2010年12月27日

アンサンブルの形態を考える

和声法から考えると、合唱がソプラノ、アルト、テナー、バスという声部が基本となっているように、アンサンブルも同様な声部を考えることになる。

そこで、どんなアンサンブルの形態がよいかと言うと、私は木管五重奏が好きである。
それは、私自身がクラリネットを演奏するということもあるが、伝統的な木管五重奏の編成は、フルート、オーボエ、クラリネット、バスーン、ホルンとなっていて、その音色の多彩性に魅力がある。

異種の楽器のアンサンブルは人によっては難しいと言う。
それは、音階のカーブが異なるからである。
例えば、フルートは音域が高くなると、音程が上昇気味になりこれにクラリネットがつき合うのは苦しい。

知らない人にとっては、何を言っているのかわからないかも知れない。
それは、管楽器の音が運指によって、ピアノのように音が決まってしまうと考えている人や、同様に管楽器も平均率で音階ができていると考えているからであろう。

ヴァイオリンのような弦楽器では、指板にギターのようにフレットがないため、音の高さは自在であるが、管楽器はそうはいかないと考えている人もいる。
もっとも、トロンボーンだけは外観から、どんな音程も自在であるとわかるかも知れない。

それはそうと、ソプラノ、アルト、テナー、バスの声部を考えてアンサンブルを作る時、例えば、全部クラリネットで編成するというのは、音は合いやすいかも知れないが、私はあまりおもしろさを感じない。

金管アンサンブルもトランペットなら、トランペットだけでソプラノ〜バスという編成も考えられるが、テナーやバスは大変である。
バストランペットというのは、現実に存在していて、ロスフィルの金管奏者がアンサンブルをやっているのを聴いたことがある。
バストランペットには支柱があった。
以来、バストランペットというのを聴いたことはないが、この楽器は奏者の疲労度が高いとか書いてあった。
トロンボーンだって、アルトがあるが滅多に使われない。

ということで、無理に同種の楽器にすることはないのだ。
しかし、どういうわけか、仲間意識が強いのか、同種の楽器にこだわったアンサンブルも存在する。

フルートなんか、アルトまではいいが、バスやコントラバスを揃えてアンサンブルをやったところで、何かおもしろいですか?と言いたくなる。

同種や同族の楽器のアンサンブルで、唯一私がおもしろいと感じるのは、弦楽四重奏である。
これは、上手いアンサンブルによると絶妙な音の解け合いがある。

そのせいか、作曲家の多くは魅力を感じてか、特に晩年に芸術性の高い弦楽四重奏の作品を作ることが多い。

どんなアンサンブルがいいかと言うと、大作曲家がどんな編成を用いて曲を書いているかを探せばわかりやすい。

例えば、弦楽四重奏に一つ楽器をプラスした、ピアノ五重奏曲などである。
三重奏曲も、ヴァイオリン、チェロ、ピアノといったもの。

結局、何が言いたいのかというと、単なる仲間意識だけでアンサンブルをやっても、聴く方は必ずしも嬉しくないので、トランペット仲間だけの八重奏なんてのはコンサート用では、本当に受け入れられるのかどうかを考えてもらいたいということである。

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posted by dolce at 00:05 | Comment(0) | TrackBack(0) | アンサンブル

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