2011年10月13日

耳に馴染んだ音

俗に「おふくろの味」という、それぞれの家庭の料理の味があるように、これと似たような「馴染みの音」があると思う。

私がはじめてFIFI用スピーカーを手にしたのが、PIONEERのPAX-20Aだったということは、前に述べた。

pax20a1.gifこのスピーカーを手に入れた時、私は裸のままで使っていた。
それは、スピーカーのボックス(エンクロージャー)まで用意する余裕がなかったからである。

どんなに良いスピーカーでも、指定箱に入れないと真価を発揮しないということは、雑誌で知った。
それからは、何か適当な箱はないかと探しまわった。

タダで手に入るのは、八百屋さんでもらえるリンゴ箱だった。
それでも裸での使用とは違う。

密閉するのがよいらしいとわかったので、空気の漏れないように、隙間を塞ぐということはやってみた。

リンゴ箱だから薄っぺらいものだから、箱自体が振動する。
でも、スピーカーの箱は振動するものだと思っていた。
友人も、多分そう思っていただろう。
だから、スピーカーの振動が箱に伝わって、響きが止まらないようにしなければならないと思っていた。

ところが、オーディオの雑誌を読むと、板は重く厚いほうが良いとあった。
そりゃあ、振動しにくいのではと思った。

やっとの思いで、ラワンの20mmほどの1枚板が手に入った。

苦労して、糸鋸でスピカー穴を切り抜いた。

期待を込めて、スピーカーを取り付けて鳴らしてみた。

これが、さっぱり良くなかった。
なんだか寂しい音になったようだ。

ガッカリしたものの、やっと手に入れたものだからと思って、そのままにした。

ある日、またなんとなく鳴らしてみた。

「まてよ、これはいい音ではないのか?」

という気がした。

そういえば、ヴァイオリンの音はきれいだ。
現実の弓で弾いたような音がする。

中音が出ないのは、・・・もともと音源に音がないのだ。
と次第に聴き方が変わっていった。

「いやいや、これがいい音なのだ」

と気がつき始めた。
これが正直なところだ。

インスタントラーメンに慣れていて、有名なラーメン店の味がわからないようなものと言えるか。
そういえば、ある親から

「うちの子ども、ラーメン店に連れて行ってやったら、インスタントラーメンの方がいいと言うんですよ」

という話を聞いたことがある。

その人の馴染んでいる音からは離れにくい

オーディオに関心のある人の装置の音を聴かせてもらうと、それぞれである。
「いい音」と言うのだが、私としてはちっともそうは感じないということがある。
レンジが狭くて古臭いまどろっこしい音。

そういう人の性格をみると、やはり古い骨董的なものに関心が高いように思う。

やさしい性格の人は、刺激のない音を好む。

というようなことで、それぞれの趣向で、装置は、どんなソースであろうとその人好みの音にしてしまうような傾向がある。

これが、私から言うと「おふくろの味」ならぬ「馴染みの音」ということになる。

私の求める音の方向

オーディオの評価で「いい音」というのは誤解を生むおそれがある。
それを考慮して言うなら、私の求める音は「ソースに忠実な音」である。

だから、振動は抑える方向である。

私のスピーカーは黒いピアノの塗装と同じ塗装がしてある。
それを知ったある人は「ピアノ塗装すると、音が響かなくなってしまいます」と言った。

「いや、塗装することによって共鳴を防いでいるのです」

と言ったら、その人は沈黙してしまった。

今の装置は、かけるCDによってみな違う音になるという方向になってしまったので、どれがこの装置の音(キャラクター)なのかわからなくなってきた。

あるCDをかけた時

「あれ、装置のどこか具合が悪いのか」

と思ったりすることもある。

だいたい、どのメーカーも共振を止めることに工夫を凝らしているようだが、例外としてはタンノイがある。

タンノイは箱がまるで楽器のようで、弦楽器の胴を想像させるところがある。

ある、タンノイの所有者は

「タンノイは良いも悪いも、すべての音をタンノイ色に染めてしまう」

誠に、短い言葉でタンノイの特徴を表していると思う。
そのタンノイもKINGDOM ROYALを最近発売して、従来のタンノイの音から脱却しつつあると感じた。




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posted by dolce at 16:14 | Comment(0) | TrackBack(0) | オーディオ
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