2013年04月10日

スピーカーは大きいほうが良いか

近年スピーカーは小さくなってきている。
これは、住宅の広さを考えてのことだろうか?
本来は、スピーカーは大きいほうがいいのだろうか?

1.高音の再生には小さなスピーカーがよい
2.低音の再生には大きなスピーカーがよい

1.はその通りと言えるが、2.は必ずそうだとも言えない。
最も、HIFIに関係なく大きなスピーカーから出る音が好きだと言うなら、それまでのこと。

低域から高域まで、なるべく音声信号(原音)に忠実に再生しようと思うなら、原音にない余計な音を付加しない方がよい。

tallbopysp.jpg

最近のスピーカーは、Aのタイプは少なく、Cのタイプが多くなってきている。
Bのトールボーイタイプも多い。これは、Cのタイプは図のように台を必要とするので、台の部分を低音用のスピーカーに使ったと考えればよい。
それで、ノッポのトールボーイタイプが増えたと言える。

背は高くなっても、Aのように低音用のスピーカー(ウーファー)を大きくしていない。

それは、良質の低音を再生するために口径を大きくすると、空気を押し出す効率はよくなるが、コーン紙が大きくなると剛性が弱くなり、振動するときに皺(しわ)になりやすい。
そうすると歪が発生しやすいので、低音用と言えどもあまり口径を大きくしないわけなのだ。
コーンの剛性を高めて歪のない低音を再生するには、口径が小さい方が有利である。

そこで、どの程度の口径で妥協するかという線が出てくる。

■小さいスピーカーが低音を再生できないわけではない

振動板が小さいと低音が再生できないかと言うと、そんなことはない。
イヤフォンやヘッドフォンは小さな振動板で低音を再生している。

スピーカーはユニット単体だけで鳴らすと、低音が感じられないが、耳を近づけると低音も聞こえてくる。
振動板が小さいと、離れた場所の空気を動かすことが難しくなるので、低音が聞こえないということなのだ。

だから、小さいスピーカーで低音を出すためには、前後の振動のストロークを大きくすること、スピーカー自体の最低共振周波数(f0)を大きくする必要がある。
これは、スピーカーの能率を低くすることになる。

だから、今日のスピーカーは小さくなるとともに、能率は低くなっている。
昔のスピーカーは100dBを超えるものもあったが、今日の小型スピーカーは85dBぐらいになっている。

100dBと86dBの違いは100-85=15、15÷3=5、2の5乗=32となり、アンプに要求されるパワーは32倍必要となる。
3Wでよかったものが、96W必要ということだ。

しかし、今日の半導体アンプでは容易なことだ。
このことから、今日の小型低能率のスピーカーを真空管アンプで鳴らそうというのは、良い組み合わせとは言えない。

つまり、スピーカーの小型化はアンプの大出力化によって容易になったと言える。

daisyosp.jpg


拙宅のスピーカーはトールボーイ型であるが、ウーファーは直径20cmぐらいである。
オーディオ用のテスト用のCDで再生したところ、30Hzの低音は十分再生した。

stereo_s.jpg


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posted by dolce at 22:53 | Comment(0) | TrackBack(0) | オーディオ
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