それで、さらにオーケストラを聴く楽しみが少しでも増えたらと思って、雑学を投稿します。

これは、楽譜に持ち替えの指示が書いてあるからです。
なぜ、そんな指示が書いてあるのかというと、オーケストラでは、吹奏楽で使っているB♭(変ロ長調)の管だけではなく、A(イ長調)の楽器も使うからです。
では、なぜわざわざそんなことをするのでしょうか?
その理由は、2つあります。
1.クラリネットは#の多い曲になると演奏が難しくなるため、#を少なくするため。
2.作曲家がそのクラリネットの音色を要求している。
B♭管とA管は半音だけ音の高さが違って、A管は管長がわずかに長くできています。
だから、離れてみると同じ楽器のように見えますが、違う楽器と持ち替えていることになります。
オーケストラの曲では、結構、持ち替える曲が多いので、クラリネット奏者はB♭とAとを2本ペアで、ケースに入れて持っています。
この2種類の楽器は音の高さが半音違うだけでなく、音色も違っています。
B♭管は明るい傾向に対して、A管は少し地味な音というか、音楽の解説書などには「牧歌的」と書いてあるものもあります。
通常はこの2種類でこと足りますが、実はたまにE♭管を必要とすることもあります。
これはかなり小さな楽器になりますので、遠くから見てもすぐわかります。
音色は鋭い音で、非常に目立ちます。
のだめカンタービレで、指揮者コンクールにリヒャルトシュトラウスの「ティルオイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」が出てきましたが、この曲にもソロが出てきます。
ただ、リヒャルトシュトラウスはE♭管ではなくD管で書いています。
D管を必要とする曲は、おそらくこの曲だけでしょう。
だから、たいていの場合はE♭管で演奏しています。
スメタナの有名な曲「モルダウ」でははじめにC管で書かれています。
そしてA管もB♭管も必要とします。
作曲家によっては、B♭管A管の区別をせず、楽譜をinCで書く人もいますが、これは奏者にお任せということです。
しかし、Cで書いてあるから、いつもお任せとは限らず、作曲家がC管のクラリネットを要求している場合もあります。
C管を要求する作曲家で有名な人に、マーラーがいます。
マーラーの曲は途中で数小節だけCで書かれている場合がありますが、これをB♭管で演奏してはいけない(断固C管を要求した)と言ったそうです。
C管の場合はB♭かんよりより目立つ音になります。
というわけで、クラリネット奏者は、すべての要求に応えるためには、A、B♭、C、D、E♭と持たなければなりません。
それにバスクラリネットまでそろえるとなると6本必要ということですね。

有ったらべんりだと思いますねー、他の楽器と色々合奏するのに読み替えなくて良いし・・・
マーラーのC管指定もB♭かんで間に合わせています。
今のところ、クレームをつける指揮者はいません。
もし、買うならクランポンを買います。
もともとC管使ってたのかなー?
その時の指揮者は秋山和慶さんでしたが、特にC管でとは言われませんでした。