2012年02月17日

スイス darTZeel社のアンプ

オーディオフェスタ 2012 でスイス darTZeel社のアンプが紹介された。

価格はパワーアンプ NHB-458(ペア)\16,380,000/1台、コントロールアンプはNHB-18 NS \3,150,000

プリメイン合わせると、総額\19,530,000になる。

フェラーリが安く感じる。



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2012年02月13日

TADの最新作

TAD(Technical Audio Devices)はパイオニアの高級ブランドである。
スピーカーは早くから、発売されていたが、CDプレーヤー、アンプと出揃って、TADでオーディオシステムが組めるようになった。
詳細はTADのサイトで見ていただくことにして、毎年開催される、オーディオ フェスタで撮影してきたものを紹介しよう。



昨年は、低域がブーミーで、ちょっといただけないと言う感じだったが、今回は締まった音で、透明感、分離とも申し分なかった。

すべて揃えると\18,375,000(税込)になる。

パワーアンプはモノラルで1台90kgもある。
台座のように見えるのは、シャーシーで中には回路も組まれている。
黒く見える部分は、南部鉄が使ってある。

当初、海外生産と聞いたが、現在は国内生産ということである。
Made in Japanでないと、海外では人気がないという説明を聞いた。

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2011年12月21日

音楽と映像

テレビもデジタル放送になって、音楽番組が多くなったことは喜ばしい。
音質も向上した。

私はBSをよく観るようになった。
オーケストラも演奏の様子がよくわかるようになった。

時に、楽器のメーカーがわかる時もある。

しかし、良いことづくめではない。
映像に気を取られると、音を聴くほうがおろそかになることに気づいた。

情報量としては、目のほうが多いのでその影響力は大きいと感じるようになった。

演奏している時の格好や表情は、純粋に音を聴こうとする場合は邪魔でさえある。

だから、目を閉じて聴くこともしばしば。

テレビの音声はアンプとスピーカーをグレードアップしたが、メインのオーディオの方に映像を持ち込もうという気にはならない。

実際のコンサートでも、時に目を閉じて聴いてみる。
こうすると音に集中できる。

これから、装置をグレードアップすることがあっても、3.1チャンネルとか5.1チャンネルにもしないと思う。
もちろん、大画面のテレビを持ち込もうとも思わない。

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2011年10月31日

お金をかけないオーディオ

お金をかけないオーディオと言うと、コストパフォーマンスの高い機器選びと思う人もいるでしょうが、今回はそういうことではありません。

コンサートによく出かけること

音がどう聴こえているか他人にはわからない。
当然のことだが、これが非常に大切なことだと思う。

音は「耳で聞く」というが、実際には脳で知覚されるわけだ。
脳には過去の記憶が残されていて、それが実際の音と相まって知覚になると考えられる。

梅干しを食べた経験のある人は「梅干し」という言葉を聞いただけで唾液が出てくるという、無意識の記憶がそうさせているように、似たような現象が「音を聞く」ということにも当てはまると言ったらよいでしょうか。

オーケストラの指揮者は、交響曲の楽譜、つまり全楽器の音符が書いてある総譜(スコア)を見るわけですが、その楽譜を見ただけで頭の中で音が鳴っています。

その頭の中の音をイメージして指揮をするわけです。
指揮者はオーケストラが音を出す前に、指揮棒を振ります。
練習の時は、そのイメージ通りの音が出ない時、棒を止めてメンバーにイメージ通りの音を出すように指示をするわけです。

こういう音楽の世界を知っている人には、釈迦に説法ですが、知らない人は指揮者とは、まるで音楽に合わせて踊っているようなものだと思っている人もいるようです。

だから、指揮の練習はCDを再生してその音に合わせて指揮をしても、ほとんど練習にならないわけです。

あるピアニストの家を訪問した時、ちょうど鍵盤の部分だけはずして作ったようなものが置いてありました。
rajikase.JPG鍵盤だけですから、弾いても音は出ません。
でもピアニストはこれで練習するのです。
音が実際に出なくても、ピアニストの頭の中では音が鳴っているのです。

まあ、紙鍵盤でも同じことですが、実際の鍵盤と同じでないと、指の力の入れ具合の練習にならないわけです。

ラジカセも存在価値がある

話が長くなりましたが、音楽を仕事としていない人も、コンサートに行くことで、脳が無意識に音の学習をし、自宅のオーディオ機器で音楽を聴いた時も、無意識のうちに記憶された音を引き出すのです。

だから、高価なオーディオ装置でなくても音楽は楽しめるわけです。
そういう意味では、ラジカセでもミニコンポでも存在価値があると言えます。

実際のコンサートを聴かずに、オーディオ装置ばかりにお金をつぎ込むのは、その人の行き方でいいのですが、それは現実の音を知らないで、装置そのものの音にこだわっているだけで、こういう人が私の感覚では「オーディオマニア」という感じがします。

何かまわりくどい説明になりましたが、私が言いたいのは音楽を聴くのに、装置は必ずしも高価でなくてよいと言うことです。

そのかわり、現実のコンサートに出かけることだと言いたいわけです。

実際、プロの音楽家は意外なほど、高価なオーディオ装置にこだわらない人が多いと、私は感じています。
「一応、音が聞こえればいい」と言います。

写真を載せた、ラジカセは5千円もしませんでした。でも、存在価値はあります。
ミニコンポでもそうです。

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2011年10月30日

オーディオ製品はいい加減という話

オーディオ製品は、ほんとにいい加減です

1.電流帰還がいいとわかっていてもできない。
2.ピンコードに流れる電流があまりに少なすぎる。こんな規格だれが決めたんだ。
3.インピーダンスを無視している。最適な終端も考えてないのでピンコードでかなり音が変わる。
4.アースの設計がいい加減だから電源コードの差し込み方で音が変わる。


これを読んだ方はどう思われるのだろうか?

電気のことはさっぱりという人は、そんなものかと思われるかも知れない。
しかし、一応、電気回路、特にアンプの基礎知識がある方は、驚かれるに違いない。

私のような未熟者ですら、驚きを隠せない。

1.電流帰還がいいとわかっていてもできない

この「できない」というのは「メーカーが、電流帰還回路のアンプを作れない」という意味なのだろうか?
もし、そういう意味で言っているのなら、とんでもないことである。オーディオ用アンプを作っている知られたブランドのメーカーが作れない(技術がない)ということはない。

電流帰還を採用するか電圧帰還を採用するかは、意図するアンプを作る時の選択の問題だ。
それとも、この人自身が製作に挑んだが作れないということなのだろうか?

いや、もっと穿った見方をすれば、この人自身は「電流帰還」とは何かわからないが、誰かの受け売りか、こういう専門用語を使ってみたかっただけかも知れない。

2.ピンコードに流れる電流があまりに少なすぎる。こんな規格だれが決めたんだ

この発言にも驚きました。電流が少なすぎると言っていますが、逆に質問したいですね。
「なぜ、電流を多く流す必要があるのですか?」と。

この方は、アンプの仕組みがわかっていなくて、発言しているのじゃないかと思います。
オーディオで使われているアンプは、回路が電圧増幅部電力増幅部に分かれているということを知らないのでしょう。

amp_kozo.jpg


この2つの増幅部が1台のアンプに内蔵されているものを、プリメインアンプまたはインテグレーテッドアンプと言い、2つの部分を独立させたアンプを、それぞれプリアンプ(もしくはコントロールアンプ)、メインアンプ(もしくはパワーアンプ)と呼ぶということは、オーディオマニアや増幅回路に知識のある人はわかっているはずです。

そして、電圧増幅部は電圧を増幅することが目的なので、あまり電流を流す必要がないのです。だから、もともとピンコードは多くの電流を流すようには作られてはいません。

L-15G_mini.jpgこの方は、ピンコードに大電流を流したいんでしょうか?
例えば、スピーカーコードに使うとか、家庭用の電気製品のコードとして使いたいんでしょうか?

「こんな規格だれが決めたんだ」と言っていますが、論理的に必要十分な規格を業界で話し合って決めたんでしょう。何の問題もないと思います。

3.インピーダンスを無視している。最適な終端も考えてないのでピンコードでかなり音が変わる。

インピーダンスを無視したら、アンプは作れません。
ピンコードで音が変わるのは、終端のインピーダンスのせいではないでしょう。

スピーカーに接続するメインアンプの出力端子は4Ω〜8Ωぐらいのインピーダンスのスピーカーにつなぐことを前提としています。
しかし、そうは言ってもスピーカーのインピーダンスは低域から高域までずいぶん変動しますから、その変動に耐えられるアンプがいいアンプです。

sp_imp_hendou.jpg


ピンコードで音が変わるのは、ピンコード自体の問題でしょう。


4.アースの設計がいい加減だから電源コードの差し込み方で音が変わる。

これも、意味不明の発言ですね。
「アースの設計がいい加減」てどういうことですかね?
アンプの中を見たことがあるんですか?

しかし「アースの設計」て何だろう?

確かに、プラグの差し込み方で音が変わることはあります。
でも、それはアンプ側のせいではないと思います。

オーディオの高級機では、プラグの差し込み、つまりコンセントの接地側が明示してあることが多いです。
そこまで、機器の設計に責任を持っているということでしょうが、問題といえば壁コンセントにあるのではないかと思います。

コンセントは少し穴が広い方と狭い方がありますが、穴の広い方が接地側ということになっています。
ところが、必ずしも、工事で守られていないこともあると聞いたことがあります。

気になるなら、検電ドライバーなどで確認しましょう。

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オーディオ製品はいい加減と題して、意見を発表している人がいたが、いい加減な方はメーカーではなくて、本人の思考だったようです。

巷に情報はあふれています。それで、便利になった一方で、おかしな情報もあるので受け取る方は気をつける必要があると思います。

人は時として感情に左右されやすいと思います。

情報の発信者が友人であったり、懇意にしている店の店主であったりなど、親しい人の発言にはカタを持ちたい場合もあるでしょうが、友人であれ何であれ、正しいことを取り入れようという姿勢がないと、変な宗教のようにもなりかねません。

自分が裸の王様になったり、オーディオの場合、電気回路ですから事故になるかも知れません。

私が他人のそんな心配をする必要はないのかも知れませんが、このような指摘をすることで、救われる人がいるかも知れないということで記事にしました。

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posted by dolce at 18:01 | Comment(0) | TrackBack(0) | オーディオ

2011年10月23日

オーディオを語りたいのなら、電気回路の基本は勉強しておこう

ケーブルは細い方が立ち上がりが良い??

オーディオが一般の家庭電化製品と違うのは、個人の趣向が大きく影響することだろう。
それで、何でも言いたいことが言えるようなところがあり、教祖がいて信者がいるというような構図にもなりかねない。
中には、本当に聞こえているのか?と疑問に感じるものもある。

今回、こういうタイトルで書き始めたのは

「ケーブルは細い方がいい」

と言っている人がいたからである。

細いケーブルに換えてみたら、好みの音になったと言うのなら納得できるのだが、そうではないらしいからちょっと待てと思ったのだ。

この「ケーブルは細い方がいい」と言う人をM氏とすると、M氏の理屈は、水道の蛇口につなぐホースと同じく、ホースを細くすると水が勢いよく出る。これと同じでケーブルも細くした方が電流も勢いよく流れ音の立ち上がりもよいと言うのだ。

ケーブルを細くしたことで、本当に音の立ち上がりがよいと聞き取れたの?と疑いたくなる。

同種の金属のケーブルで、細くして音の立ち上がりがよくなるとは極めて考え難い。
というより「あり得ない」と言った方がよい。
それは、ケーブルを細くすることで抵抗(直流抵抗)が増加するからだ。

2本の並行したケーブルは構造上、キャパシティを含むので直流抵抗の増加は時定数の増加になる。
時定数が大きいということは、立ち上がりが遅くなるということを表す。

だからA氏がケーブルを細くしたことで、音の立上りがよくなったと感じたのは

1.音質が変化してA氏にとって好ましい音質になった
2.ケーブルの金属そのものが別のものになった。例えば銅線から銀線に換わって実は直流抵抗が小さくなった
3.音の変化はわからないのだが、ゴムホースを流れる水流と同じというイメージをしているだけ

と考えられる。

このケーブルを細くするということで、思い出したことがある。
知人がたこ焼きを作って振舞ってくれるというので、楽しみにしてご招待に応じた。
ところが、たこ焼き器なるもののスイッチを入れても、たこ焼きができるほどに、なかなか温度が上がらない。

私がコードをチエックしたら、たこ焼き器からコンセントに行くまでに途中に細いビニルのコード(テーブルタップ)が使ってあった。
原因はこれだと思った。
たこ焼き器となると、少なくとも1000Wぐらいの消費電力はある。
これを使うと、少なくとも10Aの電流が流れることになるのだが、延長のために使ったコードの許容電流が10Aなかった(つまり細い)ので、たこ焼き器はなかなか熱くならなかったのである。
つまり、これはケーブルが細いと立ち上がりが悪くなる、よくわかる例である。

たこ焼き器を壁のコンセントに近づけ、延長に使ったケーブルをやめたら、すぐにたこ焼き器は熱くなった。

ケーブルが細いと立ち上がりが良くなるのなら、電力会社は大いに助かる。
しかし、理論的にも現実にもそんなことはあり得ない。全く正反対である。

denkikairo.jpgダンピングファクターが理解できていない

ダンピングファクターとは、スピーカーのインピーダンスをアンプのインピーダンスで割った数値である。

例えば、スピーカーのインピーダンス(Z)を8Ω、アンプのインピーダンス(X)を0.04Ωとすると、ダンピングファクター(D)とすると、

D=8/0.04=200

となり、ダンピングファクターは200ということになる。
ところで、これが実際に何を意味するかと言うと、アンプがスピーカーを駆動する能力を表し、この数値が高いほど駆動能力も高いということになる。
具体的には締まりの良い音、歯切れのよい音になる。

アンプを発電機と考えると、アンプが発電した電力を如何に効率よくスピーカーに伝えられるかということとも言える。

しかし、ケーブルが細くなると、ケーブル分の抵抗が加味されてその分アンプの電力がケーブルの抵抗分に食われることになるので、ケーブルが細くなることは効率を悪くすることになって好ましくない。

ここでもM氏の驚くべき発言は

「コードの直流抵抗分はスピーカーに直列に抵抗が入るだけだから、ほとんど気にする必要がない。抵抗分が多い場合はその分アンプのボリュームを上げればよい」

と言っている。
いかに電気回路を理解していないかがわかる。

ケーブルが長くなるということは、直流抵抗が増えるということだけではない。
インダクタンスやキャパシタンスも増加する。
これは位相のずれに影響してくる。

M氏は交流回路のことが全く頭にないようである。

ケーブルが長くなったら、その影響分だけアンプのボリュームで調節すればよいと考えているのは、単純な電圧降下しか考えていないとみられる。

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2011年10月13日

耳に馴染んだ音

俗に「おふくろの味」という、それぞれの家庭の料理の味があるように、これと似たような「馴染みの音」があると思う。

私がはじめてFIFI用スピーカーを手にしたのが、PIONEERのPAX-20Aだったということは、前に述べた。

pax20a1.gifこのスピーカーを手に入れた時、私は裸のままで使っていた。
それは、スピーカーのボックス(エンクロージャー)まで用意する余裕がなかったからである。

どんなに良いスピーカーでも、指定箱に入れないと真価を発揮しないということは、雑誌で知った。
それからは、何か適当な箱はないかと探しまわった。

タダで手に入るのは、八百屋さんでもらえるリンゴ箱だった。
それでも裸での使用とは違う。

密閉するのがよいらしいとわかったので、空気の漏れないように、隙間を塞ぐということはやってみた。

リンゴ箱だから薄っぺらいものだから、箱自体が振動する。
でも、スピーカーの箱は振動するものだと思っていた。
友人も、多分そう思っていただろう。
だから、スピーカーの振動が箱に伝わって、響きが止まらないようにしなければならないと思っていた。

ところが、オーディオの雑誌を読むと、板は重く厚いほうが良いとあった。
そりゃあ、振動しにくいのではと思った。

やっとの思いで、ラワンの20mmほどの1枚板が手に入った。

苦労して、糸鋸でスピカー穴を切り抜いた。

期待を込めて、スピーカーを取り付けて鳴らしてみた。

これが、さっぱり良くなかった。
なんだか寂しい音になったようだ。

ガッカリしたものの、やっと手に入れたものだからと思って、そのままにした。

ある日、またなんとなく鳴らしてみた。

「まてよ、これはいい音ではないのか?」

という気がした。

そういえば、ヴァイオリンの音はきれいだ。
現実の弓で弾いたような音がする。

中音が出ないのは、・・・もともと音源に音がないのだ。
と次第に聴き方が変わっていった。

「いやいや、これがいい音なのだ」

と気がつき始めた。
これが正直なところだ。

インスタントラーメンに慣れていて、有名なラーメン店の味がわからないようなものと言えるか。
そういえば、ある親から

「うちの子ども、ラーメン店に連れて行ってやったら、インスタントラーメンの方がいいと言うんですよ」

という話を聞いたことがある。

その人の馴染んでいる音からは離れにくい

オーディオに関心のある人の装置の音を聴かせてもらうと、それぞれである。
「いい音」と言うのだが、私としてはちっともそうは感じないということがある。
レンジが狭くて古臭いまどろっこしい音。

そういう人の性格をみると、やはり古い骨董的なものに関心が高いように思う。

やさしい性格の人は、刺激のない音を好む。

というようなことで、それぞれの趣向で、装置は、どんなソースであろうとその人好みの音にしてしまうような傾向がある。

これが、私から言うと「おふくろの味」ならぬ「馴染みの音」ということになる。

私の求める音の方向

オーディオの評価で「いい音」というのは誤解を生むおそれがある。
それを考慮して言うなら、私の求める音は「ソースに忠実な音」である。

だから、振動は抑える方向である。

私のスピーカーは黒いピアノの塗装と同じ塗装がしてある。
それを知ったある人は「ピアノ塗装すると、音が響かなくなってしまいます」と言った。

「いや、塗装することによって共鳴を防いでいるのです」

と言ったら、その人は沈黙してしまった。

今の装置は、かけるCDによってみな違う音になるという方向になってしまったので、どれがこの装置の音(キャラクター)なのかわからなくなってきた。

あるCDをかけた時

「あれ、装置のどこか具合が悪いのか」

と思ったりすることもある。

だいたい、どのメーカーも共振を止めることに工夫を凝らしているようだが、例外としてはタンノイがある。

タンノイは箱がまるで楽器のようで、弦楽器の胴を想像させるところがある。

ある、タンノイの所有者は

「タンノイは良いも悪いも、すべての音をタンノイ色に染めてしまう」

誠に、短い言葉でタンノイの特徴を表していると思う。
そのタンノイもKINGDOM ROYALを最近発売して、従来のタンノイの音から脱却しつつあると感じた。




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2011年09月16日

クラシック・マニア道入門

classicmanianyumon.jpg今回は本の紹介です。

何が書いてある本かなあと思って、開いてみると、オーディオの本かなという感じがしました。

オーディオに関心がある人には、二通りあると思います。

(1)生音に極力近づけたいとする高忠実度派

(2)再生される音が忠実であるかどうかではなく「いい音」を求める派

私は(1)の方で、そのような方向で装置を揃える方です。

(2)は周波数特性や過度特性、ダイナミックレンジではなくもっと違った方向に関心がある。

この本は(2)の方向であって、SPの再生についてはじめに書かれている。

SPのレコードでの再生は、物理特性では劣るものであるが、不思議と感動させられるものに出会う。
初期の再生装置は全く電気的な部分はなく、鉄針か竹針で再生する。
振動がラッパに伝わってくるだけで、いかにも昔のものという感じがするが、生々しさを感じることがある。

そういったところに魅力を感じて夢中になる人たちがいて、現代の電気装置での再生では及ばないところがあるような気がする。

また、歴史的な名演奏となると、SPしか残っていないということもある。
その後、モノラルの33回転のLPが登場する。
このモノラルLPに夢中になる人たちもいる。だから、モノラル専用のカートリッジも発売されている。

その後、ステレオLPが登場するが、この本はSP時代からLP〜CDに至るまで、クラシックフアンはどのようなものを求めてきたかを知りたい人には好適だと思う。

筆者は現代のスピーカー、アンプ、CDも所有し、音楽を楽しんでいるのだが、そんなに高額なものを使っていないというところも、クラシックを聴くにはどのくらいのものを揃えたらいいかという目安になるのではないかと思う。

というところで、最新の機器を並べてどうのこうのという巷の本とは一味違った、クラシックの聴き方というところで、読んでみる価値はあると思う。

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2011年03月22日

大人のための「新」オーディオ鑑賞術

otonanoAudio.jpg文庫本で、読破するのにそう時間を必要としないが、大変参考になった。

著者が自分の趣味を主張するのではなく、客観的な視点で、現在のオーディオの状態と、これからのオーディオ時代を予感する示唆を含んでいた。

そういえぱそうだなあと思うことに、最近はイヤフォンをつけて歩いている人をよく見かけるようになった。
若い人だけかなと思ったら、そうばかりでもない。

iPodがこういう形を流行らせたと思っていたが、それだけでなく、今や音楽を聴くという形が外出時だけでなく、家庭でも同じになっているようだ。

その影響で、CDもイヤフォンに合わせた音作りをしているようで、私のように部屋にドカッと置いたシステムで聴くと、不自然を感じるわけだとわかった。

私の所有している音源は、テープからレコードからCDなど様々で、CDだけに限っても1枚ごとに音が違うので、どれが自分の本当のシステムなのかとわからなくなってしまうこともある。

きつい高音の録音があって、これはシステムのバランスが悪いのかなと思うと、別の録音ではまるで違う音がする。
だから、基準の音源を持たないことには自分の再生装置の状態を正しく設定できないことになる。
そのせいか、自分で録音してきたものが一番自然に感じる。

ある掲示板で、そういうことを言ったら、すごく反発してきた人がいた。
いったい何だろうと思ったら、どうやら団塊のオーディオに夢中になっていた人たちの集まりであったらしく、何か、生意気のようにとられたみたいだった。

私の知人にもいるが、いわゆるビンテージと言われる部類のものを集めて、それを好んで聴いている人がいる。
それを私は否定するものではなく、個人の趣味だからいいと思うのだが、私は方向としては生演奏に近い方を目指しているので、再生する音はまるで違う。

著書にも書いてあるが「いい音」というのは個人によってみな違うので、自分もしくは自分たちだけで固まって、他を排除するというような方向はいただけない。

しかし、世の中は、オーディオの分野にもパソコンが進出し、この流れもこれからは止まりそうもないようである。
CDプレーヤーもなければなくてもよいという時代になり、メディアはハードディスクでいいということになりかけているようだ。

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2011年03月18日

音の劣化のイメージ

音の再生における劣化のイメージを下図に表してみました。

Aのように、それぞれの機器の影響が大きいと、接続するケーブルを換えても音質の改善は期待できません。

しかし、Bのようにそれぞれの機器による影響が少ない装置であれば、ケーブルの交換でCのように、音質の劣化はないと考えられます。

つまり、ケーブルによる音の変化は、もともとの装置のレベルがある程度高くないと効果はないと考えられます。

OtonoRekka.jpg


それでは、ケーブルによる音の変化が感じられるグレードとはどのぐらいのものなのでしょうか?
これは、今のところ、ごく大ざっぱな経験値でしか言えませんが。
市場価格で表してみました。

1.スピーカー 300,000円(1本)
2.アンプ   500,000円(プリメイン)
3.CDプレーヤー500,000円

合計 1600,000円

これ以上お金をかければ、いいとは必ずしも言えませんが、この辺が基準になると考えました。
もちろん、コストばフォーマンスの高いものでは、これより下がるでしょうし、高くてもどこにお金をかけて作ってあるかにより、いいとは言えないものもあるでしょう。

CDプレーヤーは専用機ということで考えましたが、SACDとの複合機であれば、さらに高くなるでしょう。

もっとも再生の厳しい音楽は、フルオーケストラの再生であり、大編成のオーケストラの楽器をくまなく再現するには、このぐらいの価格帯を考えねばならないと思います。
ピアノソロも再生の難しい音源であり、装置が貧弱だと、アプライトピアノかグランドピアノかの区別がつかなくなります。

また、人の声が自然に聞こえるということも大切です。

これらをまとめると、オーディオのテストは、オーケストラとピアノソロと声楽の音源を持っているといいのではないかと思います。

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2011年03月17日

ケーブルによる音の変化

L-15G.jpgケーブルでオーディオの音は変わらないと言っている人が信じられない。

私は今まで、通常の家電店で売っているケーブルほ使っていたが、プリアンプ〜パワーアンプ間のRCAケーブル(銀を主体としたケーブル)に替えてみて、かなり音質が変わったことを報告した。

プリアンプ〜パワーアンプ間はバイアンプになっているので、RCAケーブルは2ペア(4本)必要であった。
この変化をもう一度記載しておくと。

1.音量が増加した
2.高域がきつくなった
3.情報量が増えて透明感が増した
4.低域の再生限界が伸びたように聞こえた
5.位相が改善された

であった。
予想以上の変化に驚いたのだが、今回はCDプレーヤー〜プリアンプ間のRCAケーブルを交換してみた。
交換したケーブルはAccuphaseのL-15Gである。

ここは、もともとそんなに安物ではないと思われるものを使っていたので、そんなに変化は期待していなかった。
ところが、今回も予想以上の変化をした。

1.きつい音がしていた高域が分解され、聴きやすくなった
2.一層透明感が増した

これは、私の家を時々訪れるオーディオの好きな人も、同様に感じている。
今回、交換のAccuphase L-15Gは銅(純度99.99999%)を主体としたもので、0
.08mm(直径)を168本束ねた2芯構造のものである。

1.の意味は、以前、高域がきつく感じられたが、交換してみるときつい部分が歪だったような感じに思えた。
このケーブルは低域から高域までバランスの良いケーブルと感じた。

普通の家電に使うケーブルと比べると高いが、驚くほどの値段ではない(8,400円)ので、音質改善としてはコストパフォーマンスが高いと思う。

ケーブルで音が変わらないと主張する人たちが、信じられない。

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2011年02月08日

ECLIPSE TD712zMK2

TD712zMK2_2.jpg富士通テンのECLIPSE TD712zMK2は卵型の筐体に12cmのスピーカーがついている。
正確に言うと、スピーカーは筐体に固定されていない。それは、極力、共振を防ぐためだ。
私はこのスピーカーをオーデテオショーで3回聴いて、その実力を確認した。

スピーカーが小さいので、設置場所を考えてとか、安くするためと考える人もいるかも知れないが、そういうスピーカーではない。
富士通テンの音響理論に基づいて、高級オーディオへ参入したものだ。

できれば、スピーカーは1個で全域を再生するフルレンジがいいし、口径も小さくなることで、点音源に近づく。
スピーカーが小さいと低音が出ないのではないかと思う人もいるようだが、そんなことはない。

近年、スピーカーの口径は小さい方向になっている。
それは、はからずも、再生音を生音に近づける、いわゆるHIFIをねらったものである。
スピーカーは口径を大きくすると、空気を押し出す面積は大きくなり低音再生には有利だが、コーン紙の剛性を高くすることと、オーバーダンピング(音源にない振動まで、惰性でスピーカーが振動してしまう)で不利となり、音源に忠実な再生では不利になる。
車のボディが大きくなれば、それだけ丈夫な構造しなければならないし、大きなエンジンにしなければエンジンブレーキが効かないようなものだ。

スピーカーの口径を小さくして低音を再生しようとすると、コーンを重くしなければならないので、能率が下がることになる。
そこは、トランジスタアンプになって駆動力が増したこと、スピーカー自体の許容入力をおおきくしたことで、克服している。
だから、小さいHIFIスピーカーは概して能率は低いので、より強力なアンプが必要である。

このECLIPSE TD712zMK2は設計の意図通り、余計な振動が極力少なくなっているため、楽器の音が生々しく空中に再現される。
その筐体からは想像できない、音のパノラマが眼前に展開され、フルオーケストラのスケール感や楽器の定位がよく表現されている。

コントラバスを再生してみると、演奏の表情がよく出る。
よく勘違いされるのは、コントラバスは音が低いので、もっぱら低い音ばかり再生することを考えがちだが、コントラバスと言えどもたくさんの高調波を含んでいて、それが楽器の音色を作っているわけで、低音以外の中高域を再生しないと、その楽器らしさが再現されない。

ECLIPSE TD712zMK2というスピーカーは、スピーカー自体が何か音を作ってくれるというものではない。あくまでもソースに忠実なスピーカーであるので、そこを間違えないことである。

近頃の薄型テレビのスピーカーに使いたいと思うが、そんなに安くはないので、一般的とは言えないが、実現できれば贅沢な鑑賞ができると思う。



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2011年02月06日

タンノイが変わった

TANNOY.jpg2010年8月、タンノイ社はKINGDOM ROYALというスピーカーを発売した。
このスピーカーの発売によって、タンノイは伝統のスピーカー、音をわずかに残しながら、大きくこれまでの方向を変えたと言える。

従来のタンノイは家具調で、エンクロージャーは弦楽器の胴のように積極的に鳴らしてきた。
壁や床を利用し低音を稼ぐという設計であったとも言える。

しかし、近代的なスピーカーはむしろ壁から離し、床から離すか振動を伝えないという方向である。
それは、トランジスタアンプになってから、アンプの駆動力は大きくなり、壁や床を利用することなく、スピーカー単体でアンプ強力な駆動力を背景に低音再生も可能になったからだと言える。

オーディオファンには様々な傾向の人がいるが、昔の音を懐古的に楽しむ人から、より生音に近くという人までいる中で、生音、リアル感を求める人が多くなってきたと思う。
それは、メーカーの主力製品をみることでもわかる。

タンノイやJBLは日本人のファンに受け入れられ、一時代を作ってきたと思うが、タンノイはクラシック向きでジャズを聴くスピーカーではないとか、JBLは反対にジャズ向きで、クラシックには向かないとされてきたのが大多数の人が認めるところであろう。

しかし、近代的なスピーカーはジャズ向き、クラシック向きではなく、何でもソースを忠実に再現するという方向に変わってきた。
JBLはエヴェレストというスピーカーを発売し、タンノイはKINGDOM ROYALによって何でも忠実にこなすスピーカーに舵を切ったと思う。



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2010年12月13日

オーディオに臨界価格はあるのか?

rinkaikakaku.jpgオーディオ装置は、ある程度お金をかけると、それからはお金をかけても性能はそれほどアップしないという意見がある。
そして、これ以上はさほど性能がアップしないという価格を臨界価格という人もいる。
本当にそうなのだろうか?
だとしたら、臨界価格とはいくらなのだろう?

装置として、CDプレーヤー、アンプ、スピーカーを基本とすると、各機器にかける費用はおよそ10万円が臨界価格だという人がいる(スピーカーは1本の価格)。
そうすると、全体で40万円ということになる。
果たして、オーディオにかける費用は40万円が効率のよい、臨界価格と言えるのだろうか?

10万円のCDプレーヤーは、それから価格が上がってもそれほど性能(音)は良くならないのだろうか?
10万円のアンプというのはどうか?
左右で20万円のスピーカーというのはどうか?

自分のことを言うと、これだけの予算ではとても納得できるものではない。
かつて、CDプレーヤーが壊れて買い換えたところ、20万円台の価格であった。
技術が進歩しているから、5 万円ぐらいでも相当にいいと言った人がいるが、借りて使ったところ音が荒々しくて聞きづらく、だめだと思った。それで、20万円台ということになったのだが、耳に刺激的な音はなかったものの、解像度が物足りなくこれでも不満だった。

もっとも、メーカーによっては、低価格でもいいものを作るかも知れないから、一概に価格だけでは比べられないかも知れない。
価格のことを言うと、人によっては価格の高さを自慢していると狭い了見でみる人がいるので、自分の買ったものの価格を言いたくないのだが、某オーディオ専門店へ自分のCDを持参し、次から次へ試聴させてもらった結果決定したのが今のCDプレーヤーだった。
価格は62万円だった。

実際、この値段が妥当なのかどうかはわからない。しかし、納得した音がこれだったのである。
そして、62万円を出す気になったということなのだ。

オーディオは往々にして自己満足ということもある。もちろんそれでも良いのだが、来宅する人によっては、この62万円のCDプレーヤーで再生すると「デジタル音のイメージが変わった」とか「CDにこれだけの音が入っているんですね」と言う。

62 万円のCDプレーヤーと言っても、もう10数年前に買ったもので、現在この後継機種が出た。
価格は190万円となっていたので、ちょっと手が出ないなと感じた。

オーディオ製品は、メーカーが世に自社の力を示すために出した製品は、年を経るに連れ材料や部品の高騰で値上げをしたり、値上げも限界を感じて生産を廃止してしまうことがある。
例えば、ダイヤトーンの2S-305というスピーカーは当初4.7万円(1本)で発売されたのだが、最終的には35万円(1本)にもなった。
もちろん、物価の上昇(インフレ)の影響もあるだろうが、オーディオの場合、材料の調達の価格は平均物価の上昇率を上回っている感じがする。

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2010年12月11日

オーディオ製品と聴く人の関係

オーディオの好きな人たちの間では、しばしば話が混乱する。
それは、事実の追究だけと、話が単純にいかないところに複雑さが増す。
精神的なものが入り込むからだ。まあ、個人差のあることだが、プライドのようなものか。

装置のグレード、耳の良さ、プライドといったものが絡み合って混沌とした状態で整理もつきにくいが、それでも一応の目安となるものはないかということで、下の図を作成してみた。

Audio_Audience.gif


こういう図を提示しただけで、人によってはピリピリしている人がいるかも知れない。
図はオーディオ装置を、普及品から高級品、聴く人を、耳の悪い人から耳の良い人に区分した。

ピリピリしている人というのは、この図を見て「何でおれの装置が普及品(安物)なんだ」とか「何でおれの耳が悪いんだ」とか言う人が、まれにいるからである。
普通にものごとが考えられる人なら、信じがたいことと思うが、本当に世の中そういう人がいるのだから参ってしまう。

話はそれるが、貧困率という言葉を出しただけで「おれがなぜ貧困なんだ」と抗議された事実がある。

図を見やすくするために、大まかにA、B、C、Dの領域に区分してみた。

A:高級な装置を持っていて、耳の良い人

B:高級な装置を持っているが、耳の悪い人

C:普及品の装置を持っていて、耳の悪い人

D:普及品の装置を持っていて、耳の良い人

自分や知人がどこに属するかを考え、どういう意見を言っているかを考えてみると、何かわかってくるものがあるかも知れない。

耳の悪い人では「オーディオなんて、ある程度の価格のものを買えばあとは大差ないですよ。高いものなんて、メーカーが儲けようと企んでいるぼったくりですよ」なんてコメントするかも知れない。

音を聴くということは、料理を食べることに似ていると思う。
美味いものを食べると、味覚はどんどん発達し、鋭敏になって贅沢になる。

音もいい音を聴くと、しばらくは感動するがじきにそれに慣れてきてアラも聴こえるようになり、どこかに不満が出てくる。
一方、慣れというものもあって、ひどい音の中に長時間いると、それがひどい音とあまり感じなくなるということもある。
これは、下手なバンドによく見られる現象である。
コンクールで、会場の後ろの席にいても耳栓をしたくなるような演奏がある。
日頃、狭い音楽室でよくもまあ、あんな音に耐えられるものだと思うが、慣れでそんなことは感じないのだろう。

そういう意味では、自分の装置の音や楽団の音がまともかどうか心配になる場合は、時々、第三者に聴いてもらう必要があると思う。

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2010年11月19日

何のためのオーディオですか?

私はオーディオマニアと呼ばれたくないと、言ったことがある。
それは次のような人たちといっしょにされたくないからである。
周波数特性などのスペックはオーディオ製品を評価する場合の指標とされるが、マニアの一部には、実際に自身の耳でどう聞こえるかよりも、測定機器類の示す数値の方を信用する「スペック信仰」ともいうべき傾向が見られる。また、コンサートの生音よりも、自宅のオーディオ機器による「理想の再生」を好み、自宅と比べてコンサートホールの音響を批判し、特定のホールの特定の座席位置以外では演奏を聴かないといった言辞も見られる。

また、ある一面で本末転倒ではあるが、高スペック・高音質を追求する高級オーディオ分野では、音楽よりも各種機材の収集と空気感や臨場感の追求・比較が専らの目的となり、CDやレコードはもっぱら音質チェック・機材比較用のサンプルとしてだけ利用され、記録媒体にコンテンツとして収録されている音楽の持つ芸術性や演奏者の感性などにはほとんど興味や理解を示さない者もいる。
フリー百科事典「ウィキペディア」より

誤解されないように断っておくが、私はこう言う人たちをよくないと思っているわけではない。
趣味だから、各人、どのような目的でもそれは構わないからである。

私が言いたいのは、同じオーディオ装置を所有していても、その目的が違えば評価も違ってくるということである。

私は、オーディオという機械の音を聴きたいわけではない

一番いいのは、家に小ホールでも作って、演奏家を招いて実際に演奏をしてもらって、音楽談義をすることだ。
しかし、そんな経済力もないから、オーディオを補助として使っているのだ。

また、すでに亡くなった演奏家の演奏を聴くのも、オーディオという機械を使わなくてはできないことである。

簡単に言えば、私が一番興味があるのは演奏そのものである。
演奏そのものをできるだけ忠実に再生したいから、そういう目的でのグレードアップには興味がある。

最近、銀を主体としたケーブルに変えてよかったと思ったのも、再生音が一段と透明化し、演奏者のテクニックがより鮮明にわかるようになったからだ。

だから、私のオーディオに対する評価は、より演奏者の音楽を忠実に再現できるかどうかである。
機械であるから、車と同じように整備は必要である。
ある時、煙を出すようでは困るからである。

歪率、周波数特性等、ある程度は関心がある。
しかし、聴いてみて不自然でないことが大切である。
ある特定の編成、例えば、数人のジャズにはいいが、オーケストラになったら変だというのは、装置が偏った音を出すと判断する。

わかりやすいのは、自分の演奏を録音してみて再生してみることだ。
自分が演奏したのだから、よくわかる。

ある高級オーディオ店に、自分の演奏したCDを持っていって再生してみた。
多くの装置は、実際の自分の演奏より立派に聴こえた。
「なるほど、装置がお化粧してくれるのだ」
と思った。

しかし、ほとんどお化粧をしてくれないものもあった。
それは、アラも正直に出して、恥ずかしいほどであった。
私はこういうのがいいと思ったし、メーカーのまじめさも感じたのだが、客の評価はよくないようだった。

だから、商品としては適当にお化粧をしてくれるものが売れるんだと思った。
演奏者にとっては好都合ではあるが、演奏の反省をするには適していない。

人気俳優でも、たまに素顔の姿を見ると
「えっ、テレビとは違うじゃないの? テレビではもっときれいだったが」
に似ている。

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2010年11月13日

変なデジタル論争

昔、デジタル録音はPCM録音のメディアとしてビデオテープを使っていた。
知人は「デジタルだから、安いテープでいい」と言っていた。

私はそういう彼に、できるだけ良質のテープを使った方がいいよと提言したが、彼は頑として聞き入れなかった。

テープの違いで、明瞭に音質差は感じられたのだが、頑として「デジタルだから、テープの質の差は音質には現れない」と主張する彼は変えなかった。
彼は、実際、聴いてみて音質差が感じられなかったのだろう。

結論、音質差がわからなかったら、高い方を買う必要はないと思う。

しかし、明らかに差は存在する。
そして、差が存在する理由も明白である。

A:デジタルだから、コピーガードは必要である。
B:デジタルでも音質差が出るから、信号の伝送に関するものは良質のものを使った方がいい。

このA、Bが矛盾していると文句をつけている人がいる。

結論、AもBも正しい。

Aの方は、デジタルコピーは全くオリジナルと同じだから、劣化がないから子も孫もないという意見。
その意見からすると、Bの音質差というのは、劣化を言っているのだからAとは矛盾していると言いたいのだろう。

どちらも矛盾していないというのは、デジタル信号は矩形波で送っているから、伝送する媒介
kukeiha.gif物の周波数特性によっては、波形が変形してしまう。
高域特性が悪いと、角が丸まって、受け取る側からすれば、あまりにも変形が大きすぎると、矩形波として認識することができない。

どうにか認識できた場合は、それが矩形波として了解され、きちんとした矩形波として再生される。
波形がくずれていても、矩形波として認識されればいいのだが、認識されるかされないかの境目にあたる波形は、その時の状況により欠落、つまりエラーとなる。

エラーとなっても補正機能があるからいいのではないか、と考える人がいるかも知れないが、エラー補正というのは、あくまで「予想して補う」ものであるから、元のデータと同じになるとは限らない。

PCM録音の録音メディアとして、はじめにビデオテープを取り上げたが、ケーブルでも同じことが言える。

ケーブルは質が悪いほど、長くなるほど矩形波のデータがくずれて読み取りにくくなる。
つまり、デジタルといえども、アナログ的影響を受けるのである。

例えば、身近になったUSBケーブルも長く引き回すと、信号がうまく送られなくなる。
そのため、長くなる場合は特別な延長ケーブルが必要である。
そういう延長ケーブルには、劣化した矩形波を整形する部分が付属している。

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2010年11月12日

アンプやスピーカーを聴きたいわけじゃない

私はオーディオマニアと言われたくない。
オーディオマニアとはどういう意味か、定義はわからないが、自分が勝手に受ける印象を言うと、専らオーディオ製品をあれこれいじり回す、とっかえひっ替えし、わけのわからん独自の世界に埋没していくという感じを抱く。

オーディオ・マニア

オーディオ愛好家の中でも、並外れて高額な資金を投じて機器類を蒐集したり、機器類の自作にこだわる層をオーディオマニアと呼ぶ。ただし単に愛好している場合でもマニアと呼ばれる場合があり、マニアと一般愛好家の厳密な区分は困難である。

とくにマニアとされる人々は、大衆一般への普及を目指すゼネラルオーディオなど、廉価な製品には見向きもしない。ハイエンドと呼ばれる高級機器やそれら専門メーカーのブランドで機材を揃える者はごく一般的であり、理想の機器が無いとしてスピーカーやアンプの自作・改造に熱中する者もいる。機器類に限らず、スピーカーケーブルや電源ケーブル、コンセントの素材から配線の長さにいたるまで拘りの対象は向けられる。高価なケーブル類に熱中するマニアは「電線病」と自称・他称される様な固有の趣味文化も見出せる。

こういった「こだわり」は音響機器のみならず、それを設置する環境にも向けられる。例えば交流電源である家庭用電灯線から電力を得ているためハムノイズ等の問題をはらみ、また住宅街にあっては周辺環境の雑音を完全に防ぐ事は難しい。自分の楽しんでいる音が、逆に周囲には騒音の発生源となってしまうケースもあり、オーディオ・ルームの防音対策や専用の防音室の設計・改築するマニアのため、こうした施工を専門的に行う業者や組み立て設置ブース型の製品も存在している。また、ノイズ発生に対して敏感になるあまり、同じ建物内の照明に蛍光灯を使用しないという者や、エアコンや冷蔵庫などについてインバータを利用していない方式の機器を探す者も見られる。

周波数特性などのスペックはオーディオ製品を評価する場合の指標とされるが、マニアの一部には、実際に自身の耳でどう聞こえるかよりも、測定機器類の示す数値の方を信用する「スペック信仰」ともいうべき傾向が見られる。また、コンサートの生音よりも、自宅のオーディオ機器による「理想の再生」を好み、自宅と比べてコンサートホールの音響を批判し、特定のホールの特定の座席位置以外では演奏を聴かないといった言辞も見られる[5]。

また、ある一面で本末転倒ではあるが、高スペック・高音質を追求する高級オーディオ分野では、音楽よりも各種機材の収集と空気感や臨場感の追求・比較が専らの目的となり、CDやレコードはもっぱら音質チェック・機材比較用のサンプルとしてだけ利用され、記録媒体にコンテンツとして収録されている音楽の持つ芸術性や演奏者の感性などにはほとんど興味や理解を示さない者もいる。
フリー百科事典「ウィキペディア」より

ネットでオーディオに関するブログや掲示板を見ると、アンプがクリーンで無色透明な音のものはつまらないとか、コクがないアンプはおもしろくないなどの意見を書いている人がある。
スピーカーにしても、スピーカーが何か特徴のある音を出してくれることを期待している人がいる。

それはそれで、個人の趣向だから、好きなようにやってくださいと思うだけだが、それが音楽性云々と言われだしたら、ちょっと待ってと言いたくなる。

音楽って、CDの中にある情報だけでいいんじゃないですか?

と思うのだけれどどうだろう?

私が理想とするシステムは、アンプもスピーカーも存在を忘れさせるように再生してくれる装置だ。
だから、アンプやスピーカーが自己主張してもらったら困るのだ。

アンプやスピーカーに何がしかの音色を求める人と言うのは、私からすると変なのだ。
例えば、コーヒー出そうとする時の水は、コーヒー豆の味を損なわないようなものがいいと思う。
コーヒーを出すときの水が、何らかの味を含んでいたら、コーヒーそのものの味は損なわれる。

私から言わせたら、アンプやスピーカーに何らかの音色を求める人は、コーヒーを出す水にジュースを使いたい人のようなものだ。
コーヒーが好きな人なら、使う水はコーヒーの味の邪魔をしないものを使いたいと思うだろう。

もちろん、コーヒーにジュースを使うのは個人の自由だが、そう言う人が、CDに記録されている音楽に関心を持つ者に対して「あなたは音楽を聴いていないんだろう(だから、アンプやスピーカーの音がわからないんだ)」なんてことを言い出す。

「そういうあなたは、本当に音楽に関心があるのですか?」
「それとも、アンプやスピーカーの音が音楽だと錯覚しているのではないですか?」

と言いたい。

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2010年10月30日

パソコンがオーディオに急接近

pasoconde.jpg左の写真の本を読むと、パソコンがオーディオに急接近していることがわかる。
ビット落ちが問題となるCDもパソコンにビット落ちしないモードで読み取ることにより、音質の劣化は免れる。
さらに、読みとった音楽データをアップサンプリングすることにより、さらに音質の向上が期待できる。

問題はそうしたデータをパソコンから、アンプへ送ってスピーカーを鳴らす場合、その間の信号の劣化が起こらないようにしなければ意味がない。

そうすると、ケーブルも重要だが、パソコン〜アンプの間に入るDACがそれなりの性能を持っていなければならない。

ということで、これからのパソコンを使ったオーディオではUSB接続のDACが焦点となるだろう。

一方、ネットからの高音質の音楽データを提供するサービスも増加傾向にあり、アナログプレーヤーのメーカーとして有名なLINNがかなり先行しているように見える。

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2010年10月28日

ケーブルを換えてみた

ZONOTONE.jpgケーブルで音が変わるのかという議論は盛んである。
変わることは変わるんだが、それが良い音、気に入った音になるかどうかはわからないというのが、一般論だろう。

私は高価なケーブルに金をつぎ込めるほどのお金持ちではないので、色々試すことはできない。
だが、幸いというか、今年になって私の家へオーディオのアクセサリーを持ち込む人がいて、自宅のシステムが試験台になっている。

今回は、写真のZONOTONEというブランドのRCAケーブルを試してみた。
自宅のシステムは、下の写真のようになっている。
ZONOTONEST.gif

赤の部分がZONOTONEにしたところである。
1.2mの純銀コートのハイブリッドケーブルである。

システムはバイアンプ接続になっていて、コントロールアンプから中高音用のパワーアンプと低音用のパワーアンプに分かれている。
実は、中高音側には先にZONOTONEを試してみた。
情報量が多くなったのと、音の分離がよくなり品の良い音になった。しかし、高音がきつくなりやや刺激的になった。

使用しているうちに、俗に言われるエージングという現象なのか、きつさが和らぐ方向になった。
今回、低音側にこのケーブルを換えても大した効果はないだろうと思っていたが、大きな変化があった。
それは、音量が増したことだ。
導電性がよくなり、その分大きくなったのか?

意外なのは、中高音側も元気になったことだ。
全体に、さらに分離がよくなり、音の見通しがよくなった。

オーディオ用ケーブルには驚くべき価格のものもあるが、このケーブルは効果から考えると、大変良心的な値段だと思った。
このくらいなら、私にも手の届きそうな値段なので、他の部分も順次換えていこうと思っている。

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