ということは、吹奏楽が芸術とみられていないことが多いということか?
ルーアン音楽院の教授でかつてギャルドの主席奏者でもあった、ジャック・ランスロ氏が、かつて日本の吹奏楽コンクールを聴いたとき「もっと音楽的に」と評したのが記憶に残っている。
何か凄いという印象を受ける、日本のアマチュア吹奏楽だが、何か戦い明け暮れていたようにも思える。
それから数十年経った、日本の吹奏楽はどうか?
ランスロ氏の「音楽的に」に近づいているか?
私にはそうは思えない。
何か、音楽とは違ったところで活動しているように感じるのは私だけであろうか?
夏はアマチュアの吹奏楽コンクールが真っ盛りだが、会場の雰囲気が昔と変わったなという印象を受ける。
それは、何か冷めた空気が漂っていることだ。
そんなことはないという人がいるかも知れないが「もっと音楽的に」と言われた頃の方が熱気があったように思う。
その熱気とは、他の団体の演奏に関心を持っていたことである。
昔はホールのロビーでは、他団体の録音もよく売れていた。
出演者も、自分たちの演奏が終わると他の団体の演奏を早く聴きたいという意向が強かった。
しかし、この頃は、ややオーバーに言うと、さっさと自分たちの役目を終えてさっさと帰るという空気を感じる。
学校の練習をたまに見に行くと、何か運動部の訓練のようなところもある。音楽をやっているのはずなのだが、あまり曲名や作曲家も知らない。
体育会系という言葉があるが、吹奏楽も体育会系のような臭いがする。
楽器にチューナーのセンサーをつけて、これって、工場の生産ラインで機械に使われているようなイメージを起こさせる。
ランスロ氏の「もっと音楽的に」を活かす、子どもたちの感性に音楽心の灯をともす指導者がたくさん現れてほしい。


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コンクールのCDなど最近買わなくなりました
理由:楽しく聞ける曲目・演奏が減った(むつかしく、よくわからない曲目が増えた)
警察や消防の吹奏楽演奏などは演奏レベルは上がってきたように思えますが、奥行きや楽しさが感じられません。
この前何気なく聞いた、ある高校の演奏は上手かった(調べたらコンクール出場校だった)でも、淀川高校のような元気さは感じられませんでした。
芸術性とはなにか、よくわかりませんが、ヨーロッパの街角で聞く地元のバンド(小学〜大人)の演奏は、日本のそれより奥行きと元気があるように感じます。吹奏楽・ブラスバンドもベルギーで見ていたテレビに日常的にでてきます。ギャルドもチャリティコンサートやっていました。
音楽に境界があるように感じませんでしたが、日本では音楽に境界を設定しているように思えます。
曲のイメージ・テンポの裏にあるリズム(日本的に言えば盆踊りなどの動き)などを理解するには、日常生活での存在を理解することが大切なのかもしれません。物質的に優劣を比較するのではなく、それぞれの個性を認める・自分の考えを持つなどができれば、前向きで元気な演奏になるのかなと思います。
表層的な把握では、アイススケートも表層的・技術だけの表現になるように私は感じます。
現地で演奏をお聴きになったとはうらやましいです。
おっしゃる気持ちは、なんとなくわかるような気がします。
あのスケートの曲の演奏には、私はいつも不満をいだいていました。深刻な感情が現れない上滑りな演奏という感じがしました。
スケートは技術が大切だと思いますが、曲から受ける印象は、審査員も人間である以上、左右されると思います。
名曲と演奏と演技が一体となって、それが何倍もの効果を生み出すのだと思います。
私も昔コンクールに出たことがありますが、その頃は1、2、3位と順位をつけていました。
ライバルの団体の演奏を聴いた時、負けたかも知れないと思いました。
しかし、私たちの団体が1位になりました。
帰りのバスで録音を聴きながら帰るとき、みんなの気持ちは「曲がいいから勝ったんだね」というものでした。
私も「そうだなあ」と心の中で思っていました。
この頃は中学生も、プロの使うような楽器を買ってもらっても、高校へ行くとあっさりと辞めてしまう生徒も多いように感じます。
自分の人生だから、どう選択するかは自由なのですが、何か心が淡白のようで、これがいわゆる新人類なのかと思ってしまいます。
以前お世話になりました、kaoriです。
今年4月から、吹奏楽のない学校に赴任しています。
吹奏楽を離れて客観的にコンクールを鑑賞し、
たくさんのことを考えさせられました。
私も、dolceさんと同じことを感じています。
音楽ってもっと豊かなもので、楽しいもので、
心がいっぱいつまったものだと思います。
それが感じられる演奏がとても少なかったように思いました。
指導者の感性・・・大切ですね。
子どもたちの思考の方向も自然と指し示すわけですものね。
私もしっかり感性を磨いていきたいです。
いつも、dolceさんのブログで学ばせていただいています。
ありがとうございます。
お元気なようで、何よりです。
吹奏楽の指導は、精神的な集中力と体力も必要ですね。
吹奏楽のない学校へ転勤されたということですが、間を開けるということもいいと思いますよ。
自分の経験で恐縮ですが、私も吹奏楽漬けから突如、オーケストラの演奏専属になった次期がありました。
これもいい経験でした。
コンクールで自分が出ている場合と、そうでない場合では客観的という意味では大きく違いますね。
器楽に限らず合唱もお聴きになると良いのではないかと思います。
「心に訴える演奏とは」というと難しいですが、奏者が音楽に限らず、人生に関する様々なことを考え、自分の意見を持っているという風でなければ、聴く人に訴えるものもないのではと思います。
また、今後ともよろしくお願いします。