ここで、平均律と純正律について触れておかなければなりません。
前回と同様、長音階に基づいて説明する。

音と音の高さの間隔を表す方法として
セント(cent)という単位があります。セントは1オクターブを1200セントとし、1オクターブの間には半音も含むと、12個の音がありますから、1200÷12=100で
半音は100セントということである。
従って、1セントは100分の1ということになり、これが音程を表す単位としては最も小さい単位ということである。
ピアノの調律は、このきまりによって調律されているので、半音の間隔はすべて100セントである。そしてこの調律法を
平均律での調律という。
しかし、平均律を用いて和音を鳴らすことは、
倍音系列からすると、音程に誤差を生じるので美しく響かない。
それで、ピアノを純正律で調律したらという考えも出てくるが、そうすると、純正律では
[半音+半音≠全音]であるし、
純正律の全音は204セントと182セントの2種類があって、転調した場合、転調前の音と転調後の音が楽譜上は同じでも、実際の高さは変わってしまう。
つまり、純正律で調律したピアノはハ長調しか弾けないことになってしまうのである。
従って、誤差を承知の上で、どの調でも対応できるように平均律が採用されているのである。
ちなみに、平均律の半音が100セントであるのに対し、純正律の半音は112セントとやや広い。
posted by dolce at 23:34
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