楽言葉」という用語を使っていた小学校があった。
まさに、音楽は言葉である。
通常、それらをフレーズと言っているが、フレーズは人に語るように演奏しよう。
5.上手な演奏者は必ず楽に演奏している
力が入つていたり、力んで演奏すると、聞き手にも耳障りな音になる。
また、楽に音を出せない奏者は、音を出すことだけが精一杯で、歌うなんてことはできない。
ちなみに、私ごとで恐縮だが、クラリネットを吹いているが、リードは2.5しか使わない。通常2.5〜3.0で十分だと思う。
厚すぎるリードは楽器が共鳴しない、ということを知らない人が多いようだ。
もちろん、厚くないリードでも、薄っぺらい音を出してはいけない。
5.ドラマチックに演奏しよう
一部の例外を除いて、たいていの曲にはドラマがある。
そして、主人公が登場して冒険活劇が始まったりする。冒険活劇の中では主人公が美女を助けたりする。
どんなドラマを想定してもよいから、演劇部に負けないようなドラマチックな演奏を希望したい。
ドラマッチクであることにより、それぞれの部分はどのような音色を出したらよいかおのずとわかってくる。