2010年09月25日

究極のオーケストラ超名曲 徹底解剖66

kyukyoku_orch.jpgオーケストラの名曲を66曲選ぶのには、人によって違いはあると思うが、そのこだわりは別として、クラシック音楽に精通したいと思う人、そしてその録音を手に入れたいと思う人には、よい指標になると思う。

名曲解説事典として、推薦レコード(CD)も併せて載せている本もあるが、この本はこの種の解説本としては、やや趣きを異にしている。
選定した名曲を、何人かの評論家が分担して解説しているが、かなりの数の録音を聴いた上で、しかもスコアを原点版から現在出版されているものとの違い、またそれらを指揮者がどう採用し、どう解釈しているか憶測を含めて解説している。

憶測となる部分は、作曲家はもちろん、指揮者の多くは他界しているので確固たる根拠のないものもあるのでしかたがないが、なるほどと思わせるものがある。
さすが、評論を職業にしているだけのことはあると感じさせる。

それぞれの評論家が、自分の解説した曲について推薦盤を3枚挙げている。
それらを見て、自分のライブラリーと比較してみると、一致しているものもあるしそうでないものもある。
それは特に大したことではないが、推薦の根拠を読むと、自分の観点と違ってそれもまた参考になる。

概して、自分が一番始めに手に入れたレコードやCDには思い入れがあって、自分としてはベストレコードにしてしまう傾向があるのかなとしばしば考えることもある。

しかし、やっぱりそうなんだというものもあって、考えが一致すると嬉しいような気もする。
それらを逐一説明する余裕もないが、一例として挙げるなら、ストラヴィンスキーの「春の祭典」はずいぶんたくさんの録音があるにも関わらず、1969年録音のブーレース指揮、クリーヴランド管弦楽団のレコードがベストだと思ってきた。

録音技術も進歩し、レコードのダイナミックレンジをはるかに超えるCDを持ってしても、演奏の緊張感、切れ、迫力が古いレコードの方が優って聴こえるのは不思議だ。
ブーレーズは23年後(1992年)に、同じオーケストラで、デジタル録音(CD) しているのだが、それでもレコードの方に、私も軍配をあげる。
もっとも、他の評論ではデジタル録音のCDの方をベストにしているものもある。

これからライブラリーを増やそうとする人、すでにたくさんのライブラリーを持っている人、ともにこの本を読みながら参考にすると、よりクラシックに精通する一助になるものと思う。

harusai1.jpgharusai2.jpg


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2010年02月08日

ソナタ形式

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交響曲を漫然と聴くのも悪くないが、ソナタ形式を知っていると、より興味が増すと思う。

ソナタ形式は中学校の音楽で学んだと思うが、どういうわけか、学校音楽というと良い思い出がない人が多いようで、音楽の授業のことは覚えていないようである。

ソナタ形式で書かれている交響曲は多い。
音楽は理屈で聴くものではないという意見も否定しない。

だが、ソナタ形式を知っていると、長い交響曲も聴いていていつしか眠ってしまったということがなくなるかも知れない。

「ソナタ形式」で検索すれば解説はたくさん出てくるだろうが、簡単に説明すると

================================

1.序奏

2.主題提示部

・第1主題
・第2主題

3.展開部

4.再現部

・第1主題
・第2主題

結尾部

================================

となっている。

こう書くと硬くて嫌になりそうだが、何のことはない、これはドラマ(映画)と同じだ。

映画は

================================================

さあ今から始まりますよ・・・・・序奏

主題提示部
主人公の登場・・・・・・・・・・第1主題
主人公の愛人登場・・・・・・・・第2主題

事件が起こる・・・・・・・・・・展開部
・主人公が愛人の危機などに、勇敢にも登場し悪人たちと戦う

主題再現部
主人公が悪人をやっつけて復活・・第1主題
救った愛人も無事救出・・・・・・第2主題

めでたしめでたし・・・・・・・・結尾部

================================================

となっている。

音楽の世界も映画も男と女だ。

交響曲で退屈する人は、こんな視点で聴いてみたらどうだろう。

2009年02月24日

オーケストラ入門

オーケストラ入門.jpg
図書館でおもしろい本を見つけた。
残念ながら、この本は現在入手困難なようだ。

本の内容は、単なるオーケストラの解説書ではなく、これからオーケストラを体験してみたいと思っている人を対象にしているものだ。

音楽が好きで、オーディオ装置で鑑賞するのもよいが、実際にオーケストラの楽団員になって演奏者の経験をしたいと思っている人もいるのではないかと思う。

いやあ、やってはみたいけど、何も楽器は練習してこなかったし、楽譜も読めないし・・・と思っている人もいるだろう。

プロになるためには若いときから練習する必要があるだろうが、自分の住んでいる近隣にアマチュアオーケストラがあったら、オーケストラの楽団員になることはそんなに難しいことではない。

ここで「今から始めて上手くなる楽器とオーケストラ」・柏木真樹(著)
に書いてあるあらましを紹介すると、オーケストラに入門するには、まずどんな楽器を選択したらよいかということが説明してある。

木管楽器

オーケストラでは必ずと言ってよいほどソロが出てくる。
だから、アマチュアオーケストラと言えどもベテランが多く、しかもオーケストラで必要とする人員は各楽器2人ずつということで、競争率も高い。

これから楽器を始めようとする人には、敷居が高いということである。
特にフルート、クラリネットは競争率が高い。

しかし、オーボエ、ファゴットとなるとオーケストラには必須の楽器であるにもかかわらず欠員気味である。
難点は楽器が高価であるということ、リード作りが難しいということである。

金管楽器

金管楽器は、普通、トランペット3人、トロンボーン3人、ホルン4人、チューバ1人である。

だから、初心者がいきなりレギュラーの席を占めるのは難しいが、ベテランの補助として入門して、経験を積めばベテランについて演奏するという助手てきなチャンスがあるかも知れない。

吹奏楽ではトロンボーン、チューバの活躍は多いが、オーケストラでは古典派の曲ではなかなか出番が少ない。
ホルンはほとんどの曲でよく使われる。

打楽器

打楽器は吹奏楽では頻繁に登場するが、オーケストラではティンパニがよく使われる。
その他の打楽器は吹奏楽ほど出番は多くないが、ロマン派以降では多用される曲もある。

打楽器はたたくだけだから簡単だろうと考えるのは安易で、音に対して敏感でないと、全体のアンサンブルを壊してひんしゅくをかう。

しかし、すぐに参加できるチャンスはある。

弦楽器

ヴァイオリン、ビオラ、チェロ、コントラバスとあるが、ヴァイオリンは第1と第2に分かれる。

欠員が多いのはビオラとコントラバスである。

しかし、ヴァイオリンやチェロでも参加のチャンスはある。
それは、これらの楽器は大勢いた方がよいという事情があるからだ。

これから弦楽器に挑戦して、みんなの中に入って少しずつ参加するという方向はオーケストラ入門としては近道と言えるだろう。

中年以降でもこれから楽器を習い始めて遅いということはない。
この本には59歳から弦楽器をはじめてかなりの腕前になった人の例が紹介されている。

まずはオーケストラを見学してみよう。

自分がオーケストラを経験することで、オーディオで鑑賞する力もぐっとついてくると言える。

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2008年01月22日

難しい演奏(5)

ラヴェル:ボレロ〜トロンボーン

もうかなりポピュラーになった感じの、ラヴェルの「ボレロ」です。
スネアドラムは始めから最後まで、同じリズムばかり連続しているので、一度、打楽器奏者に「あの曲どうですか?」と聞いてみたことがあります。

その人は

「できれば、一度もやりたくない」

と言っていました。

これも、トロンボーンという楽器をよく知らない人は、わからないでしょうが、トロンボーンのソロが難しいことで有名です。

bolero_tb1.jpg

だから、ボレロの演奏の時は、特にトロンボーンに注意して聴いています。
トロンボーン奏者の腕の見せ所でもあります。

bolero_cd.jpgいくつか演奏を聴いてみると、それぞれ奏者の個性があっておもしろさがあります。

身近に「そんなん吹けるよ」と言う人がいれば、大したものですね。

私の好きな演奏は、クリュイタンス指揮、パリ音楽院管弦楽団のものです。

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2008年01月22日

難しい演奏(4)

チャイコフスキー:交響曲第6番「悲愴」〜バスーン

またもバスーンです。
下の楽譜のところです。
第1楽章の160小節目に、PPPPPPとPのが6つも書いてある有名なところです。

hisopppppp.gif

クラリネットのソロのあと、バスーンがそれに続くように書かれています。
これは、バスーンにとって厳しいようですね。

basscl.gifだから、ここはチャイコフスキーさんの意に反して、バスクラリネットで奏することが通例になっているようです。

hiso_marutinon_cd.jpgそのようなことを知った私は、ここに神経をとがらせて聞いていますが、ところがです。
ウィーンフィルはバスーンで演奏していました!
ジャン・マルティノン指揮のものです。

ムラヴィンスキー指揮、レニングラード・フィルハーモニー管弦楽団はバスクラリネットでした。
みなさんの悲愴はいかがですか?

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タグ:バスーン

2008年01月21日

難しい演奏(3)

ストラヴィンスキー:春の祭典〜バスーン

初演の時、客席で喧嘩が始まり警官隊が導入されたことで有名な曲です。
今では、聞き慣れた曲ですが、この曲も冒頭にバスーンのソロがありますが、難しいことで有名です。

harusai.jpg

何と言っても、いきなり、高い実音Cが大変なようです。
バスーンがいかにも苦しいといった感じの音を出します。
他の楽器にもっていけば、難なく演奏できるでしょうが、ストラヴィンスキーはバスーンを使うことで、悲鳴のような音色の効果をねらったのでしょう。

しかし、近年の演奏ではバスーン奏者はかなり楽々と演奏しているものが多いです。
何でも、この曲のためにバスーン製作の段階でキーが一本追加されたとも聞きました。

指揮者によっては「もっと苦しそうに演奏しろ」と言う人もいるかも知れません。

harusai_cd_gerugief.jpg
私の一番好きな演奏は、以前紹介したブーレーズ指揮、クリーブランド管弦楽団ですが、最近の演奏ではゲルギエフ指揮のキーロフ歌劇場管弦楽団もすばらしいと思います。

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2008年01月20日

難しい演奏(2)

チャイコフスキー:交響曲第6番「悲愴」〜バスーン

basoon.gifチャイコフスキーの交響曲の中で、一番有名な6番、この曲も冒頭でのバスーンが難しいことで有名です。

hiso.gif

これも、バスーンという楽器を知らない人は、何でもないと思うでしょう。
始めのEの音がうまく出せるかどうか、奏者は大変気をつかいます。
コントラバスで弾けばなんてことはないのですが、プロ奏者でも難しいところです。

mffの指示なら難しくないのでしょうが、コントラバスのppに続いてppで出るのが大変なのです。

とにかく、管楽器は一番始めの音にはプレッシャーがかかりますが、pp(弱音)でとなると、一層難しさが増します。

「ヘエー、そうなの?」と思った人は改めて、この曲の出だしを聴いてみてください。

hiso_cd.jpgここに紹介したCDは歴史的名演で有名な、ムラヴィンスキー指揮、レニングラード・フィルハーモニー管弦楽団の演奏によるものです。
チャイコフスキーの3大交響曲、4番、5番もカップリングされているのでお得でしょう。

ムラヴィンスキーは完全主義者で、徹底した練習を行いました。
ソ連時代の厳しい統率のもとでの演奏です。
アナログ時代の録音ですから、できればレコードでも聴いたいただけたらとも思います。

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2008年01月19日

難しい演奏(1)

ラベル編曲、組曲「展覧会の絵」〜トランペット

オーケストラの曲で、演奏が難しいと有名な部分を紹介したいと思います。
まず1回目は、ムソルグスキー作曲、ラヘル編曲の「展覧会の絵」のトランペットの冒頭部分です。
一見何でもないような楽譜ですが、これがトランペット奏者の中では難しいことで有名です。

tenrankai_tp2.jpg

この曲はムソルグスキーがピアノ曲として作曲したものです。
それをラベルが管弦楽に編曲して有名になりました。
他の編曲としては、指揮者のレオポルト・ストコフスキーが編曲していますが、よく取り上げられるのはラベルの編曲です。

楽譜に示したのは、この曲の冒頭です。
これをラベルの編曲ではトランペットが演奏します。
しかもソロで演奏するのです。
楽譜はinCで示してあり、トランペットもC管で演奏しますが、トランペット奏者にとって、いきなりこのA(inB♭)を吹くことはかなり難しいようです。

大体、トランペットは五線の中の範囲の音が吹きやすく、五線より上に行く、あるいは下に行くほど難しくなります。
(そういう意味では、この音は易しいように思える)

どこまで高い音が出せるのかは個人差がありますが、トランペット奏者と言われるからには、高い方は二点ハ(五線の上加線2本のド)までは出ないと通用しないでしょう。

楽器を習い始めて、だんだん上手くなっていくと二点ト(五線のすぐ上のソ)までは出るようになるようですが、加線一本のA(ラ)から急に難しくなるようです。

曲の流れでだんだん上がっていくような場合は、まだいいのですが、この難しいA(ラ)をいきなり失敗なく出すことは、精神的にも大変プレッシャーがかかります。

tenrankai_cd.jpgまた、曲の始めでもあり、この音を失敗すると、あとの演奏のイメージまでが悪くなるだけでなく、メンバー全員の志気ににも関わってきます。

管楽器は、どの音でもいきなり雑音なく、まるで電子オルガンでも弾くように音が出せたら、それだけでプロと言われるぐらいですから、
他の楽器でなら何でもない音ですが、トランペットでこの音を演奏することは大変なのです。

今まで、そんなことは知らなかったという方は、改めてレコード(CD)を聴いてみてください。
もし、あなたの周りにこれを難なく吹けるトランペット吹きがいるとしたら、その人は大した人です。

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2008年01月17日

音楽の都ウィーン

オーストリアのウィーンは音楽の都と言われています。
オーケストラも、クラシックフアンから人気が高いウィーン・フィルハーモニー管弦楽団があり、歴史的な名指揮者が指揮をして、数々の名演を残しています。

のだめカンタービレでは、コントラバスの女の子が「私ウイーンフィルに入るね」と言っていましたが、実はウイーンフィルは伝統的に女性の入団を拒否してきました。

その理由は、女性の場合、産休をとった場合、その欠員を埋めるために同等の演奏家を探すのが大変だからと関係者が言っていました。

ところが、そういう理由を知ってか知らないでか女性で入団を希望した人がいました。
その女性は、先の理由で入団を断られましたが、承知できなかった女性はオーストリア政府に、多分、不公平だと申し出ました。

これに対して、オーストリア政府は、女性という理由で入団させいないのはいけない、つまりその女性の訴えはもっともだと理解し、ウイーンフィルに対し「そのような差別をするなら、資金援助をしない」
とまで伝えました。

困ったのは、ウイーンフィルですが、その後、顛末がどうなったのかは知りません。
どなたかご存じの方は、教えてください。

ところで、ウイーンへ旅行したある人に

「ウイーンは音楽の都と言われていますが、行かれて、そうお感じになったことはありますか?」

と尋ねると、その方は

「ある農家を訪問したんですよ。すると、ご主人が奥の方へ引っ込んだかと思ったら、恥ずかしそうな顔をしながら、チェロを持って出てこられました」

「ほう、さすがですね」

「まあ、そのことはまあそれでいいのですが、ご主人はチェロを弾く前に電話をされたんですよ」

「へえ、どこへ電話されたんですか?」

「チェロをチューニングするために、電話でAの音を聞いていたんですよ。オーストリアでは、電話でAの音のサービスをしているんです」

お客さんを歓迎するために、音楽でもてなすというのも驚きですが、電話でチューニングのためのAをサービスしているというのは、さすがと思いました。

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2008年01月16日

ヴァイオリン

violin.gif
ヴァイオリンのトラブル

オーケストラの演奏会へ行くと、ヴァイオリンの一番後ろの椅子に、ヴァイオリンだけが置いてあって、誰もそのヴァイオリンを弾いていないという光景を見ることがある。

それは誰かが欠席したのではなく、予備のヴァイオリンなのだ。
ヴァイオリンも時に弦が切れるなどのトラブルがある。
そういうときに備えてのヴァイオリンだ。

ヴァイオリンは大勢いるので、一人ぐらい弾かなくてもただちに大事に至ることはないが、コンサートマスターに事故が起きたら大変である。

コンサートマスターはその名の通り、オーケストラ全体のリーダーで、指揮者の気持ちを敏感に感じ取り全体に伝えるという役目がある。

もっと詳しく言うと、オーケストラが一斉に音を出すような場合でも、ほんの一瞬だけコンサートマスターが先に音を出す。

そのコンサートマスターのヴァイオリンが故障した場合は、一番後ろの席に置いてあるヴァイオリンを後ろから順番に手渡ししてコンサートマスターに渡す。

ヴァイオリン協奏曲では、独奏者が指揮者の横に立って弾くが、その独奏者のヴァイオリンの弦が切れたこともある。

すぐ近くのヴァイオリンの人に貸してもらって演奏を続けた場合もある。

チェロやコントラバスの弦は丈夫なので、弦が切れたということを聞いたことはないが、ヴァイオリンやヴィオラではそういうこともある。

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タグ:ヴィオラ

2008年01月15日

オーケストラのハプニング(3)

クラリネット 大変です!

オーケストラの編成を表す時、二管編成という言い方をします。
これは、フルート、オーボエ、クラリネット、バスーンが2本ずつ編成という意味です。
それぞれの楽器は一番、二番という風に楽譜が分かれています。

このように、管楽器はオーケストラでは一人1パートです。

吹奏楽のように、同じパートを複数で演奏するということは、オーケストラでは少なくなってきます。
つまり、オーケストラの管楽器奏者は皆ソリストと考えてよいでしょう。

だから、ヴァイオリンのように大勢のパートでは、一人が音を出さなかったとしても、大事には至りませんが、管楽器の場合は全く音がなくなってしまって大変なことになってしまう場合があります。

これは、管楽器の奏者にはそれだけプレッシャーがかかっていることになります。
そういうこともあって、管楽器奏者は特別上手で、精神的にも強い人が選ばれているのですが、それでも事故の起きることもあります。

どんな事故が起きるのかというと、管楽器は吹く楽器ですから唾がたまります。
その唾がたまって音が変になることもあります。

クラリネットでは、キーを押さえたとき開くはずの穴が唾でふさがれていてプルプルプルなんて音になったら大変です。

もしも演奏中にそんなことになったらという不安があります。
幸い、オーケストラでは管楽器は休みの部分も多いので、奏者はその休みの間に唾を取り除くようにします。

クラリネットの場合、スワブという布に紐がついたものを管に通して唾をとります。
そういう光景を見られた方もいると思います。

ある演奏会で、某オーケストラの主席クラリネット奏者のAさんは、演奏中に、やがて迫ってくるソロの前に唾をとっておこうと思い、スワブを管に通しました。

ところがです。
スワブを抜こうとしたら抜けない。
大変です。

「助けてー」

と言ったとか言わないとか。

どう始末をつけたかは聞きませんでしたが、ソロが吹けなくなってしまったらしいです。

この話を聞いてから、スワブを通す時には慎重になっています。

某楽器メーカーの説明書には、スワブを通す方向について注意が書かれています。
ベル(開口部)の方向から通すのではなく、吹く方の管(上管)から通すようにと。

クラリネットを吹く方は、上巻の方からスワブを通した方が賢明です。

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2008年01月14日

オーケストラのハプニング(2)

おい!演奏中に何をする!

オーケストラの曲の中には、作曲家が演奏効果を高めるために、特別な演奏形態を指定しているものもあります。

例えば、レスピーギ:ローマ三部作の中の「ローマの松」は、tp.jpg
小鳥の鳴き声を出すために、演奏中に指定のレコードをかけるようにと、楽譜に書いてあります。
レスピーギは本物の小鳥の鳴き声を要求したのです。

実際、それぞれのオーケストラがこの要求をどのように実現しているのかはわかりませんが、打楽器奏者が鳥の声を真似した笛を吹いているという演奏もありました。

また、この曲ではトランペットのソロがありますが、ただP(弱く)の指示があるだけでなく、遠くから聞こえてくる効果を出すために、ステージから離れて吹くようにとの指示があります。

それで、トランペット奏者はそのソロの部分ではステージを離れて、指揮者の見えるステージの袖の引っ込んだところで吹いたりします。
これをオフステージと言います。

この曲に携わった某トランペット奏者が、そのソロを吹こうとした時、ホールの係をしているおじさんが

おい!演奏中に何をする!

と真剣な態度で奏者の腕を掴んで制止しました。
あわてたのは、その某トランペット奏者です。
ソロが台無しになってしまいました。

指揮者もびっくりしたでしょうね。

ホールのおじさんはレスピーギのローマの松を知らなかったんですね。

このように、特別な指示がある曲では、演奏関係者だけでなく、裏方の人たちにも伝えておいた方がいいでしょう。

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2008年01月13日

オーケストラのハプニング(1)

あっ!指揮者がいない!

conductor.jpgオーケストラの演奏風景を見ると、ふつう、真ん中に指揮者が立っています。
もとから指揮者を必要としないとした、オルフェウス室内管弦楽団の場合は、指揮台すらありませんし、そういうオーケストラだということで、演奏会に行きますから驚くことはありません。

しかし、指揮者が演奏の途中で突然消えたとしたら驚きますよね。

そんなことあるわけないって?
いや、実はそういうことがあったんです。

聴衆は驚くでしょうが、もっと驚くのは奏者たちではないでしょうか?

「指揮者が演奏の途中で、突然消えたなんてことがあったんですか?」

「ええ、あったんです」

「ふと前を見ると、指揮者がいないんです!」

「いやあ、驚きましたねえ」

こんなやりとりがありました。

なぜ、指揮者が突然消えたのかって?

実は、指揮者が指揮台から転げ落ちて、客席の方へ転落したんです。

それは誰かって?

言っちゃっていいのかな?

もとNHK交響楽団の常任指揮者、山田一雄さんということです。
彼は転落してから、またステージに上がっていって、何事もなかったかのように指揮をしたということです。

それからかどうかはわかりませんが、指揮台には手すりのようなものがついたものがあります。
いや、ようなではなく、指揮台についている手すりのようなものは、間違いなく手すりです。

指揮者がよろめいて、大事に至らないようにつけたものです。

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2008年01月10日

指揮のイロハ

指揮は変化の直前までは振れない

どういうことかと言うと、曲が二拍子から三拍子に変化するとき、二拍子の最後の拍まで指揮することはできないということである。

下図の楽譜は、ホルストの組曲「惑星」のジュピター(木星)の一部分である。

jupiter2.gif

二拍子から三拍子に変わるところがある。
これを三拍子の直前まで、二拍子(実際は、二拍子の部分は一小節を一拍に振る)で振ると、演奏者は混乱する。立ち往生することもあり得る。

図の赤線を引いた部分までは二拍子で指揮をし(一小節を一拍に振る)、Aの小節は次の三拍子になる小節の予備拍として振らなければならない

こういうところが、指揮のイロハがわかっているかどうかである。
往々にして、アマチュア指揮者ではこういうところで立ち往生したり、ごまかしたり、余分な拍が入ったりする。

学校などのバンドで、練習回数が多い場合は、いい加減な指揮でもお互いの馴れあいでなんとか演奏が止まらずに事なきをえている場合もあるが、練習が2回ぐらいで次は本番というような場合は非常にまずい。
演奏者はエキストラなどは本番の当日だけという場合もある。
だから、指揮は好きなようにやってよいのだけれど、最低線のイロハだけは守らないと大勢の人に迷惑をかけることになる。

アマチュアでも、指揮者にはなかなか文句をつけにくいものである。
まして、ほとんど指揮がわかっていなくて、プライドが高いだけの人には言いにくい。

だから、指揮者は演奏者から話しかけられやすい雰囲気を作っておくことも大切だと思う。
そうでないと、イロハもわかっていないのに話しかけにくい指揮者は、次第に嫌われていく。
また、奏者が指揮を見なくなる。
見ていると危ないし、混乱するから見なくなるのである。

中には「指揮を見ていない」と叱る指揮者もいるが、自分の指揮がまずいのではないかと考えてみることも必要である。

オーケストラは演奏がスタートして、拍子やテンポが変わらない場合は、変な指揮でも混乱はない。
だが、指揮者と言うからには最低限しなければならないことがある
指揮をすることによって、かえって迷惑をかけている人のことを混濁多と言った人がいるが、うまく言ったものだと思う。

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2008年01月08日

指揮者もいじめられる

パーティである指揮者が、私に語ったことがあります。

「いやあ、指揮者って、せいぜいもって2年ですよ」

と、どうしてかという続きを彼は続けました。

「初対面のオーケストラでも、半分のメンバーは好感をもってくれても、後の半分は反感を持っている。すると、反感を持っている半分は指揮者のアラ探しを始める」

つまり、どうでもいいようなこと、ちょっとしたことでも、反感を持っている連中は、質問したり、素直でない行動をとる。

それで、それらの精神的軋轢に耐えられるのが2年間ぐらいだというのである。

まあ、わざと違う音を出して指揮者を試すなんてこともあるかも知れませんね。
まるっきりはずれた音を出せば、すぐバレるでしょうが、オクターブを変えたり、同じ和音の中の違う音を出したりすれば、バレにくいかも知れません。

メンバー全員が半音高くして演奏したなんて話も聞いたことがあります。
そうしたら、指揮者が

「バカにするな」

と怒って帰ってしまったという。

それで、メンバーは「すげえ」と感じて、以後従順になったと言います。

難しいのは、いくら音楽に関する能力、指揮がうまくても「人間的に受け入れられるか」ということがあります。
だから「指揮は学べるか」という問に対しては「学ぶことはできるが、指揮者になれるかどうか?」という返事が返ってくるわけです。
のだめカンタービレでも、オーケストラのメンバーが「この若造」といった反感のシーンがありました。

半音上げて演奏したというのは、聞いた話ですが、海外のメジャーなオーケストラの団員が直接話してくれたことですが、指揮者が練習後や休日に団員の機嫌をとるためか自宅に招待してもてなすこともあるということです。

まあまあ、人間関係がよくても、同じ指揮者で何度も演奏していると「飽きてくる」ということもあります。

だからでしょうか、常任指揮者としての契約は2年ぐらいが多いのかも知れません。

ベルリンフィルは「この指揮者はだめだ」と感じると、指揮者を無視し、コンサートマスター中心で演奏をやってしまうということを言っている人もいました。

カラヤン(ヘルベルト・フォン・カラヤン)はベルリンフィルから終身指揮者、つまり「我がオーケストラであなたは一生指揮してください」という称号をもらったわけですから、いかに偉大な指揮者であったかということです。

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2008年01月07日

指揮者って必要なの?

正月早々「のだめカンタービレ」というおもしろい番組を見て、考えたことがあります。

「のだめ」って何だろうと、わからなかったことについては、以前書きました。
「カンタービレ」は音楽用語だから知っていました。
よく出てくる曲想記号です。

楽譜にcantabile(カンタービレ)って書いてあると、音楽をやっている人たちは「歌うように」と解釈します。

指揮者に言われるまでもなく、この記号を見ると、奏者は心をこめて歌うようにするわけです。
なのに、指揮者から「ここはcantabileと書いてあるだろう!」と言われたら、気持ちが伝わっていないということですね。

それから「のだめ」流に、私の知っている人の名前を考えていました。
そしたら、変なのがありました。
私の友人でも知人でもないですが「大場」さんというお宅がありましたが、どういうわけか、女の子に「加代」って名前つけたんですね。

この子は話題になりました。
だって、フルネームで言うと「おおばかよ」になってしまうからです。
ウソのような本当の話です。

これを「のだめ」流にやると「おおばか」になります。
だから、のだめさんのように挨拶をすると「おおばか」ですとなります。
まさか、そんな風に言わないと思いますが。

前置きが長くなりましたが、おそらく「のだめフアン」は音楽のことをよく知っている人が多いのではと思いますが、大変人気のあるマンガ、ドラマのようなので、中には「オーケストラ入門」のような人もいるのではと思い、オーケストラの雑学を知っていると、さらに楽しみが増すのではと思い「オーケストラを10倍楽しむために」というカテゴリーを作ってみました。

間違いに気づいたり、補足がある方はよろしくお願いします。

「指揮者って必要なんですか?」という質問は案外多いです。

必要なのかと聞かれると、ちょっと困るんですね。
それは、なくたって演奏はできるんですから。

プロのオーケストラでも、全く指揮者を雇わないと宣言してやっているオーケストラもあります。
オルフェウス室内管弦楽団が有名です。

オルフェウス室内管弦楽団(Orpheus Chamber Orchestra)はアメリカ合衆国の小編成のオーケストラ。ニューヨーク州を拠点とし、数多くの録音を残してきた。指揮者なしで秀逸な合奏力を発揮している。バロック音楽から現代音楽までレパートリーは幅広いが、とりわけロマン派音楽の解釈で有名である。2度グラミー賞を受賞した。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

指揮者がいなくても、大変見事なアンサンブルを聴かせてくれます。
演奏会に行くと、通常は真ん中に立っている指揮者がいないのですから、変な感じがします。

でも、通常のオーケストラは指揮者がいますが、前述のように指揮者がいなくったってオーケストラは演奏できます。

じゃあ、なぜ指揮者をおくのかということになりますが、より音楽性の豊かな人が指揮をすることによって、オーケストラの演奏を一段と高い次元に高めることができると言った方がよいでしょうか。

クラシック界では人気を二分するウイーンフィルとベルリンフィルについて、名指揮者カール・ベーム氏は次のように語っていました。

ベルリンフィルは指揮者がダメだと、自分らで演奏を勝手にやっていく、それに対しウイーンフィルは指揮者がダメな場合はバラバラになってしまうオーケストラだと。

学校のクラスだと、担任の先生が指揮者で級長がコンサートマスターであると考えるとわかりやすいのではと思います。

ダメ担任の場合、こりゃ先生にまかせておけないと生徒たちが思うと、級長を中心として何でもやっていくクラスのようなものです。
また、担任がダメだとワイワイガヤガヤやっているだけで、少しもまとまらないクラスもあるでしょう。

一番望ましいのは、まあ当然やるべきようなことは、有能な級長がみんなに指示を出してやっておく、その上に先生が大人としての知恵を授けるという形でしょう。

これで、オーケストラの指揮者の存在がなんとなくわかったでしょうか?

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