吹奏楽の指導に行くと、A=442でチューニングする団体が多いですね。
でも、なぜA=442でチューニングするのてすか?
ヴィブラフォンやグロッケンがおいてあるところでは、Aの音にA=442と書いてあるとか、ピアノがそういう調律になっているとか言われます。
しかし、ヴィブラフォンやグロッケンなどは合奏のチューニングがA=440の前提でそのピッチにしてあるんです。そうしないと、ヴィブラフォンやグロッケンは低く、冴えない音で聞こえますよ。
(ピアノもオーケストラがA=440を前提にしてA=442にします)
また、クラリネットが困るんですよね。
現在、中学校、高校で普及しているクラリネットは、ローピッチで、A=440〜442の設計になっています。
この楽器を使って、A=442のチューニングで演奏されると、つらいものがあります。
つらいというより、問題点がいくつかありますね。
まず、A=442に合わせるために無理をします。どんな無理をするかというと、本来、楽器が最もよく響くピッチより高いので、常に楽器が共鳴しないところで吹くことになります。
無意識のうちに、楽器の共鳴点より常に高く吹こうとしているので、楽器は鳴らないし、全音域で高く吹けるはずもありませんから、音程は悪くなります。
それに、アンブシュア、すなわち口を締める習慣がつきます。常に口を強く強く締める癖がつきます。これは、楽器を鳴らさない努力をしているようなものです。
だから、せっかく高価な楽器を使っても、その楽器本来のよい音は出にくくなるのです。
また、口を強く締めることで鳴らないから厚いリードを選択する方向にいきます。そして、演奏するとき、常にかなりの力が入っている状態になります。
常に体全体がかたくなり、手にも力が入っている状態では、柔軟な表現の音楽は望めません。
とはいうものの、いろいろなアンサンブルとつき合うと、A=442でやっているところはかなりあります。
そういう人たちと演奏するときは、私はハイピッチの楽器を持っていきます。
そう、クラリネット吹きはハイピッチの楽器も持っていないと困るのです。
かつてベルリンフィルの主席奏者、ライスター氏も競演する時は「どの高さのピッチでやってるんだ」と聞きました。それで、ピッチをを回答すると、彼は「じゃあ、そのピッチの楽器を持っていく」と答えました。
中高でハイピッチのクラリネットをそろえるわけにもいかないでしょうから、クラリネットのローピッチに合わせてA=440でチューニングすべきだと思います。

締めすぎかどうか、チェックする方法があります。
クラリネットを、左の写真のように、タルから上だけにして吹かせてみます。この時、何の音が出るかです。

楽譜に示す音、F#より高かったら締めすぎです。だいたい、このF#ぐらいのアンブシュアがよいのです。一度クセがついてしまいますと、なかなか直らないのですが、常に、このF#ぐらいのアンブシュアであれば、ずっと楽器は共鳴するし、無理に厚いリードと戦わなくてもすみます。

理由は、プロならどの音でもよいのですが、アマチュアの場合、AやB♭にすると、まだアンブシュアが安定していないことが多いので、正常な状態で楽器が鳴っていないことが多いからです。
図に示す音が無理なく鳴らしやすいということで、おすすめしたいと思います。

また、クラリネットはチューニングの融通がきかない楽器なので、ピッチを下げる時あまり抜いてはいけません。タルのところで、限度2〜3mmです。

吹奏楽のことはあまり知りませんが
日本で普通に出回ってるクラリネットは442Hzであり、440Hzの楽器は主にアメリカ向けの物で日本では少ないはずです。
そして、オケは最初から442Hzでチューニングしています。
「ピアノもオーケストラがA=440を前提にしてA=442にします」 なんてのも聴いたことないですね。
吹奏楽のことはあまり知りませんが
日本で普通に出回ってるクラリネットは442Hzであり、440Hzの楽器は主にアメリカ向けの物で日本では少ないはずです。
そして、オケは最初から442Hzでチューニングしています。
「ピアノもオーケストラがA=440を前提にしてA=442にします」 なんてのも聴いたことないですね。