
吹奏楽は最大音量は、普通のオーケストラを凌駕するレベルまで達することもあるが、ダイナミックレンジとなると、それほどでもない場合が多い。
それは、周知のことでもあるが、最小音量がすでに大きいからである。
似たような状況が上手くないロックバンドで、アンプのボリュームをやたらに上げて、聴衆に訴えかけようとするが、うるさいだけで、耳が痛くなる。
あとに残るのは、苦痛の思い出だけで、よいイメージは残らない。
音響学的な立場でみると、
0dB・・・・・・人の耳で聞こえる最小の音量
30dB・・・・・・ささやき声
60dB・・・・・・通常の会話
90dB・・・・・・電車の通るガード下
とされていて、90dBというのはかなり大きな音である。
また、90dB以上の音を長く聞くことは、健康上よくないと言われる。
先に挙げた、ロックコンサートでは115dBにも達することがあると言う。
こういう音量の中に浸っていたら難聴になるかも知れない。
難聴とまでいかなくても、音量に麻痺してくるだろう。
大きな声で話す人や、ヘッドフォンでずいぶん音量を挙げている人はその疑いがあるかも知れない。
ところで、演奏効果というのは、大音量ではなくダイナミックレンジ、つまりpp〜ffの差なのである。
長時間ffを聞かされていると、音量に麻痺してしまうため、クレッシェンドの効果も薄れる。
演奏している時に、ffまであとどれだけ余裕があるかということが大切である。
そのためにも、ppは聴衆が耳をそばだてるほどの音量が出せるようにしたいものだ。
私語が多くうるさいクラスでは、先生の声が聞き取りにくい、それで先生はいっそう大きな声を出す場合があるが、だったら皆が聞きとってくれるかというと、そんなことはない。
一度話すのを止めると、不思議なことに私語もなくなる。
そんな経験をしたことはないだろうか?
うるさい中では、人は何を話しているのかに注視していない。
音楽の場合もそうだ。
常に騒々しい演奏には人は耳を傾けない。
もっと、音のない部分、ppの部分を大切にしたいものだ。
昔、豊島中学校がエルザの大聖堂への歩みだったか、小さい音から大きくなる曲を演奏して、当時の優勝・・今津中学校に勝った。
新ギャルドの演奏会でボレロを聴いたが、フルートから入り楽器が増えだんだん大きくなる(一糸乱れぬ演奏)。
マーチも大好きだが、上手い演奏力あれば小さい音からきれいに聞こえます。
本当にマーチが上手いバンドは、スーザのマンハッタンビーチの演奏を強弱付け波が消えるように演奏を終えます(スーザの指揮どうり)
いつもうるさいわけではないマーチです・・・下手な演奏はうるさく聞こえますが、上手い演奏は不思議とうるさく感じません。
何度聞いても、V.Dunn指揮のROYAL Marines School of Musicの演奏は秀逸で大きな音で聴いてもうるさく感じません
とくにAlfordの曲の演奏はバックメロディの美しさに陶酔します・・古近無双の演奏・・・うるさい演奏から逸脱しましたね
どれもまともなお話なので、楽しく拝読しています・・感謝
豊島十中、今津中、なつかしいですね。
今津中は得津さんでしたっけ、黒メガネをかけヤクザのおっさんという感じでした。
吹奏楽は音が合った時の、透明感に魅力を感じています。
コンクールを聴くと、吠えているような演奏が多いですが、それでいて楽器は鳴っていないのでうるさく聞こえるように思います。
ppを出すには楽器がよく共鳴していないとダメだと思います。
アマチュアバンドは吠えまくるのではなく、楽器がよく響く練習をしてもらいたいと思います。
今後ともよろしくお願いします。