2010年10月26日

ジャズ向き、クラシック向きって何ですか?

rapusodi.jpgオーディオ装置の評価に「ジャズ向き」とか「クラシック向き」というのがある。
これは、一体どういうことなのか、私にはわからない。

ジャズ向き、クラシック向きと言う場合、それぞれどういう編成、演奏を想定しているのか?
そもそも、音源がすべてどちらかに分類できるものなのか?

ベートーヴェンの交響曲だったら、典型的なクラシックとわかるし、グレンミラーとかベニーグッドマン、オスカーピーターソンなどだったらジャズでいいと思う。

バーンスタインのウエストサイドはどうなんでしょう?
ガーシュインのラプソディー・イン・ブルーはクラシックにしますか?
でも、ジャズバンドが出てきたりすることもある。

編成の大きさだって、ジャズのトリオもあればビッグバンドもある。
クラシックの弦楽四重奏もあれば、100人を超すオーケストラもある。

ジャズはビートが基本にあるから、ドラムなどパーカッションのリズムが明確に出る必要があるから、そういうことを想定しているのだろうか?
では、クラシックはそういう必要がないのか?

そんなことはない。
ストラヴィンスキーの春の祭典を聴くときに、打楽器が明瞭に聴こえなければおもしろくない。

と、考えてくると「ジャズ向き」とか「クラシック向き」という評価は、何を言いたいのかわからない。
早い話が無責任と感じる。westside.jpgオーディオ装置に得意不得意があるという人がいるが、得意不得意があるというということは、欠点がある、弱点があるということであり、録音内容が正直に伝わらないということでもある。

誤解のないように断っておくが、弱点のある装置が悪いというつもりはない。
そういう装置で満足しているのなら、それは個人の趣味であるから他人がとやかく言うことではないからである。

だが、評価としては、曖昧さがあればあるほど、評価の意味がわからない。
「ジャズ向き」とか「クラシック向き」などとは言わないで、具体的に音源がわかったもの、つまり、試聴したCDやレコードのタイトル、番号を明確にしそれがどう聴こえたかを記述した方が読者には親切だと思う。

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2010年09月11日

マイ柱上トランス

アンプは電源が大切だ。あるメーカーによると、アンプの70%ぐらいウエイトがかかっていると言う。
そのせいで、高級アンプは重い。
重量級の電源部を備えて気がつくことは、アンプの電源は万全でも、自宅の電源はどうなのかということである。
それで、コンセントに目が行き、次にブレーカー、屋内配線ということになる。

でも、これでも完璧ではない。
電力会社から、自宅へ供給されている電源は大丈夫なのかということになる。
しかし、そう考えたところで、これはどうしようもないことだと悟ることになる。

私もそう思っていた。
ところがだ、なんとそこをなんとかしようと考えた人がいたのには驚いた。
そして、自宅まで供給される電柱のトランス、すなわち柱上トランスを買って、自宅専用にしてしまった人がいるのである。
つまり「マイ柱上トランス」なのである。
chujohenatsuki.jpg
柱上トランスまでは、6600Vの交流が来て、そこからトランスで200Vか100Vにダウンして家庭に引かれる。
あの電柱についているトランス1個からは何軒もの家に電気が配られているのだが、自宅専用に1個を使ってしまうということである。

ぼくのオーディオ ジコマン開陳 ドスンと来るサウンドを求めて全国探訪 (P‐Vine BOOKs)
には、そういったとてつもないオーディオマニアのことが書かれていて、おもしろい。

オーディオを追求していくと、とんでもない想像をすることがある。コストパフォーマンス優先の最近の工業製品からみると、オーディオは「音を聴くだけに、なんと大げさな」と思われることが多いようだが、三度のメシも節約してでも実現してみたいという、冒険心をもかきたてるのが、これまたオーディオの一面であり、男のロマンという気がする。

bokunoAudio.jpg

家計のやりくりに大変な奥様から見たら、正常とは思えないことが多いのがオーディオでもあり、そのせいかオーディオの好きな人には、恐妻家が多いと聞く。

ところで、マイ柱上トランスの効果だが、それは絶大という話である。
なにしろ、十数軒は共用できるであろうと思われる20KVAのトランスを、独り占めにしてしまうのだから、凄いことだ。

なにやら、私も勇気が出てきた。

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2010年08月18日

アップ サンプリングと高域補完

フリーのFrieve Audioを使って、アップサンプリングを試してみた。

使ったPCはintel Corei7 8600、4G RAM、1T HDで、サウンドはオンボード。
Asioドライバーを使って、20W×2(4Ω)のデジタルアンプRSDA202にTang Band W3-1319SAという8cmフルレンジで音を出してみた。
なお、メインで使っているオーディオでも試してみた。

FrieveAudio.jpg


これは、ネットでもたくさん見かける情報だが、人の耳に聞こえる高域限界は20kHzであり、CDもそれ以上の高い音は必要ないとして20kHzぐらいから上をカットしてある、というよりCDのサンプリング周波数44.1kHzでは、理論上その半分の値22.05kHzが記録の限界で収録されている・・・それで云々と続いている。

20kHz以上が聞こえ、なんと90kHzまで聞こえるという論文まであるらしい。
こういう超高域は、単独では聞こえないが、可聴周波数の音と一緒の場合音の味付けに微妙な役割をする。つまり聞こえるのだと言う。

そこで、CDを再生する場合、失われた20kHz以上の音を予想解析して付加しようという試みもある。
具体的な製品としてはアコースティック・ハーモネーター (AH-120K)なるものがある。



でも、私のような貧乏人では気軽に買える値段ではないので、宝くじでも当たったらと考えていた。

ところが、今回使用したFrieve Audioでは、その機能が実現できる。
アップサンプリングとともに、この20kHz以上の補完も試してみた。

下の図を見てもらえばわかるが、上は補完前、下は補完後である。

spector3.jpg


spector4.jpg


聴いた感じは、両者を比較すると、補完前の音の方がきつい感じの音がする。
補完すると、滑らかというか聴きやすい感じになる。
多分、これはほとんどの人が違いを感じると思う。

(なお、私の家のオーディオはスーパートゥイーターが接続されていて、150kHzまで再生できることになっている。実測テストではテスト機が100kHzまでしか測れないので、この限界まで測定したたころ正常に再生することはわかっている。)

今まで、特別な装置を買わないと実現できないかと思っていたが、PCのソフトで可能となったことは喜ばしい。

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2010年08月15日

PCオーディオ

CDから音楽をリッピングして、iPodなどの携帯プレーヤーに転送して楽しんでいる人は多い。

私は外出先までプレーヤーを持ち出して聴くということは、ほとんどないので、携帯プレーヤーは持っていない。

それでも、CDの音楽をPCのパソコンへ取り込んで聴くということはある。
その時に使うのが、iTunesやWinAmp、Windowsに付属のMediaPlayerなどである。
私は高音質化に興味があるので、mp3は使わず非圧縮のWAVで、ドライバーもAsioを使用している。

いろいろな場面で使うPCだが、これも高音質化へ向かっている。
最近、その高音質化を飛躍的に高めるアップサンブリングのソフトが、PC用に公開され始めた。

アップサンプリングとは、例えばCDを44.1kのから176.4kに変換するというものである。
具体的なソフトとしては、フリーのFrieve Audioダウンロートでききるので、興味のある方は試してみられるとよい。
これまでは専用のDACやCDPにその機能を内蔵しているものだけの世界だったが、PCの活用でアップサンプリングができることは喜ばしいことである。

ただし、それなりに音の良い環境を整えておかなければ差は感じられない。PCに付属してくるような数千円程度のものでは意味が無い。
私は、現在PCからメインのオーディオへつなぐことを考えている。
この場合、サウンドカードも良くないと意味がない。

64bitのVISTAから専用のサウンドインターフェースを通して、オーディオに接続してみたが、音の刺々しさがなくなって聴きやすい音になった。
しかし、ピンケーブルがあまり上質のものでないので、ややハイ落ちになってしまった。
ケーブルもよくして、環境を整えたいと思っている。

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2010年08月11日

まじめに質問しないでください

オーディオを科学的に解説するというので、すみずみまでまじめに読んで、質問したら敵視されてしまった。

質問にはお答えするとあったので、まじめに質問したのだが、その返事が「あなたの考えは、主観に基づくものであり、何のデータの裏づけがないから・・・」というものであった。

こちらとしては、主観がどうか知らないが、データや根拠が知りたいから質問しているのに、変だなあと思った。

まあ、科学的にと言いながら、解説も変だとは思った。
というのは、いろいろと自分の経験を話しながら、話の最後は「大差ありません」とか「・・・ぐらいで十分です」という締めくくりばかりで、結局は自分の主観を述べているのに過ぎない。

十分とか、大差ないとは、一体誰にとってのことなの?
と言いたい。

自分がそう思っているだけでしょ?

それが科学ですか?

帰する所は、自分が揃えたシステムがいいってことですかね?

何か教祖様のような臭いがしてきました。
興味を示された方は、検索してみてください。

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2010年08月04日

オーディオ用ケーブル

いつのころからか、オーディオのケーブルについての論議が多くなり、雑誌にもよく取り上げられるようになりました。

私としては、高価なケーブルに手を出せるほどの金持ちでもないし、正直言って半信半疑のところもありました。

昨日、来客があり、実はオーディオケーブルをプレゼントされました(RCAケーブルです)。
よく見ると、表示に「純銀製」とあり驚きました。
身分不相応と感じながら、せっかくだからと思い、プリとメイン間をこれに換えてみました。

すると、驚くべき音質の向上がありました。
へえ、こんなに変わるものなのかと感心しました。
どんな風に変わったかというと、全体に上品な音になったという感じです。

高音は、カサカサしていた音のトゲトゲした部分がなくなり、全音域にわたり情報量が増えたと感じました。
中音が少しふっくらとし、耳にやさしい音になったにもかかわらず、スピード感というかメリハリ効いていて、魅力的な音になったと言えます。
Zonotone.jpg宣伝するつもりではないですが、ケーブルにあまり期待していなかっただけに、驚きは大きかったです。

それで、そのケーブルというのは、ゾノトーン RCAケーブル1.2m・ペア SILVERマイスタAC1001-1.2と箱に印刷されていました。




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2010年07月15日

デジタル増幅の仕組み

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デジタル増幅の仕組みが理解できていない人がいるようなので、説明します。
下図を参照してください。

digitalamp3.gif


図中のトランジスタはパワートランジスタです。
Vaは音声のアナログ信号がデジタル信号に変換された電圧です。
これはトランジスタのベースに接続されます。
この時、ベース電流(ia)はごくわずかです。音声のデジタル信号はほとんど電圧の変化だけと言ってよいでしょう。

パワートランジスタのコレクタには大きな電圧(Vb)がかかっています。また、入力側のわずかな音声信号(Va)にもかかわらず大きな電流(ib)が流れています。

入力側の電力(ia×Va)はほとんど電力としては意味をなさない、つまりスピーカーを鳴らすほどの電力にはなっていませんが、出力側の大きな電流(ib)と電圧(Vb)により、電力(ib×Vb)は大きな値になります。
例えば、ib=1(A)、Vb=50(V)の時、電力はib×Vb=1×50=50(W)、つまり50Wのパワーが得られるのです。
これを電力増幅と言います。

増幅率というのは、出力側の数値と入力側の数値を比べて何倍になったかというものですが、この仕組みは入力がデジタルだが出力はアナログなので比較のしようがないので、増幅していると言えないという変な解説をしているサイトがあります。
SoundDesignFanClubです。

このサイトの問題のところを参照させてもらいます。

ここでデジタルアンプという名称について少し考えたいと思います。本来デジタルとは,ある瞬間に信号の大きさを数字で表すものであり,一般的に2 進数で表現できるものです。そしてオーデイオにおいては、これらの数字が正確な時間ごとに連続することが大変に重要です。このアンプでのPWM信号は時間の正確さを付け加えて、はじめて意味のある信号になつてくるのです。またこの信号を,スピーカーを駆動できるだけの電力に変換する,正確な電源を正確な時間で制御する必要があります。この部分は、もはやデジタル技術ではなくハイスピードなアナログ技術といつたほうがよいでしょう。

これらのことから,パワー部の入力信号はデジタルで、出力はアナログ、負帰還回路を通しての信号比較も無いので増幅器ではありません。正しくはデジタルアナログ変換電力供給機器というべきなのです。しかし従来からスピーカーを鳴らす機器をアンプと呼んできた背景もあり、ここではデジタル技術を中心にした,このような機器を慣習的にデジタルアンプと呼ぶことにします。余談ですが、開発当初はパルス・ストリーム・パワー・サプライなどと呼んでいました。


まず、この文の「本来デジタルとは,ある瞬間に信号の大きさを数字で表すものであり」というところから、おかしいのです。
そうかもしれないが、それとデジタルアンプの意味とは違うのです。
デジタルアンプとは、D級動作をするアンプのことです。

図を用いて説明したように、入力も出力もデジタルです。
こういう増幅の仕方をD級増幅と言っていますが、D級増幅はデジタル増幅と同義であり、最後の出力段がD級のアンプをデジタルアンプと言うのです。
定義を勝手に変えてもらっては困るという話です。
posted by dolce at 01:25 | Comment(0) | TrackBack(0) | オーディオ

2010年07月11日

アキュフェーズC-3800試聴会

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アキュフェーズが創立40周年を記念して、発売したプリアンプC-3800の試聴会に行ってきた。
同社のこれまでのフラグシップ、プリアンプはC-2810で1,207,500円(税込)は価格からしても、さすがフラグシップというだけあって、各種試聴会でも使われてきたし、何が何でも最高を所有しなければ気が済まないという人は、手に入れているだろう。

今回発表のC-3800は、どんな位置づけになるだろう。120万のプリアンプというのは、庶民においそれと手を出せるものではない。
では、アキュフェーズは40周年記念として、庶民に手の出せるものを出したのかというと、価格を見てびっくり、1,785,000円(税込)である。
しかも、アナログユニットは搭載していないので、レコードを聴きたい人は別にイコライザーアンプを購入しする必要がある。
同社のイコライザーアンプC-27を購入するとなると、これが52,5000円だから、プリアンプと合わせると、実に2,310,000円(税込)になる。

何でこんなに高いのと思ったが、試聴会に参加してその理由は理解できた。
簡単に言えば、C-3800はC-2810が2台分詰め込まれているということなのである。
2台分の回路を使ってバランス伝送を行なっているということで、それによってノイズを打ち消すことができるというのがこのアンプのコンセプトである。

また、ボリュームコントロールがC-2810でも抵抗による制御を廃したAAVA回路が採用された。
C-3800ではそれをさらにバランス回路にし、入り口から出口まで全段バランス構成になった。
AAVA回路の改良だけで、ずいぶんたくさんのアンプを使用したため、内部を見ると電源回路が大きく場所を占有し、まるでプリメインアンプかと思わせる。

さて、それまで贅沢な構成を採用した成果だが、今回の試聴会ではよくわからなかった。
というのは、試聴に使われたスピーカーのキャラクターが強く、もともとすでに高水準であったC-2810との差は埋没してしまったように思う。

贅沢な装置を使いながら、スピーカーだけが暴れていたという感じであった。
自宅に持ち帰って、現行の装置とプリアンプを交換したら、多分よくわかるのではないかと思う。
だから、興味のある方は試聴機を貸してもらった方がよいと思う。
posted by dolce at 19:59 | Comment(0) | TrackBack(0) | オーディオ

2010年06月21日

評論家は大変ですね

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某オーディオ誌にFOSTEX GX100と真空管アンプの組み合わせが書いてあった。

GX100の能率は82dBである。組み合わせ例の真空管アンプは12W×6である。

GX100については検証したが、能率が低いので、相当にパワーを入れなければ使いこなせないと想像できる。
通常90、91dBと言ったスピーカーが多い中で82dBはかなり能率が低い。

念のため、確認しておくと、能率が3dB低いと、同じ音量を出すのに、アンプのパワーは2倍必要となる。
91dBとの差なら9dBの違いがある。これは8倍アンプのパワーが必要となるのだ。
91dBのスピーカーが10W必要な場合、82dBのスピーカーでは80Wで同等となる。

GX100の許容入力は100Wである。これを考慮して、どれほどの音量まで出せるかというと、100dBぐらいが限界であり、この時のパワーは64W必要である。

と言うことは、GX100をフルに活躍させようとすると、64W×2以上パワーの出るアンプが欲しい。
なのに12W×2のアンプを組み合わせるとは何事か?
GX100に12W×2のアンプでは、最大でも92dBぐらいまでしか音量は出せない。しかも、これでは限界で音は歪っぽくなるだろう。

大体、能率の低いスピーカーと低パワーのアンプとの組み合わせはよくない。
つまり、能率の低いスピーカーに真空管アンプを組み合わせるべきでない。
もっとも、100W以上も出る真空管アンプなら話は変わってくるが、通常の真空管アンプは、数ワットから10数ワットといったところだ。

真空管アンプを基準にしたら、能率のよいスピーカーと組み合わせるべきである。
例えばFOSTEXのFE208ESなどである。
FE208ESなら能率が99dBもある。このスピーカーなら16Wの入力で110dBを超える音量を出すことが可能である。
許容入力も100Wあるから、余裕である。

fe208es_kansei2.jpg実際に、FE208ESを指定のバックロードホ−ンに取り付けて試してみたところ、10数ワットのパワーの真空管アンプで力強い音が出てきた。

GX100と組み合わせるアンプは例えば、LUXMANのL-507uあたりが適当と思う。
(このアンプは110W×2(8Ω))

オーディオ誌を読みすぎて、記事を鵜呑みにしないことが大切と思う。
評論家にしてみれば、メーカーからなにがしをもらって、推薦の記事を書かなければならないという事情もあるだろうから。

昔は、オーディオ誌といえば、技術的な記事や製作記事が多かったが、近年はカタログ誌のようになってしまった。
雑誌社の方がメーカーに貢がせて、その代わり掲載してやるということも実際あるようだ。

しかし、そういう雑誌社や評論家氏などには無関心なメーカーもある。
オーディオ誌にとりあげられなくても、広告に載らなくてもよい製品はあるということは承知しておいた方がよいだろう。

posted by dolce at 21:21 | Comment(0) | TrackBack(0) | オーディオ

2010年06月17日

具体的にスピーカーを選んでみる

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先回、アンプのパワーはどれほど必要かということで、考え方を述べたが、今回は具体的にスピーカーを選定して検証してみよう。

■ FOSTEX GX100

GX100m.jpgこれは人気機種である。ユニットの質がよく、メーカー小売希望価格49,875円(税込)は安いとの評判である(価格comでは39,000円)。

メーカー発表規格
形式 2Way、バスレフ型(クロスオーバー:2kHz)
出力音圧レベル 82dB/W(1m) /2.83V入力時:83.5dB(1m)
再生周波数帯域 55Hz〜45kHz(−10dB)
最大許容入力 100W
使用ユニット 20mmマグネシウム合金TW(高音用)、10cmHRアルミニウム合金WF
インピーダンス
外形寸法 160(W)×262(H)×225(D)mm
総重量 5.6kg
エンクロージャー素材 楠/ユーカリ合板(バッフル板)、MDF(裏板)
仕上げ メープル天然突き板、光沢塗装仕上げ

このスピーカーのインピーダンスは6Ωである。
通常8Ωが多く、アンプも8Ωでのパワーが発表されている場合が多い。

では、8Ωでの発表値のアンプに6Ωのスピーカーをつなぐとどうなるかということだが、これはアンプにとって何か良くないかというと、そういうことはない。
しかし、アンプのパワーは変化する。
どう変化するかというと、トランジスターアンプの場合、負荷(スピーカー)のインピーダンスとパワーは(おおむね)反比例の関係にある。
理想のアンプであれば、8Ωの負荷が4Ωになれば、パワーは2倍になる。6Ωなら1.5倍になる。

つまり、理想のアンプは定電圧回路になっていると考えればよい。
負荷のインピーダンスがどのように変化しようが、常に一定の電圧を保ち続けるということである。

P:パワー(W)、I:電流(A)、E:電圧(V)、R:インピーダンス(Ω)、
とすると。

消費電力は、通常

P=IE・・・・@

と表されるが

オームの法則より

E=IR

なので

I=E/R

として、これを@へ代入すると

P=(E×E)/R

となり、E×Eは一定であるから、PとRは反比例の関係になる。

Rが0に近づけば、Pは∞に近づくことになるが、実際のアンプではトランジスタの定格の制限でそうはならない。
だから、アンプの負荷抵抗がむやみに小さくなることには注意しなければならない(アンプが故障する恐れがある)。

アンプにはスピーカー端子が2組ついているものがある。
2組のスピーカーを切り替えて使えるようにしてあるのだが、両方同時につなぐことのできるようになったスイッチもある。

インピーダンスが8Ωのスピーカーを2組つなぐと、並列接続になりインピーダンスは半分の4Ωになる。
すると、理論上はアンプのパワーが2倍になるのだが、問題は2倍パワーを出すだけの余裕がアンプにあるかだ。

アキュフェーズのM-6000に例をとってみる。

AccphaseM-6000
定格連続平均出力(20〜20,000Hz間)
1,200W/1Ω(1Ωは音楽信号に限る)
600W/2Ω
300W/4Ω    
150W/8Ω


8Ωで150Wの出力だが、インピーダンスが半分になるごとに、出力は倍、倍となっていて、1Ωではなんと1,200Wを保証している。
出力をみれば、理想的なアンプである。

ところで、FOSTEX GX100に話を戻す。

インピーダンス6Ωというのは、どの周波数におけるものなのだろう?
オーディオでは20Hz〜20KHzの低周波を取り扱うのであるから、ただインピーダンス6Ωと言っても、これだけでは意味不明である。

gx100imp2.jpg


図のインピーダンス特性を見ると、6Ωというのは一番低い値を表していることがわかる。
スピーカーの規格としての、インピーダンスは、通常20Hz〜20KHzの間の一番低い値が発表してある。


ということは、規格として発表してあるインピーダンスが一番低いのであるから、この値を考慮していれば、アンプの動作が危険水域に達することはないと考えられる。

また、FOSTEX GX100の能率は82dBとある。
通常のスピーカーとしてはかなり低い方である。
このスピーカーで110dBの音量を出すことを目標として考えてみる。

110-82=28
28÷3=9.33・・・
2の9.33乗≒643.59(W)

となって、アンプに643.59Wの出力が必要になるという計算になる。
ところが、最大許容入力 100Wと規格にあるので、643.59Wもの出力を入れると壊れてしまう。


つまり、GX100では110dBの音量は無理ということである。

では、このスピーカーでは何dBまでの音量が出せるかというと、逆算すれば、大体100dBぐらいになる。

100dBはかなり大きな音量だが、大音量のロックコンサートが115dBと言われているので、家庭でこのスピーカーを使ってロックコンサート並の音量を出そうとすると、スピーカーが壊れる恐れがあるので、注意すべきである。
しかも、この限界の100dBはスピーカーからの距離が1mなので、2m、3mと離れたら、音量は2乗に反比例して小さくなるので、離れて聞く場合にはさらに音量に注意しなければならない。

ということで、スピーカーの能率は重要である

結論から言えば、高能率で許容入力の大きいスピーカーほど使いやすいということになる。
能率が悪かったら、それだけ許容入力が大きくないと使いにくい。
posted by dolce at 19:23 | Comment(0) | TrackBack(0) | オーディオ

2010年06月15日

アンプのパワーはどのくらい必要か?

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私のパワーアンプ(メインアンプ)にはワットメーターがついている。
それを見ていると、かなり大きな音だと思っても1Wを超えることはめったにない。

すると、アンプのパワーはそんなに必要ないように思える。
1Wそこそこで十分なら、余裕をみてもせいぜい数ワットもあればよいように思う。
実際、そういうことを書いた記事は多い。

ここで、W数だけ云々しても話にならないということは、少し知識のある人ならわかる。
それは、W数というのは音の大きさではないからである。
実際の音を出すのはスピーカーであり、どのくらいの大きさが出るかはスピーカーの能率にかかっている。

具体的には、スピーカーの規格をみると、90dB/Wなどと書かれている。
これは、スピーカーに1Wの入力信号を入れると、1m離れたところで90dBの音量が出るという意味である。
(1Wの入力ではなく、2.83Vの入力と書かれているカタログもある)

90dBというのは、代表的なスピーカーの規格であるが、これは現実にどのくらいの音量なのだろう。
かなり大雑把ではあるが、ガード下で電車の通過音を聞くぐらいだと思えば、およその検討がつく。

私の使っているスピーカーは92.5dBなので、ワットメーターが1Wを示しているというのはかなり大きな音だということがわかる。

人が耳が痛いと感じる音量は120dBと言われている。
ということは、120dBを超える音量を再生することは考えなくてよいということになる。
音の大きいロックコンサートでは115dBという資料もある。

では、本題のアンプのパワーはどのくらい必要かという話になるわけだが、これはスピーカーの能率に関係があるとわかる。

ここで再生したい最大音量の目標値を110dBとしてみよう。
わかりやすいのは、スピーカーの能率が110dBなら、アンプは1Wでよいということになる。

だが、今日、そんなに能率のよいスピーカーは珍しい。
(スピーカーのボックスを、ホーン型にすると能率はよくなるが)

私が紹介する、わかりやすいと思う計算方法は、スピーカーの能率が3dB低くなると、同じ音量を出すのにアンプのパワーは2倍必要になるというのを基準にするという方法である。

前提→110dBを最大音量の目標値とする。

(1)スピーカーの能率→101dB
110-101=9
9÷3=3
2の3乗=8
アンプの必要パワー=8W

(2)スピーカーの能率→92dB
110-92=18
18÷3=6
2の6乗=64
アンプの必要パワー=64W

(3)スピーカーの能率→89dB
110-89=21
21÷3=7
2の7乗=128W
アンプの必要パワー=128W

(4)スピーカーの能率→86dB
110-86=24
24÷3=8
2の8乗=256
アンプの必要パワー=256W

いくつか計算例を挙げたが、86dBのスピーカーでは、実に256Wのアンプが必要になるということがわかる。

でも、いつも最大音量で聞くわけではないので、そんなに必要ないだろうという考えも出てくる。
ここで、アンプの出力と歪率の関係を考えてみよう。

SyutsuryokuHizumi2.gif


アンプは出力の限界付近で急激に歪が増す。
歪が増すと音が汚くなるだけでなく、歪み成分の中には多くの過大な高調波が含まれていて、これがスピーカーを破壊する原因になることがある。
つまり、出力に余裕のないアンプはスピーカーを壊しやすいということを知っておくべきである。
図でわかるように、出力の小さいアンプほど、急激に歪が増大する値に近づきやすい。

ところが、解説によっては、反対のことが書いてあるものがある。
出力の大きいアンプはスピーカーを壊しやすいと書いてあるのであるがこれは要注意である。


また、せいぜい1Wぐらいまでしか出さないなら、100Wも出るアンプで聞くより、8Wのアンプで聞く方が音はずっときれいであると説明しているものもあるが、これも全く反対であるやはり要注意。

このような説明をしている人には、どうも真空管アンプをすすめたい人に多いような気もする。深読みすれば、真空管アンプがパワーを出せないからかと思ってしまう。

昔はそういうアンプがあったかも知れない。しかし、現在のオーディオ用アンプは大きなパワーの出せるアンプが小出力でも音がきれいである。

現代は86dBという能率のスピーカーも少なくない。
先の計算例のように、このようなスピーカーでは256W必要なのだ。
posted by dolce at 21:25 | Comment(3) | TrackBack(0) | オーディオ

2010年06月01日

MP3で満足できますか?

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assyuku2.jpg今日のオーディオの一つの分岐点は、MP3で満足できるかどうかだと思います。

MP3で満足できる人が多いからiPodも売れるんだと思います。
iPodは音がいいとある人が言うので、聴かせてもらいましたが、私は満足できませんでした。

何か物足りない、ちょっと冴えないなあと感じるときは、MP3のような圧縮がされている時なんですね。
しかし、私はMP3やiPodがダメだと言っているわけではないんです。

会話の録音や語学の勉強のための記録なら、非常に便利です。
しかし、音に対するうるさ方には納得されないと思います。

自分が所有している多量のレコードをすべてMP3に変換して、レコードは処分してしまったという人がいましたが、私はとてもそんな気にはなれません。

もっとも、私の音楽鑑賞のスタイルとしては、外に持ち出して聴くということはないし、そうしたいという気持ちもありません。

私としては、これからMP3レベルの機器が多くなって他が少なくなっていくことを恐れています。
自宅には38-2Tのオープンデッキがありますが、これでマスターテープを聴くと時代は変わったものの、依然として高いレベルにあると感じます。

いずれにしろ、MP3レベルで止まっているなら、今のCD録音技術のレベルから上げる必要はないと思うので、オーディオ機器もそこそこでいいと思ったりします。

そういう意味ではMP3は一つの分岐点と感じるのです。
posted by dolce at 20:48 | Comment(0) | TrackBack(0) | オーディオ

2010年06月01日

オーディオ入門を脱したい人へ

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gentenkaiki.jpg読み始めたら、これは哲学の本なのか?と思った。しかし、読み進んでいくと通常のオーディオのことが書かれていたので安心した。

私はオーディオマニアとは言われたくない。それは、オーディオは私にとって音楽を楽しむための道具に過ぎないと思っているからだ。
いや、音楽を勉強するための道具とも言える。
時にはスコアを参照しながら聴いたり、自分の演奏を再生して反省したりの便利な道具だ。
だから、オーディオが自己主張してもらっては困るのだ。

ところで、オーディオに入れ込んでいる人の中には、自分がそれなりの権威でありたいと思っている人もいるようだ。
それ自身何も悪いことではないと思うが、そういう人の中で、時にとんでもないことを言い出す人がいるのには呆れてしまうことがある。

例えば、CDを聴くときに、CDをトレイに収めてからもう一度トレイを開けて再度CDを設定する、つまり2回セットすると音がいいと言われている。
その理由として、2回セットするとCDが真ん中にセットされるからですと言っている人がいた。

おいおい、何を考えているんだ頭大丈夫かと思った。
2回目に必ず真ん中にセットされるという保証があるのか?
1回目がよくて2回目が悪いということもあるだろうと思った。

大体、CDプレーヤーのトレイってそんなにいい加減に作ってあるの?と言いたくなった。

デジタルアンプならではのS/N比の良さですなんて言っていた人もいる。
デジタルアンプの仕組みがわかっていないから言えるのだろう。

自分がオーディオの権威になりたかったら、少しは電気回路やデジタル技術、音響光学を勉強したらどうかと思う。

神のお告げのようなことを、初心者に、いかにも知ったかぶりで説明するのはやめてもらいたいものだ。
そんなことをありがたく拝聴して信じているとしたら、そこはもう新興宗教のようなものである。

オーディオで自分は何らかの権威づけをしたいと思っている人に、本書をすすめたい。

本当は、本書を読んで、知ったかぶりをしないのが最もよいと思う。
あるいは、読んでおいて、教祖様の話を聞くのもおもしろいかも知れない。

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posted by dolce at 14:29 | Comment(0) | TrackBack(0) | オーディオ

2010年05月28日

オーディオが元気だった頃

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オーディオが元気だった頃は、世の中に活気があったような気がする。
オーディオに関心があろうがなかろうが、そんなことに関係なく勢いのようなものが感じられた。

今、世の中は節約、ムダ、効率などの言葉が飛び交っていて、それがビジネスの中心となろうとしいるとも言える。
そんな中にあっては、オーディオほどムダを背負っているものは少ないだろう。

オーディオファンは、いつムダのやり玉にあがるかとヒヤヒヤしている人もいるのではないか?
大体、効率の悪いアンプほど音が良いという傾向にあるし、重いものが音が良いというのも言えることである。

しかし、人間という生き物は効率一辺倒で生きられるものかとも思う。
効率一辺倒でやる気が失せたら、生産効率も悪くなるのではないかと思う。

どういうわけか、女性でオーディオに関心を示す人は少ないように思う。
何故かわからないが、そういう意味ではオーディオには男のロマンがあるようにも思える。
例えば、CDをガラスで作ったら音が良くなるのではないかという発想があると、それをすぐに実現してしまうというところがある。
そんなことは何でもないことだろうと思う人がいるかも知れないが、実際、発売されたガラスのCDは20万円だった。

オーディオメーカーとして有名なパイオニアも、このところ元気がない。
かつては、パイオニアが総力を挙げて作ったオーディオ製品にはEXCLUSIVEというブランド名をつけて発売したが、1983年に発売されたレコードプレーヤーは65万円した。
その頃の大学卒の公務員給与の初任給を人事院が97,000円という勧告を出しているので、いかに高いものであったかということである。

パイオニアの社員に聞いたところ、今はとてもそんなものは作れないと言う。

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2010年05月26日

自分の生活のテンポに合うオーディオ

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世の流れで、機器が変遷していくのは仕方がないが、音の良い悪い、高忠実度といって判断を超えて、自分の生活のテンポと合うというか波長が合うという機器がある。

録音の媒体は、今やメモリーになってきている。
便利ではあるが、これでいいのか?
何か足りないのでは気がしていた時に、2T-38を持ち出して聴いてみると、これがいい雰囲気なのである。

そうだ、これが私の生活のテンポだという気がする。
喫茶店はたくさんあるが、こういう機械を使っていたら、洒落た店だと思うのだがどうだろう。



必要な機能は備えているし、性能もいいが必ずしも心の安らぎに繋がらないということに気がついたように思う。
posted by dolce at 20:19 | Comment(0) | TrackBack(0) | オーディオ

2010年05月20日

スーパートゥイーターは聞こえないように鳴らすのがコツ

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PT-R100.jpg
スーパートゥイーターは高価なものが多いので、認識できるほどに鳴らしてみたいと思うのではないか?

しかし、そうするとまず嫌になると思う。

スーパートゥイーターの効果は、それ自身を聴かせることではなく、混変調歪や位相を補正することだと考えれば理解しやすいかと思う。

もっとも、スーパートゥイーターを追加すると言っても、20kHz以上からきちんと受け持たせるなんて芸当は普通ではできないので、ネットワークを入れて20kHzから6dBoctまたは12dBoctでつなぐことになる。

そうすると、トゥイーターとスーパートゥイーターが重なって帯域を受け持つことになる。
その時、スーパートゥイーターの方の音量が上回ってはいけない。

トゥイーターとスーパートゥイーターの能率が違うとき、アッテネーターを入れて音量を加減するという方法があるが、その場合はアッテネーターを信号が通過することで、音質に害を与える可能性もある。

そういう懸念を感じるなら、ネットワークはコンデンサー1本(6dBoct)にして、クロスオーバー周波数を加減することで、実質、音量のバランスを考えるという方法がある。

私はこの方法をとっている。

こういう場合、コンデンサーをおごって、良いものを使うようにしたい。
私が一番気にするのは、絶縁の良さである。
絶縁が悪いと、スーパートゥイーターに低い周波数が流れて、故障の原因になる恐れがある。

間違っても、容量があっているからといって、ペーパーコンデンサーだけは使わないようにしよう。

古くて得体の知れないものも敬遠することはもちろんだが、できれば絶縁テストをした方がよい。

posted by dolce at 23:22 | Comment(0) | TrackBack(0) | オーディオ

2010年05月13日

スーパートゥイーターが戻ってきた

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EAS10TH1000.jpgスーパートゥイーターを使っていたのだが、ある日、片方が鳴っていないのに気がついた。
THECNICSEAS-10TH1000である(左の写真)>。

型式 リーフ型トゥイーター
最大入力 100W
V.Cインピーダンス 8Ω
周波数特性 4kHz〜150kHz
出力音圧レベル 95dB/m
総磁束 260,000maxwell
重量 3.6kg




高域が150kHzまで伸びでいる、文字通りのスーパートゥイーターである。
人の耳の高域可聴限界が20kHzまでなのに、なぜそれを上回る帯域が必要なのかについては、いろいろ論じられているところがある。

とりあえず、その論議はともかく、はずすと物足りないということはこれまで感じていた。

今まで、システムを整備してきて、この方向でいいんだなということが私なりにわかってきた。ずいぶんムダな回り道もしたと思うが、これからはそんなにブレることはないだろう。

真空管アンプは趣味性で、その独特な音に興味はあるが、レコードやCDなどの情報を漏れなく忠実に再生しようという方向では、落第となった。
だから、有名な真空管アンプはオークションで売ってしまった。
結構な値段で売れて、そのうえ落札者からは感謝の電話もあった。

話を元に戻すと、TEHCNICS EAS-10TH1000がなかなか手に入らない。
中古を扱っているオーディオ店ではすべて売約済みになっている。この上はオークションで辛抱強く待つしかないと思った。
それで、待ったかいがあってこのほど、運良く手にいれることができた。

出品者が良心的に、測定データをつけてくれた。
それだけで、結構、お金がかかったという話だった。

現在の私のシステムは、バイアンプでウーファーは1台のステレオアンプで駆動し、中高をバイワイヤーで接続し同じステレオアンプで駆動している。
そこに、今回のスーパートゥイーターをトライワイヤーで接続した。

クロスオーバー周波数をどうしようかと思ったが、10kHz(6dB OCT)でやってみると、スーパートゥイーターが聞こえ過ぎてしまうので、計算式より実際に試して聴感で決定することにした。
結果は0.82μFのコンデンサーを直列につなぐことにした。
正相とか逆相とかの話もあるが、正相でつないだ。

インピーダンスが8Ωで0.82μFだと、クロスオーバー周波数は、およそ25kHzあたりになると思う。可聴限界をはるかに超えている。
今日、来客があって聴いてもらったところ、スーパーツィーターに耳を近づけても何も聞こえないと言っていた。

ところが、システム全体の音は一変した。
本当にすごく変わってしまったのだ。
どのように変わったかと言うと、なんと中低音が元気になったこと。
全体にやや曇り空の天気が晴天になったという感じだ。

オーケストラがff〜fffの時、トライアングルが埋もれずきれいに分離して聴こえるのは理解できるとしても、低音が元気に張り出してくるのは驚きだった。
コントラバスが上の音域を支えているがよくわかることや、グランカッサ(大太鼓)が、今までとボリュームは上げていないにもかかわらず強烈な迫力で迫る。
ティンパニーが明瞭に浮き出てくるのも大きな変化である。
撥がまさに皮に接触するという感じの音までわかる。

ということで、スーパートゥイーターの効果は高域だけではないということを強調しておきたい。

ところで、この効果の原因は混変調歪の低減効果位相の補正効果ということである。

stereo.jpg
posted by dolce at 22:36 | Comment(0) | TrackBack(0) | オーディオ

2010年05月01日

オーディオは人格を表す

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Audioikidonyumon.jpg「オーディオは人格を表す」というのは、音楽がもっと楽しくなる オーディオ「粋道」入門にある言葉だ。まさにそのとおりと思った。
著者はオーディオマニアを自認しているが、私がイメージするオーディオマニアとはちょっと違う。

私がイメージするオーディオマニアとは、もっぱら機械に没頭する人たちであり、常に装置のどこかをいじっていなければ、落ち着けないような人たちである。
オーディオのセットは音楽を聴くものであるから、一応音楽は聴くのだが、どうしても機械そのものの方に比重がかかっている人たちである。

だが、著者はそうではなく、音楽を聴くために装置にお金をつぎ込んできた人である。
私はこの本を手にして、読み始めたとき、思わず「そうだ、そうだ」とこころの中でつぶやいた。

著者は文才があり、私がいいたいと思うことをずいぶん的確に表現している。

オーディオの世界には「音は人なり、人は音なり」という金言がある。・・・いっときオーディオに取り憑かれたことがある。・・・オーディオのことしか考えられなくなっていた。服装には構わず、街歩きもせず、Y野家の牛丼を喰らい、寸暇を惜しんでオーディオに邁進した。しかし、その頃の私の音はよくなかった。
余裕がなく、遊びがなく、どこかギスギスしていた。そうじゃないんだ。オーディオにとって大切なのは、オーディオ以外のところにあるんだ。
・・・ならば、オーディオから外れた部分で最も大切なものは何か。美しいものを視ることも、恋をすることも、衣食住に凝ることも、自分のオーディオに栄養を与えてくれる。・・・

私流に言い換えれば「教養人でなければ、音はよくならない」と言うことだ。
いろんな人のオーディオを見せてもらったり、音を聴かせてもらったりすると、そのオーディオセットがその人の全人格を表しているようだと前々から感じていた。

それは、高価な装置を揃えている人の人格が高いというものではない。
そこにはつつましく、どこと言って平凡に見える装置から感動的な音が出てくることがある。
そういう場合は、見栄は張らないが押さえるところはしっかり押さえていて、まさにその人なりという感じがする。

一家の柱としてのお父さんの雰囲気が漂ってくることもある。
オーディオから「家族を大切にするお父さんなんだ」ということもわかってしまう。

オーディオは人を表す。
posted by dolce at 20:31 | Comment(2) | TrackBack(0) | オーディオ

2010年04月30日

オーディオに如何ほど金をかけるか

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AudioJikoman.jpg1960年代のオーディオ華やかりし頃からすると、現在は低調である。
大メーカーも次々と、規模を縮小したり撤退したりしている。

それでも、火が消えそうということもない。
それどころか、超高級な製品も作られている。

今年になって早々、驚いたのは、1600万円のアナログプレーヤーが発売され、それも初期の10ロットはこれも早々に完売したということである。

お金持ちはすごいなあと思う。

私はそんな人達の足元にも寄れないが、生活必需品の家電には躊躇しても、それよりかなり高いオーディオ製品なら触手が動いてしまう。

何万円もするスーパーツィーターは買って、昼食は吉野家の牛丼といった生活である。
それでも、オーディオは楽しい。
好きなときに、眼前に演奏者が現れるような音を聴いたとき、幸福感を感じる。

だが、私はオーディオそのもの機械的な美も楽しいと思うが、それより装置を意識しないような再生ができたらいいと思う。
それなら、生のコンサートに出かければよいのだが、時間と金の都合を考えたとき、生活サイクルにうまく合わない時があるので、オーディオをやめるわけにはいかないと思う。

人によって、オーディオが生活に占める割合は違うだろうが、手軽に音楽を楽しむための装置として、どれほどの投資をしたらよいのだろうかと考えるこのごろである。
posted by dolce at 21:48 | Comment(2) | TrackBack(0) | オーディオ

2010年03月21日

microlabのスピーカー改造

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microlab.jpg このスピーカーはパソコンのモニター用として売られていた。
安くて高音質という評価が巷に流れているが、全体にモヤーッとした解像度のない音で、質が高いとは言えない。
サブウーファーがついていて、これが邪魔になるほど出しゃばる感じである。

もっとも、これが好きだとという人はそれでいいのだが、あらゆるソースに対して正直に音を出してほしいと願う私にとっては不満である。
でも、実売価格 5千円台でよく商品化したなあと関心はする。

パソコンもHiFi化と称して、TangBandの8cmフルレンジとデジタルアンプを紹介したが、TangBandのスピーカーをさらに2つ買ってしまったので、これをmicrolabのユニットと交換しようと思った。

TB_W3-593SG.jpg使用したのは、前回の竹繊維混入のユニットではなく、従来から発売されているW3-593SGという型番のスピーカーである。
メーカー………………Tang Bamd
インピーダンス………8Ω
再生周波数帯域………110Hz〜20kHz
出力音圧レベル………86dB
Qts ……………………0.57
入力……………………15/30W
バッフル開口径………76mmφ
重量……………………0.62kg

8cm口径のフルレンジで、スペックからは低音が出そうにないが、実際鳴らしてみると、歯切れのよい低音がかなり出て、miclolabのサブウーファーはかなり音量を絞った。

音は明瞭度が増し、きめ細かくなった。オーケストラの編成もよくわかるようになった。

小口径のユニットでは低音が出ないという先入観を持っている人もいるようだが、なぜ、8cmという小口径のフルレンジを作るのかというと、それはそれなりの意味がある。
低音楽器に弱いかというと、そんなことはない。

コントラバス協奏曲を聴いてみると、大きく鈍重なスピーカーより表現力があり、奏者の表現がよく伝わってくる。

音楽ではいかに中高音の質が大切かがよくわかる。
ある人が、ダイヤトーンの有名なユニット、P-610とこのスピーカー(TangBand/W3-593SG)と交換してみたところ、こちらの方が気に入って、ずっと使っているということである。

mi1.jpgmicrolabのユニットをはずしたところ。










mi2.jpg

交換が終わった写真(上のスピーカー)
posted by dolce at 17:44 | Comment(0) | TrackBack(0) | オーディオ

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