トランペット協奏曲の代表格は、ハイドンでもんくのないところだと思う。
ハイドンは友人のために作曲したとあるが、この協奏曲はトランペット吹きにとってはなかなか難しいようである。
《トランペット協奏曲(Concerto per il Clarino)変ホ長調》Hob.VIIe:1 は、ヨーゼフ・ハイドンが長年にわたる友人アントン・ヴァイディンガーのために作曲した作品。ちなみにハイドンの弟ミヒャエルもトランペット協奏曲を作曲している。フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』より
ヴァイディンガーは、すべての音域で半音階を演奏できるような有鍵トランペットの発明者であった。それ以前のトランペットは通常、バルブがなく、唇の圧力を変えることで辛うじて自然倍音を出せるにすぎなかった。これらの倍音は高音域に寄り集まっていたから、古い時代のトランペットは、非常に高い音域の旋律を奏でるしかなかったのである(たとえば《ブランデンブルク協奏曲 第2番》)。ハイドンの協奏曲では、以前より低い音域の旋律も要求されている。
盛期古典派音楽の時代、バルブを用いてトランペットの音域を拡張しようとする試みは、ヨーロッパ全土においてなされていたが、フルートのように音孔を穿ち、鍵盤を付けるというヴァイディンガーの発想は、どうしたものか不評であった。こんにち利用されるバルブ式トランペットが登場するのは、1830年代になってからである。
作品は以下の3つの楽章から成り、とりわけ両端楽章が名高い。
1.Allegro(変ホ長調、きわめて簡潔な協奏的ソナタ形式)
2.Andante(変イ長調)
3.Allegro (ロンド、フィナーレ。変ホ長調):4分の2拍子の溌剌とした曲想。
楽器編成は独奏トランペット、フルート・オーボエ・ファゴット・ホルン・トランペット各2、ティンパニ、弦五部
ところで、おおすめのCDであるが、これは前出のトランペット:ホーカン・ハーデンベルガー/ネヴィル・マリナー指揮 アカデミー・オブ・セント・マーティン・イン・ザ・フィールズといきたい。

モーリス・アンドレ以後の天才的奏者でという意味である。
